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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。.
7月のニュースから
■パワーウインドウの安全性/国民生活センターが3度目の調査
国民生活センターでは、今年に入ってパワーウインドウに挟まれて子供が重症を負った事故が2件大きく報道され、危害情報システムには、2005年度以降の5年間でパワーウインドウに指を挟まれて切断や骨折をした等の事例が23件寄せられていることを重くみて、今回テストと調査を行いました。
同センターでは、これまでに2回パワーウインドウの安全性についてのテストを実施、消費者への注意喚起とともに、業界に対して挟み込み防止機能等の安全装置の装備を要望してきました。
しかし現在も事故が起きていることと、前回のテストから7年が経過していることから、現行の車種を中心に、安全装置等の装着の実態を明らかにするとともに、パワーウインドウの閉まるときの力や安全装置の動作等を調べて、再度消費者へ情報提供することにしたものです。
テスト及び調査結果は次のものでした。
<装備の有無の確認>
* 集中開閉スイッチとロックスイッチは全ての銘柄に付いていたが、ロック中の動作は一部の車種で異なっていた
* 運転席には全銘柄とも挟み込み防止機能が装備されていたが、全席に装備されていたのは26銘柄中10銘柄であった
* 4mm厚の金属板や太さ12mmのダミー人形の指を挟んだところ、挟み込み防止機能を装備したほとんどの銘柄はウインドウが反転し機能が働いたが、1銘柄は反転しないときもあり動作が不安定であった
<パワーウインドウが閉まるときの力>
* パワーウインドウが閉まるときの力は若干大きくなっていたが、挟み込み防止機能が働くときの力は前回のテストよりも小さくなっていた
<現行車種のパワーウインドウの有無や挟み込み防止機能の装備状況>
* 国産車の現行車種でパワーウインドウが装備された全席に挟み込み防止機能が装備されているのは196車種中65車種であった
<消費者へのアドバイス>
* パワーウインドウの操作は、必ず安全確認をしてから行う
* 低年齢の子供には、パワーウインドウを操作させないこと。また、子供が同乗する際は、パワーウインドウのロックスイッチを活用する
* パワーウインドウの操作によっては、挟み込み防止機能が働かない場合もあるので、取扱説明書で操作をよく理解しておく
* 購入の際は、全席に挟み込み防止機能の装備があるかも検討する
<業界への要望>
* 挟み込み防止機能を全席に装備するとともに、ウインドウを閉める力はできる限り小さくするよう改めて要望する
* スイッチを引き続けても挟み込み防止機能が働くよう要望する
* 挟み込み防止機能が確実に働くよう要望する
挟み込み防止装置が付いてないパワーウインドウ装備車が7割近くあることにも驚きましたが、防止装置の動作に不安のあるものは早急に改善してもらいたいものです。[目次へ]
■リンナイの電子ジャー付ガス炊飯器で焼損事故
リンナイ(株)は、2005/08〜2009/09までに生産した電子ジャー付ガス炊飯器の一部において、ガス接続口に亀裂が生じて微量のガスが漏れ、製品の一部焼損に至る恐れがあるとして、点検・部品交換を実施すると発表しました。
同社によると、機器本体のガス接続口と樹脂カバーの隙間からアルカリ性洗剤等が浸入した場合、浸入した洗剤等が樹脂カバー内のガス接続口表面に付着、さらにプラグ抜け止め金具用の溝穴からガス接続口内部にも浸入することで、アルミダイキャスト製のガス接続口で腐食が発生するといいます。
また腐食の進行に伴ってガス接続口内部 から表面に亀裂が入ることがあり、その状態で機器を使用すると、亀裂箇所から微量に漏れたガスに引火して、機器の一部が焼損に至る恐れがあるとのことです。
同社製品では2010/07/07に発生したものを含み3件(うち1件はLPガス仕様)の事故が発生しており、同社以外の製品でも1件の類似事象が発生しているそうです。いずれの場合も接続部を中心とした機器の一部焼損で、人身被害や拡大被害はなかったといいます。
業務用に利用される製品の場合、使用頻度の高さと長期間使い続けること、管理者が不明確な場合や、職場内の製品に対するリコール情報収集意識が低くなりがちなこともあり、事業所などでは当該製品かどうか早急に確認する必要があります。
対象製品ですが
家庭用は、型式:111-R520、111-R521、111-R522、111-R520A、111-R521A、111-R522A、111-5010A、111-5014A、111-5020Aです。
業務用では、型式:RR-S10MRT、RR-S10MKT(リンナイ製品を大阪ガス(株)で販売)となっています。[目次へ]
■ベッドフレームが強度不足で折れる恐れ/双日九州、回収
双日九州(株)は、同社が輸入し、ホームセンター向けに販売したベッドフレーム(商品名「ラップ」)の一部製品において、部材の強度にばらつきがあり、過度な荷重が加わることによりサイドフレームが折れて、ケガをする可能性のあることが判明したとして、サイドフレームを強度を増したものに交換することにしました。
対処方法ですが、サイドフレームと併せてフットボードを交換するとのことです。
