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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。.
10月のニュースから
■ソニーBRAVIA、内部で発熱・発火の恐れ/18万台点検
ソニーは、2007年9月に発売した液晶テレビ「BRAVIA」の一部で、液晶バックライト点灯用のインバータートランスに不具合のあるものが混入し、稀にテレビ内部で発熱・発火してテレビ上部が一部溶解する場合があることから、対象製品の訪問点検を実施することにしました。
対象部品に不具合が見つかった場合は修理するとしています。2011年10月12現在、この不具合が原因でテレビが溶解する事例が10件発生しているとのことです。
また原因は調査中ですが、対象製品で重大製品事故と認定された火災事例が1件発生しているものの、テレビ以外の物損やケガなどの報告はないようです。
同社は、点検を待つ間にテレビに異音、異臭、発煙といった異常が生じた場合、直ちに電源を切り電源ケーブルをコンセントから抜いて使用を中止し、ソニーテレビ受付センターまで連絡するよう呼びかけています。また今回の事象は、電源スイッチを切った状態では発生しないとのことです。[目次へ]
■誤った接続によって発火/ポータブル充電器
国民生活センターでは、「ポータブル充電器に USB ケーブルを接続し、それに AC アダプターを接続してコンセントにつなげたところ、充電器が発火し横に置いていたものに燃え移った。発火した原因を調べてほしい。」との依頼を受けたことから調査を行いました。同センターによると、苦情品はスマートフォンなどの端末を充電できるリチウムイオン充電池を内蔵したポータブル充電器で、この充電器本体も AC アダプターを使って充電することができるものです。付属の USB ケーブルはスマートフォンなどの端末を充電するときに使用するものですが、事故発生時、この USB ケーブルの先に誤って充電器本体を充電するための AC アダプターを接続していました。このため、AC アダプターが本来接続されるコネクタではない USB コネクタにつながった状態になっていました。
申出によると、事故発生時、充電器本体の電源スイッチは OFF で、充電器本体と AC アダプターを接続した後に就寝し、翌朝に発火に気がついたとのことでした。これに基づいて再現テストを行いましたが、現象は確認されませんでした。一方、充電器本体の電源スイッチを ON で同様のテストを行ったところ、充電器本体の温度が上昇し、5 時間以上経過した後に電池パックの膨張によって筐体(ケース)が破損して大きく発火する様子が確認されました。
今回の発火事故は充電時の誤った接続が直接の原因と考えられますが、USB ケーブルと AC アダプターのプラグがそれぞれ接続できる形状であったことや、取扱説明書が英文表記であったため、消費者が適切な使用方法を認識できなかったことが考えられました。また、付属の ACアダプターは、電気用品安全法の対象品目になっていますが、表示に不備がみられました。
今回の事故については、事業者より商品の代金と被害を受けた家財道具の原状回復費及び見舞金が既に支払われています。
また、本件に関して、輸入販売元である株式会社 StrapyaNext(ストラップヤネクスト)より、商品の回収・返金の社告が出されています。当該製品をお持ちの方は、お問合せください。[目次へ]
■キックスケーターで転倒、ハンドルの端で右ほおを裂傷
国民生活センターでは、消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テストから、キックスケーターでの事故を紹介しています。
5歳児がキックスケーターに片足をかけた状態で転倒し、ハンドルの端が顔面にぶつかり右ほおに裂傷を負ったという相談がありました。調査した結果、苦情品のハンドルの端部には、樹脂製のカバーが施されていましたが、転倒の衝撃でカバーがパイプ内に押し込まれてパイプ端部が露出してしまい、その端部が顔面にあたり裂傷を負ったものと考えられました。また、製品の対象者に関する表示を調べたところ、取扱説明書には「耐荷重量70kgまで(対象年齢7歳以上)」と記載されていましたが、外箱には「耐荷重量70kgまで」としか表示がなく、購入時に対象年齢を判別することはできませんでした。
テスト結果の報告を受けたメーカーは、ハンドルの金属製パイプの内径を小さくするなどしてカバーが外れて端部が露出しないような構造に改善するとともに、対象年齢についても、購入時に判別できるよう外箱にも表記するようにしました。また、相談者には解決金が支払われました。
依頼内容 は「5 歳の女児がキックスケーターに片足をかけた状態で転倒し、ハンドルの端が顔面にぶつかり右ほおが切れた。ハンドルの端の構造に問題がないか調べてほしい。」というものでした。事故時の状況を聞き取ったところ、ハンドルの端にぶつかったほおは、半円状の裂傷を負い、傷跡が残ったとのことでした。
