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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。.
9月のニュースから
■電動車いす(ハンドル形)の使用に関する注意喚起について
消費者庁は高齢者の利用が増えている電動車いす(ハンドル形)で道路から転落するなどの死亡・重傷事故が発生していることから、製品使用者への注意喚起を行いました。
電動車いすの重大製品事故は、重大製品事故報告・公表制度を施行した平成19年5月以降、現在まで46件報告されていて、乗車中の転落等による事故は41件(死亡26件、重傷15件)、火災は5件発生しています。消費者庁発足 の平成21年9月以降では今回公表の事故を含み転落等14件、火災2件となっています。
事故の多くは、乗車中の転落、転倒、衝突によるものがあり、使用者が死亡・重傷に至る報告が数多く寄せられているといいます。
事例報告を見て1つ気になったケースは、平成19年9月6日に発生した事故で、踏切内で電車にひかれ死亡したものです。調査の結果、当該製品に電車との衝突による変形・損傷を除き異常はみられなかったそうです。 車椅子使用者は、踏切内で電車が近づいてきたことに慌て誤ってアクセルレバーを強く握り込んでしまったため、緊急停止動作をとり続けてしまったと判断されています。
なお、当該使用者が運転を開始したのは事故日の数日前からで、操作に慣れていなかったとされています。
ただし使用者側から見ると、踏切内で電車が近づいてくればアクセルレバーを強く握りしめるのは当たり前の、予見可能な緊急脱出動作です。これは車椅子不慣れな人ばかりでなく、十分習熟した人でも同じ状況になる可能性が高いものです。
その結果が緊急停止動作となるのですが、健常者で車椅子から降りて脱出できない人が利用する車椅子におけるこの停止装置とはどのような観点で装着されているのでしょう。車椅子が停止した状態が安全、という前提だと思いますが、誰にでも起こりえる車椅子で緊急避難するときのアクセルレバー操作のことを想定していないことになります。これは取扱説明書に注意書きがあったとしても、製品の重大な危険要素だと思います。
メーカー・業界の再発防止対策の必要性を感じます。[目次へ]
■サイクロンクリーナー過熱/コーナン、製品交換
コーナン商事(株)は、同社が販売した「LIFELEX サイクロンクリーナー」において、本体内部の吸引ホースに塵が詰まり、自動停止装置が装備されていないことなどからモーターが過熱、カーボンブラシの異常火花が発生することが判明したため、製品交換を始めました。
当該製品の販売等期間は2010年5月〜2011年6月です。
同社によると、原因は本体内部の吸引ホースに塵がつまった際、自動停止装置が装備されていないこと等から、モーターが過熱し、カーボンブラシの異常火花が発生することが判明したとしています。
安全のための自動停止装置が無くても問題がない、と開発・設計した製品だったのでしょうが、メーカーにおける適切な安全評価を行っていなかったことは明白です。またコーナン商事には販売事業者としての、製品の安全検証をどの程度行っていたかが問われます。[目次へ]
■ハロゲンヒーターで出火事故/コーナン、製品交換
コーナン商事(株)は、同社が販売した「LIFELEX ハロゲンヒーター」において、ヒーターの弱設定で長時間使用すると内部部品の並列ダイオードが異常加熱し、発煙・発火する恐れのあることが判明したため、9月21日から代替品への交換を始めました。
消費者庁及び経済産業省によると、今年2月2日に、対象商品を使用中にスイッチ横部分から発煙する火災が1件発生したとのことです。商品に使用されている強弱切り替え用ダイオードの不良により、出力が「弱」の時にダイオードが異常発熱し、樹脂製の支柱に着火、出火に至ったと考えられるそうです。
これまたコーナンのLIFELEXブランド商品での問題ですが、単純な設計ミスのようです。同社が販売する製品の製造メーカーの安全品質には疑いを持たざるを得ないものです。またメーカー品質保証部門への同社の品質審査などに問題があるようです。[目次へ]
■リラックスチェア、転倒で負傷/ニッセン、無償改修
株式会社ニッセンが輸入し、販売した椅子において、使用者が当該製品の座面の前縁部に座ったところ、背もたれ部が後に倒れ、転倒し負傷する品事故が発生しました。
事故原因は調査中ですが、座面前縁部に着座し続けることで、リクライニング機能部分に負荷がかかり、座面に衝撃が加わった際に、背もたれと座面の接続部分に荷重が集中し、背もたれ部分が180度以上倒れたため、事故に至ったものと考えられています。
同社では事故の再発防止を図るため、同社ホームページに情報の掲載、判明している購入者へのDM発送を行うとともに、10月上旬から対象製品について無償改修を実施するとしています。
対象製品は商品名「オットマン付本革張りリラックスチェア ロータイプ」で、管理番号は1318−7781−111(ブラック)、1310−1471−111(ベージュ)です。販売期間は平成19年4月〜平成23年6月で、対象台数は1,492台です。[目次へ]
■ルルド、3Dもみパーソナルチェアの販売一時休止と自主回収
アテックスは、本年4月より販売を開始した、3Dもみパーソナルチェア(AX-CL1630、DS1630・医療機器認証番号:223AGBZX00060000)が、認証機関より仕様について改善の指摘があったことから、本品の販売一時休止と自主回収を行うことしにしました。
この自主回収は、JIS T2002:2006の第5.2〔構造〕にある、「自動的に施療部を刺激する機器は、赤色で表現した"手元で操作ができ、直ちに動作を停止させることができ、他の機能から独立したスイッチ"又は"危険を回避し、他の機能から独立したスイッチ"を赤色表示で設けなければならない。」ことを受け、実施するものだといいます。
順次、代替部品(コントローラー部に停止スイッチ追加)に交換するようですが、当該製品は身体を拘束するような構造ではなく、事故を起こすようなものではなく、現在までに当該製品による事故の報告もないそうです。
JIS規格の構造に不適合、という不具合でしたが、製造メーカーの安全規格対応がずいぶんずさんなようです。[目次へ]
■ライターの規制等に係る経過措置期間が終了/経産省、改めて周知を図る
経済産業省では、使い捨てライターを使用した子供の火遊びによる火災の発生を受け、消費生活用製品安全法施行令の一部を改正し、平成22年12月27日 よりライターに係る規制を開始しました。
経過措置期間が終了する9月27日以降は、以下の条件を満たしたライター以外、販売することができなくなり、同省では改めて周知を図ることとしました。
- ライターは、構造、強度、可燃性等の安全性に加えて、子供が簡単に操作できない「幼児対策(チャイルドレジスタンス)」機能などの安全基準を満たす必要がある。
- 安全基準を満たしたことを示すPSCマークを表示する。
同省では、ライター販売規制の経過措置期間の終了に先立ち、消費者庁、警察庁、環境省等の関係省庁と連携し、広く国民の皆さまに向けてライター規制に係る周知広報リーフレットを作成・配布することとしました。
また、ライターの廃棄を原因とするごみ収集車の火災事故等が発生していることから、ライターは各自治体のルールに従って正しく廃棄するよう、周知することにしています。[目次へ]
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