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2011.8 No.212  発行 2011年8月28日

発行人 中澤 滋 ASP研究所 長野県松本市梓川梓3072-12

Tel:0263-50-6315/Fax:0263-50-6512

 

 

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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。

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7月のニュースから

■カセットこんろによる事故の防止について/NITEが注意喚起

 NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)では、カセットこんろによる事故の防止について注意喚起をしました。
 それによると、カセットこんろは事故防止策として安全に係わる技術基準項目がこれまでに2回(昭和51年、平成8年)追加され、圧力感知安全装置などが組み込まれているため、新しい技術基準に適合したものは、事故を起こしにくい構造になっています。しかし、カセットこんろの使い方による事故が多発していること、事故1件あたりの被害者数が大きくなる事故が散見されること、そして9月から事故が増加する傾向にあることからカセットこんろによる事故を防止するための注意喚起だといいます。

 同機構製品安全センターに通知された製品事故情報のうち、平成17 年度から22年度の6年間に発生したカセットこんろによる事故は、175件あったといいます。被害状況は、死亡5件、重傷10件、軽傷51件で、爆発・破裂の事故は58件発生しています。また1室以上の火災50件のうち全焼は25件ありました。

  平成17年度から21年度の5年間に発生したカセットこんろの事故のうち「専ら設計上、製造上又は表示に問題があったと考えられるもの」 及び「調査中のものを除いた事故(135件)を現象別に事故発生状況を分析すると次のような事故が、多く発生しています。

・他の熱源(電気こんろ、ガスこんろ、IH調理器等)で過熱された
・火をつけたまま放置した
・カセットボンベを適正に装着しなかった
・使用中に可燃物(衣服、新聞紙等)が接触した
・内部に滞留していたガスに引火した
・五徳を正しく装着しなかった
などでした。

 カセットこんろの事故では、鉄板などを使ったため熱がこんろ部にこもり、カセットボンベが爆発するなどの事故もあるので、十分注意したいものです。

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システムキッチンでガス漏れ/東京ガス

 東京ガス株式会社によると、平成23年6月17日、午前10時10分頃、東京消防庁から東京都荒川区の住宅において、台所のガス栓からガスが漏えいしている旨の通報を受け、同社が緊急出動しました。被害者宅では、ガスコンロを使用中にガスコンロ下部のキャビネット内で着火し、コンロおよびキャビネット内部と壁面の一部を焦がしており、ガス栓のつまみ部分が外れていて、ユーザーの前髪の一部が焦げたことが確認されたといいます。

 東京消防庁ならびに同社でお客へのヒアリングを含む調査を行った結果、ガスコンロを使用中にキャビネット内の収納物を取り出そうとした際、収納物がガス栓のつまみ部分に引っかかった状態があるとのこと。その状態でキャビネットを強い力で引いたことから、ガス栓のつまみ部分とともに内部部品が外れ、そこからキャビネット内部にガスが漏えい、使用中のコンロの火が引火したことが判明したとしています。

 これまでに着火事象は本件のみで、過去の漏えい出動状況を確認したところ、「引っかかりのあるキャビネットの引き出しを強く引いたところ、ガス栓が損傷し、ガス漏れが発生した」という事象が1件、さらに同様の状況により発生したものと推測される事象が1件ありました。

 同社ではシステムキッチンの設置等に伴いガス栓の設置工事を行ったお客へダイレクトメールを発送し、安全チラシによる使用上の注意を読むよう促しています。また、ガスコンロ下部のキャビネット内部に対象となるガス栓が設置されている場合には、準備が整い次第、ガス栓への緩衝材の装着作業を実施するとしています。

 加えて同社では、ガス栓の安全性について調査を実施した結果を説明していますが、規格に合致していることを強調、再現試験 を行なった結果、つまみ部分を外すためには、40kg以上の引っ張り力が必要なことを確認してとしています。

 だから製品の安全性が立証されたといいたいのでしょうが、規格は最低限の安全確保でしかない、ということを忘れているようです。

 キャビネット型の引出を引いたときに、内部で何かが引っかかり無理に引っ張ることは当然予想されることであり、しかもガス栓が壊れるに必要な40Lくらいの加重は容易にかけられるものです。
 私には、このような問題が生じてしまう位置にガス栓を設けた設計欠陥に思えますが…

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ACアダプター発熱、変形/アイ・オー・データ

 株式会社アイ・オー・データ機器は外付けDVDドライブ、外付けハードディスク製品の一部生産品に付属のACアダプターにおいて、樹脂ケース部が発熱、変形する故障が発生、この状態でACアダプターに触れた場合にはやけどの原因となる可能性があるため、同社では該当ACアダプターの無償交換することにしました。

 該当するACアダプターは、「TAS004601」で、一部の製品において、長時間使用した場合に、電解コンデンサの経年劣化などが原因となり、ACアダプターの内部温度が上昇、ACアダプターが発熱・変形に至るものがあることが判明したとしています。

 また、この状態でACアダプターに触れた場合にはやけどの原因となる可能性があるようです。

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■ウベックススポーツジャパン、スキー用ヘルメットを無償交換

 ウベックススポーツジャパンが平成20年9月より輸入販売した「Uvexスキーヘルメットfunride」の一部製品に製造上の欠陥があることが判明したとして、当該製品の回収を始めました。

 同社によると、ヘルメットの頭頂部分(通風口・シャッター部分およびその合成部分)のショック吸収が不足し破損する懸念があり、最悪の場合、転倒などの強い衝撃が加わった際に重大な怪我に繋がる恐れがあるとしています。

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■Vマーク シーフードミックス回収

 株式会社マルハニチロ食品が販売した冷凍食品において、水産庁が定める「魚介類の名称のガイドラインについて」に帆立貝柱表示不可と制定されているイタヤ貝を使用していたにもかかわらず、一括表示欄の原材料名およびパッケージに「帆立貝柱」と表示したとして、対象製品の自主回収を行うと発表しました。

 対象製品は、市販用冷凍食品「Vマーク シーフードミックス 200g」で、平成14年4月〜平成23年6月まで販売、販売数量は1075200パックだといいます。

 私鉄系スーパーでよく見るPBである「Vマーク 」商品ですが、八社会では大手製造メーカーのマルハニチロの表示だけに、疑うことはしなかったのでしょう。食品業界では、必要な材料が入らないと代替品でしのぐケースが多く、パッケージの変更もコストがかかるために敬遠されるのでしょう。

 意図的ではありますが、バイヤーなど一部の社員しか知らない場合は、なかなか表には出てきません。それが工業製品でない、食品の特性で、消費者にとってはたった一つのよりどころである表示が信頼できないということを、業界ではどのように捉えているのでしょう。回収すればよい、ということではなく、どのような予防体制なのかが問われています。従業員のモラル教育、インシデント・アクシデント管理はどのようになっているのでしょう。

 企業にとっても、知り得た従業員が早く情報をだしておけば、このような大量の回収をしなくて済んだはずです。マルハニチロにとっても、いわゆるリスク管理がなっていなかった、ということでしょう。

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