苦情品は折りたたみ式のキックスケーターで、スタンドはなく自立できない構造でした。また苦情品のハンドルは、金属製のパイプに黒色の発泡樹脂製のグリップが施され、そのパイプ端部には樹脂製のカバー(黄色)が付いていましたが、そのカバーは、大人が指で押せる程度の力(3.3kgf)でパイプ内に入り込み、金属パイプの端が露出するものでした。
また、苦情同型品2 台についても調べたところ、苦情品のようにカバーがパイプ内に押し込まれやすいものと、カバーがパイプ内に入らないものとがありました。
苦情品のハンドル端部が転倒して当たった際に危険かどうか調べるために、変形しやすい材質(バルサ材)の上に転倒させ、その接触した跡を観察したところ、転倒の衝撃でカバーがパイプ内に入り込み、パイプ端部が露出したため、バルサ材に円形の跡が付きました。
製品の対象者に関する表示を調べたところ、取扱説明書には「耐荷重量 70kg まで(対象年齢 7歳以上)」と記載されていましたが、外箱には「耐荷重量 70kg まで」としか表示がなく、購入時に対象年齢を判別することはできませんでした。
以上、苦情品のハンドル端部には、樹脂製のカバーが施されていましたが、転倒の衝撃でカバーがパイプ内に押し込まれてパイプ端部が露出してしまい、その端部が顔面に当たり裂傷を負ったものと考えられました。また、苦情同型品の中には、転倒の衝撃でパイプ端部が露出しないものもあったので、品質管理の徹底が必要と考えられます。
テスト結果の報告を受けたメーカーは、ハンドルの金属製パイプの内径を小さくするなどしてカバーが外れて端部が露出しないような構造に改善するとともに、対象年齢についても、購入時に判別できるように外箱にも表記するようにしました。また、相談者には解決金が支払われました。[目次へ]
■「エヴァマリア」 回収/またまた国際免疫研究所
国際免疫研究所は、「エヴァマリア」で化粧品製造業許可を取得せずに製造したこと、化粧品製造販売届を提出せずに製造販売したこと、また製造販売名が不適切であったこと、製造した化粧品に薬事法上の製品表示事項(製造販売業者の氏名、主たる事務所の所在地)を記載していなかったこと、保存方法や期限表示に誤りがあったことが判明したため、回収を行うことにしました。
同社では、製品の安全性に問題はなく、これまでに健康被害の報告もないとしています。
同社の「リバースライブプラセンタ」について、化粧品製造業許可を取得せずに製造したことなどから回収をしていることをASPニュース9月号で紹介したばかりです。
今回も製造許可を取得せずに製造したことなど同様な不祥事による回収であり、同社の法律無視・品質無視の実体が、確かなものとなったようです。[目次へ]
■アイランド食品 、干しそばに「自然薯」の不当表示
アイランド食品は、干しそばにごく少量の自然薯粉末しか使用していないのに「自然薯そば」と表示したとして、2011年9月9日付で消費者庁から景品表示法に基づく措置命令を受けたことから、お詫びとお知らせを発表し、誤認排除のための公示を行いました。
同社は、「乾自然薯そば」及び「乾尾瀬自然薯そば」の包装紙に「自然芋そば」、「乾尾瀬自然薯そば」、「深山に自生する山芋を使用」などと、山野に自生する自然薯を相当程度使用していると認識される表示をしていましたが、実際は栽培した自然薯の粉末を極めて少量しか使用していなかったものです。
また、この2商品と「白川郷合掌そば」に使用していたそば粉の配合割合は約12%で、そば粉の原材料は外国産の玄そばでしたが、包装紙にそば粉の配合割合を記載せず、「地元に育った純良なそば粉を使用したおそばです」と偽りの表示をしていました。
いずれの自然薯そばでは、山野に自生する自然薯を原材料とするものでないにもかかわらず、「乾自然薯そば」では、「自然芋じねん じょそば」、「深山に自生する山芋は粘り強くて器量良し」等と表示、「乾尾瀬自然薯そば」では、「じねんじょそば」、「山奥の自然の恵みをいっぱいうけて自生している自然薯は味良し香り良し器量よし」等と、いかにも山の中で採取されたかのような文言を躍らせる、非常に悪質な表示を行っていたものです。しかも使用されている自然薯の粉末は、極めて少量(配合割合約0.019%)というものでした。
人を騙して儲けることに何の罪の意識もない同社ですが、相変わらず多くの商品がインターネット上で販売されています。景品表示法では、違反しても措置命令にしたがえば特に罰則はないので、見つかるまで販売する業者・企業が出てきてしまいます。
そのため、食品・化粧品などでは景品表示法違反がいつまでも続くことになり、法の抑止力が極めて弱いものとなっています。
詐欺まがいの商法がまかり通っている現在、企業・業者のモラルに頼らない法整備・メディアでの社会的制裁などが求められます。
アレルギー問題で大騒ぎになっている悠香の石鹸ですが、消費者庁が出来ても、守るべき消費者の立場に立ってないため、周知の遅れから被害者が増大したとの指摘もあります。いいかげん企業・業者に甘い国から脱却して、国民目線で健康・安全を確保し、安心できる社会にしてもらいたいものです。[目次へ]
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