Web版

2011.1 No.205  発行 2011年1月22日

発行人 中澤 滋 ASP研究所 長野県松本市梓川梓3072-12

Tel:0263-50-6315/Fax:0263-50-6512

 

 

[ ASP トップ ] [ ASPニュース2011 ]

ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。

.



12月のニュースから

■メリダ社製 GRANDROAD S500、前ホーク無償交換/ブリヂストンサイクル

 ブリヂストンサイクルは、日本国内で輸入販売した自転車「商品名:GRANDROAD (グランロード)S500」と同構造(ステム長さは異なります)の前ホークを装着し、メリダ社がヨーロッパで販売した製品で前ホークのステムパイプが破損する事故が発生したとして、予防措置の観点から、強度アップした前ホークと無償交換すると発表しました。 該当する製品は2008年11月〜2009年12月に自転車販売店に販売した50台だといいます。
 日本での事故や破損などの発生はないものの、安全上無償交換するもので、購入者には販売店よりDM及び電話で無償交換の連絡があり、販売店の準備ができ次第交換することになります。

■ガソリン携帯缶から、ガソリンがにじみ出る恐れ/岡田商事
 岡田商事株式会社は2リットルから20リットルまでのガソリン携帯缶一部において、熔接の不十分な製品が混入、ガソリンがにじみ出る恐れのあることが判明したため、回収・交換を行うことにしました。

 対象となるガソリン携帯缶製品名は、X−EUROPEガソリン携行缶で、品番はT−2(2リットル)JAN:4950545000903、T−5(5リットル)JAN:4950545000897、KT−10(10リットル) JAN:4950545001979、KT−20(20リットル)JAN:4950545001986です。

 なおガソリン携行缶本体底部に記載されている、上記各品番に共通のロットナンバー表示(EA、OO、OK)の無い製品は問題ないということです。

 ガソリン携帯缶では昨年4月、出光興産(株)が系列サービスステーションで販売した、ユニオン産業(株)製造のガソリン携帯缶 TU-20の一部ロットにおいて、溶接部分が不十分な商品があり、ガソリンが漏れる恐れがあるとして、回収をしています。

 危険物を運ぶ容器であるガソリン携帯缶では、安全性を目安に購入することが多いですが、X−EUROPEガソリン携行缶は消防法適合、UN規格取得品で、後述のTU-20は危険物保安技術協会型式試験確認済商品でした。

 製品に表示されている認定マークは、試験に供出したサンプル品が安全試験に合格した証ですが、店頭に置かれている商品が100%保証するものではありません。
 しかし同じ溶接不良の原因が続くというのは気になるところで、製造品質を維持する管理を徹底し、認定品としての信頼を高めてもらいたいものです。

目次へ


回転ハンガーの安全性テスト/国民生活センター

 省スペースで多くの洋服を収納できるという回転ハンガーが、テレビショッピングやインターネットの店舗などで販売されていますが、国民生活センターによると、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)には、相談が77件(2005年度から2010年10月末)寄せられているといいます。

 これら回転ハンガーの多くは組立式で、上部のリング状あるいはバー状のハンガー部分に衣類を掛け、キャスターやベアリング等の回転機構が付いた支柱を回転させ、衣類の収納と取出しを行うもので、商品の中には、上下2段式で高さが2mを超えるものもあるといいます。

 今回、センターが公開した主な相談事例を以下に示します。
【事例1】
テレビショッピングで回転式ハンガーを購入し和室で使用していたが、ハンガーが倒れ、足や腰に打撲を負った。(2010 年 5 月受付、50 歳代、女性、茨城県)

【事例2】
通販で購入の回転式ハンガー。回転時の安定が悪く倒れて頭部にぶつかり通院した。(2010 年 5 月受付、50 歳代、女性、群馬県)

【事例3】
服が70~80着かかる組立式回転式のハンガーをテレビで見て、購入した。服を掛けるとハンガーが倒れ、ふすまが破れた。(2010 年 2 月受付、40 歳代、男性、大阪府)

【事例4】
テレビショッピングで購入した回転式ハンガーが、購入後 1 カ月で倒れて心棒が曲がった。(2009 年 9 月受付、70 歳代、女性、東京都)

【事例5】
テレビショッピングでロングコートを含め 80 着かけられるとの広告を見て購入したが、実物は安定性が不足し、掃除中に移動すると、倒れそうになる。 (2008 年 10 月受付、40 歳代、女性、東京都)

【事例6】
息子がカタログ通販で回転式洋服かけを購入したが、高さが高く不安定で倒れやすく危ないので返品したい。(2007 年 11 月受付、70 歳代、女性、福岡県)

