ASPニュース Web版 No.239
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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。.
★6月のニュースから
■電動鉛筆削り回収/ソニック
株式会社ソニックは、「キュービー電動鉛筆削り乾電池式」において、設計不良により製品から発煙・発火する事故が発生したとして、回収・返金を始めました。
○型番:
SK-241-LB/SK-241-P/SK-241-B
○販売期間:
2013年10月28日〜2014年5月9日
○対象台数:18,151個
同社によると、原因は当該製品の本体内部に折れた鉛筆の芯が侵入、特定の2本の導電板に接触した際に、回路が短絡し、発煙、発火のおそれが判明したとのことです。
安全規格の要求事項の1つである、筐体内部に外部からの異物が侵入しても火災や感電の危険がないこと、を前提に電子部品を囲っているケースなどを設計しなければなりません。今回の回収で、同社の基本的な安全設計が変わるといいです。[目次へ]
★7月のニュースから
■ペダルなし二輪遊具による事故に注意 /国民生活センター
近年、幼児を対象にした自転車に乗る前にバランス感覚を養う遊具、いわゆるペダルなし二輪遊具が販売されています。この商品はペダルが付いて無く、地面を蹴って走行する遊具ですが、取扱説明書で禁止されている急な坂道で使用してしまうと、速度がついてしまい重大な事故になることがあります。
PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には本年、男児が坂道を下った先で衝突し、小枝が顔に刺さり重傷を負う事故が1件見られました。さらに、医療機関ネットワークには、2010年12月から2014年4月までに、幼児によるペダルなし二輪遊具での危害事例が18件寄せられ、そのうち、「坂道で止まれずに転倒した」、「障害物と衝突したりして受傷した」といった、坂道での事故が11件見られました。
国民生活センターでは、ペダルなし二輪遊具が坂道を滑走した場合の速度を測定し、消費者に情報提供するとともに、安全に使用するための注意喚起を行いました。
同商品の外観は自転車によく似ていますが、ペダルがついていないため自転車には該当しません。地面を蹴って走行し、足を使って減速するため、ブレーキがついていないものが主流です。重量は3kg程度と軽く、対象年齢は2歳以上とされているものが多く見られます。また、取扱説明書では公道での使用を禁止しています。
センターでは、消費者へのアドバイスとして、次の4点をあげています。
- ペダルなし二輪遊具で坂道を滑走してしまった場合、傾斜によっては短い距離でも大人が追いつけない速度になるため、坂道では絶対に使用させない。
- ペダルなし二輪遊具は、坂道や公道などでは使用が禁止されています。取扱説明書の内容を確認する。
- ペダルなし二輪遊具は子どもだけで使用させず、必ず保護者等が立ち会い、慣れた場所でも子どもから目を離さないようにする。
- 日常からヘルメットを必ず着用させる。
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■瓢箪による健康被害で代金返金/ロイヤルホームセンター
ロイヤルホームセンター株式会社は同社で販売した「ひょうたんの苗」を育てた客が、なった実を食べたところ、嘔吐・下痢等の食中毒症状が発生したことから代金返金を始めました。
苗の生産者(グリーンプラザ山長)が食用でない「ひょうたんの苗」に、『育てて楽しい、食べておいしいシリーズ』と表記したラベルを付けて出荷、同社が販売していたものです。
同社では本来観賞用の商品として販売したものなので、食中毒の原因となる成分が含まれているため、ラベル表面記載事項に関わらず絶対に食べないでください、としています。
対象商品は、瓢箪の苗〔生産者:グリーンプラザ山長〕で、品名は、ひょうたん大瓢箪、ひょうたんつるくび瓢箪、ひょうたん千成瓢箪となっています。
販売期間及び販売店舗は、(平成26年)4月18日〜6月下旬頃/矢賀店、築港店、加古川店、三田店、西宮店、塚口店、森ノ宮店、堺店、河内長野店、吹田店、枚方店、ロイヤルビックス押熊店、奈良店、生駒店、物集女店、新守山店、西枇杷島店0)計17店舗。(平成25年)4月19日〜6月下旬頃/白井店、野田店、千葉北店、習志野店、南増尾店、佐倉店、千葉店、新座店、東松山店、牛久店、小山店、醍店、橿原店(※閉店)の13店舗及び平成26年の販売店舗17店舗の計30店舗だといいます。[目次へ]
■中元のソーセージ自主回収 /日本ハムが虚偽表示
日本ハムは16日、主力の中元商品に入っているウインナーソーセージ計9254パックを自主回収すると発表しました。自社農場以外の国産豚肉を使用したのに「自社農場」と虚偽表示していたことが判明したためですが、商品の安全性に問題はないとのことです。
同社が徳島県の製造工場に原料の豚肉を出荷する際、パソコンで出荷伝票を作成する担当者が「国産豚肉の自社農場限定」とすべきところを、誤って「国産豚肉」と入力したことが原因だとしています。
回収するのは「美ノ国 熟成あらびきウインナー145g」8457パックと「美ノ国 白い熟成あらびきウインナー145g」797パック。熟成あらびきウインナーは、賞味期限が8月20、21、23日の商品で、白い熟成あらびきウインナーは賞味期限が8月24、25、27日の商品が対象です。
商品の単価をチェックする別の担当者が「自社農場」の商品よりも誤入力された商品が安くなっていたことから気づいたとしています。