ベッドは子ども達の遊び場となることもあり、強度については万全な品質を確保してもらいたいものです。[目次へ]
■バランスチェアの溶接不良/國新産業が回収・修理
人間工学に基づくフォルムにより、背筋を伸ばし筋肉や内臓に負担のかからない自然な姿勢をキープ、長時間のデスクワークも心地よくサポートします、などの宣伝のせいか、生活デザインの先進国ノルウェーで生まれたバランスチェアという椅子が人気のようです。
ところが國新産業(株)が輸入・製造しているバランスチェアで不良品があるため、回収・修理を実施することになりました。
同社によると、座面とガスシリンダーを接続している金属部品に溶接が不十分なものが混入、溶接が外れた場合に座部・膝受け部ごと落下する恐れがあるというものです。
回収する製品は、「バランス 4.25(balans 4.25)」のうち、2008/11〜2010/02までに製造した製品だといいます。
座面だけに垂直に体重がかかる通常の椅子とは違い、膝受け部に体重を預ける構造で、椅子が壊れた時は前のめりになるため、大きな怪我が懸念されるもので、早めの回収が望ましいものです。[目次へ]
■リッチェル製ベビーバギー回収
(株)リッチェル製のベビーバギー「リベラシエスタ」、「リベラシエスタ エクラ」、「マルシェ」において、走行中に折りたたみ防止ロック(フレームロック)が解除され、バギーが折りたたまれてケガを負う恐れのあることが判明、同社では製品を回収して、問題のない製品との「交換」をすることにしました。
同社によると、原因は正規の規格と異なる不具合のある部品が使用されたためで、その製品でハンドルに物を吊るしたり、前輪を上げて段差を乗り越えようとハンドルを押し下げる時に発生しやすくなるといいます。
折りたたみ防止ロック部を支点に、ハンドルに荷重をかけるとロックが解除されるということですが、安全重要部品であるのに不具合のある部品が受け入れ検査をパスして、通常行われる出荷製品数台での過負荷・耐久試験もパスしたようです。同社の品質保証はどうなっているのでしょう。[目次へ]
■観賞魚用ヒーターに発煙・発火事故の恐れ/ジェックス
ジェックス株式会社が販売した観賞魚用サーモスタット付ヒーター「GEX コンパクトスリムオートヒーター」および「GEX コンパクトスリムオートヒーター」において、温度コントロール部本体からの発煙・発火事故に至る可能性があることが判明したため、同社では該当商品の使用を中止するよう呼び掛けるとともに、対策製品と交換することとしました。
同社によると、温度コントロール内部にある基板のリード線のはんだ付けの接続不良により、異常発熱が生じ、発火するおそれがあるとしています。
当該製品は、安全装置を取り付けた対策製品に無償交換することになります。[目次へ]
■バーベキューで発生した事故
NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)では、製品事故収集情報 として、消費生活用製品の事故情報収集状況(7月7日〜7月20日受付131件) を公表、バーベキューで発生した事故2つを紹介しています。
(事例1)
野外でバーベキューをしている時、キャンプ用のガスバーナー3個を使用し、くん製を作っていたところ、携帯用ガスバーナーの1個が爆発し、学生数人が顔や腕などに軽いやけどを負った事故。
コンロなどの油の飛びはねから壁の汚れを防ぐため、キャンプ用のガスバーナーの回りをアルミホイル製の衝立で囲っていたため、ガスボンベが過熱して爆発したものと推定されます。
(事例2)
バーベキューの準備のため、炭に着火剤をつけ火を点火したものの、30分たっても炭に着火しなかったので、着火剤をつぎ足したところ、「バーン」という音ともにフラッシュのような光が発生、さい火の玉が飛び周囲の芝が燃えた事故。
この際、2〜3メートル離れたところにいた子どものところまで飛散し、足にやけどを負いました。
製品の注意事項で禁止されているにもかかわらず、火をつけている状態で着火剤をつぎ足したため、着火剤の成分が気化しガス状となって火が走り、事故になったものと推定されます。
NITEは利用者へ、事例1のようにキャンプ用のガスバーナーの回りを衝立などで囲うと放熱が妨げられ、ガスボンベが過熱され爆発することがあるので、ガスバーナーの回りを衝立などで囲うことはしない、また事例2のように着火剤を絶対につぎ足さないよう注意を促しています。[目次へ]
■ブランド婦人フラットシューズのかかとに突起物/オンワードが回収
株式会社オンワード樫山は、イタリア・CALZATURIFICIO LUSSY(カルツァトゥリフィーチョ ルッシィ)社より仕入れ、「フェアステ」店舗において販売した下記「BELLA LEI(ベッラ レイ)」ブランドの婦人フラットシューズの一部において、内部(底)のかかとクッション部分より、使用中に突起物が現れ、身体を傷つけるおそれがあることが判明したとして、商品を回収、無償にてかかとクッション部分の点検をすることになりました。
昔の靴では、かかとに釘状の尖った金属があたることが、よく?あったように感じますが、最近の靴でもこのようなトラブルがあることに驚きです。[目次へ]
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