 そこでセンターでは、インターネットの店舗で販売されている回転ハンガー16銘柄を対象に、使用中に転倒する危険性がないのか、また十分な強度を有しているのかなどの安全性を中心にテストを実施し、消費者に情報提供することにしたものです。

<テスト条件>
 耐荷重相当の衣類を掛けてテストを実施、なお、ハンガー部に可能な限り多くの衣類を掛けても衣類の総重量が表示耐荷重に達しなかったものは、その状態で実施。

<移動時の安全性>
 畳の場合、耐荷重相当の衣類を掛けた状態で移動させようとすると、キャスターが方向転換できず転倒するものや、移動できないものがあった。また、キャスターが変形し、上のフレームに接触するものがあった。
フローリングの場合、耐荷重相当の衣類を掛けた状態で移動させようとすると、キャスターが横向きの状態になり、移動できない場合があるものがあった。また、畳の上と同様にキャスターが変形し、上のフレームに接触するものがあった。

<衣類を掛けた時の回転の滑らかさ>
 耐荷重相当の衣類を掛けた状態でハンガー部を回転させると、回転用キャスターが滑らかに回転せずに移動用キャスターが回転してしまうものがあった。
 一個所に偏って衣類を掛けた場合の安定性については、一個所に偏って衣類を掛けた場合、少ない着数でも転倒しやすくなるものがあった。
 その他テスト中にボルトやナットが緩んだため、支柱が傾いたり、グラつきが大きくなったりすることがあった。

<SGマーク認定基準に準拠した試験>
 ハンガー部に耐荷重の2倍の荷重を加え、24時間放置した結果、キャスターが変形して上のフレームと接触したものがあった。
 耐荷重の2倍の荷重を加えた状態で、回転部を回転した結果、支柱が傾き回転できずバランスを崩して転倒するものなどがあった。また、10回転後に確認すると支柱に若干の傾きが確認されたものがあった。
 ハンガー部の半周部分のみの支持部間に表示耐荷重を加えて24時間放置した結果、全銘柄で使用上支障となる破損、変形等は生じなかった。

<表示>
 耐荷重や収納枚数に関する表示について、インターネット上の販売サイト及び取扱説明書の両方に表示がないものがあった。
 設置場所に関する表示は、販売サイトには全銘柄になかった。
 取扱説明書に事業者の住所や電話番号の表示がないものがあった。

以上のことからセンターでは消費者へのアドバイスとして次の注意を促しています。
・衣類を掛け過ぎると支柱が傾いたり転倒したりすることがあるので注意すること
・衣類を掛けたまま移動すると転倒することがあるので注意すること
・一個所に偏らないように衣類は全体にバランスよく掛けること
・ボルトやナットの緩みがないか定期的に確認すること
・寸法、組立場所及び設置場所について確認すること
  としています。

 ジャケットで上段15着、中段10着くらいの使用を目安として謳っている商品では、 ジャケット15着で20kg程度にはなりそうです。実際に商品を使ったことはありませんが、その状態でハンガーをクルクル回すというのは、よほど強固な構造が必要で、センターのテストのようにフレームの変型もうなずけます。

目次へ


セラミック金網にアスベスト混入/新潟精機

 新潟精機(株)は、学校教材として多く使われている「セラミック金網 180mm角」の2006年9月1日以降販売分にアスベストが混入していることが判明したため、対象商品を回収すると発表しました。

 同社は購入者に、対象商品の使用を中止し、購入した販売店まで連絡するよう呼びかけています。
 対象商品はセラミック金網 180mm角(品番:SN-1)JANコード:4975846 685680、4975846 685703で、回収・交換準備が整い次第、代替品を案内するとしています。

 また該当者には商品の使用を中止し、購入販売店まで連絡するよう呼び掛けています。

<回収品の取扱注意>
(1)対象商品の取り扱いに際しては、セラミック部分を傷つけたり、破損させたりしない
(2)保護手袋を着用し、水で濡らした新聞紙等でセラミック金網を包む
(3)新聞紙で包んだセラミック金網を、二重にした厚手の丈夫なビニール袋に入れ、密封する
(4)アスベスト含有物であることを明記する
(5)回収までの間、子供の手の届かない場所へ厳重に保管・管理する

 また、今回のアスベストを含有しているセラミック金網は、通常の使用状況ではアスベストによる健康への影響はないと考えられているものの、破損したり劣化している場合などは、飛散の恐れがないとは言い切れないため、取り扱いに際しては湿らせるなどの対策が必要 とされています。

目次へ


[ ASP トップ ] [ ASPニュース2011 ]