ライン業務では前工程の不具合を次工程でチェックするので見つけられたのですが、3日目にようやく見つけたというのでは困ります。[目次へ]
■「食べても死ぬことはない」 期限切れ鶏肉問題で上海の食品会社従業員
中国・上海の食品会社「上海福喜食品」で行われていた期限切れ鶏肉をマクドナルドなどに供給していた事件、テレビでのニュース映像もありショッキングなものでしたが、同社の従業員は、テレビ局の潜入取材で「期限切れを食べても死ぬことはない」と話していたといいます。
また、上海当局の調べに対し責任者が、期限切れの利用は長年続いた会社のやり方で上層部の指示だと語ったことも明らかになっています。
皆さんご承知のこの事件は、上海のテレビ局が内部告発をきっかけに、約3カ月にわたって取材し発覚したものです。
内部告発した従業員は期限切れ鶏肉の利用について、問題があると上司に訴えたものの解雇されてしまいました。話しでは、従業員の一カ月の給与は約2千元(約3万3千円)で、従業員の入れ替わりも激しかった、とのことです。
食品会社は、マクドナルドの「チキンマックナゲット」を製造する際に期限が半月過ぎた冷凍鶏肉約18トンを混ぜ込んだり、別のレストランチェーンに納品する加工肉に期限を7カ月過ぎた肉を使ったりしていました。
今回の事件を受け、厚生労働省は輸入された同社商品に食品衛生法上の問題がなかったかを調査していますが、輸入食品の安全性が揺らぐ事件は過去にもあったものの、「すべての輸入食品を検査するのは不可能で、異常を発見するのは難しい」(食品安全部)のが現状だといいます。
同部によると、海外から食品を輸入する際は、品質や衛生状態に問題がないことを輸入業者などが検疫所に書類で届け出ますが、過去に違反が多かったり輸出国の情報から違反の可能性が高かったりする場合は重点的に検査が行われますが、それ以外のものは約7%(平成24年度実績)が無作為に選ばれ検査されるだけだといいます。
検査項目は、微生物や残留農薬、添加物が基準値内に収まっているか、腐敗やカビ付着がないか、など多岐にわたるもので、違反があった場合は業者に廃棄させる措置が取られるほか、同じ製造業者で違反が繰り返された場合は、その業者の全食品を検査するなど態勢を強化することもあるといいます。
上海福喜食品が過去に違反を指摘されたことがあったかは調査中ですが、「違反を繰り返し重点検査の対象になったことはない」(同部)とし、使用期限切れの肉を加工しても、腐敗や微生物の増殖などがなければ発見は難しく、検査の態勢と内容には限界があるといいます。
いつまで経っても無くならない食品偽装問題、食品DNA検査は数万円以上かかるので、企業でもよほどの疑いがない限り導入出来ないのでしょう。この問題は中国原産だから、ということではなく、我が国の過去の事件を思い出し、「私たちの身近な企業・業者も行っているかもしれない」、と疑いの目を持ち続けるべきでしょう。[目次へ]
★8月のニュースから
■中国産タマネギに残留農薬/輸入業者に検査義務付けへ
中国産タマネギから基準値を超える農薬成分「チアメトキサム」が検出されたとして、厚生労働省は中国産タマネギや加工品を輸入する全業者に対し、輸入時にサンプル検査を義務付ける命令を出しました。
チアメトキサムは、ニコチンに似た物質を主要成分とするネオニコチノイド系農薬の一種。品目別に濃度の基準値が決まっており、タマネギは0.01ppmに設定されています。
厚労省によると、残留農薬が検出されたのは東京都と神戸市の2業者が輸入したタマネギで、7月8日にそれぞれ17.5トン、12トンが日本に到着。検疫所の検査で、東京都の業者のタマネギは0.07ppm、神戸市のものは0.03ppmが検出されたといいます。
一部はすでに市場に流通し、業者が自主回収していますが、厚労省によると、体重60キロの人がチアメトキサムが0.07ppm残ったタマネギを毎日15キロ食べても健康に影響はないといいます。
国産の品薄高で輸入が急増している中国産タマネギから、基準値を超える残量農薬が相次いで検出されていることを受け、日本政府は今月から輸入業者に対し全ロット検査を義務付けました。中国側も原因究明に向け規制を強めており、同国からの輸入が急減する可能性が高まってきています。
日本が輸入する中国産タマネギは年間25万トン。皮をむいた「むきたま」の状態で輸入されるものが大半で、外食や食品加工業界に浸透しているとのことです。また昨年9月から10カ月連続で前年を上回る状況が続いているそうです。
しかし7月中・下旬、厚生労働省のモニタリング検査でネオニコチノイド系農薬「チアメトキサム」の基準値超えが2事例続けて発覚。同省によると今月8日に検査命令を出したところ、各業者が検査体制を強めた結果、さらに10事例の基準超えも明らかになった、といいます。
この時期、輸出量の大半を占める山東省の一部産地では、ネギやニンジンの栽培で「チアメトキサム」を含んだ農薬を使う農家が多いとされ、関係者は「日本の基準が周知されずタマネギでも使われたか、他作物に散布して飛散したのではないか」と推測しています。
基準値超えが相次ぐ事態に、中国は各地区にある中国国 家品質監督検査検疫総局(CIQ)での規制を強化、ある輸入業者は「以前のように安定的に輸入できるめどは当面立たない」と見込んでいます。輸入価格(むきたま、浜渡し価格)は先月までの1キロ45円前後が同70円以上まで高騰。商社からは「8月の輸入量は半減する」との声も上がっています。[目次へ]
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