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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。.
10月のニュースから
■危険!電動3・4輪車で死亡事故/国民生活センター注意喚起
電動3・4輪車による事故(以下の事故事例参照)が起きていることから、国民生活センターが注意を促しています。
<事例1>
シニアカーに乗って下り坂を走行中に、急ハンドルを切ったらしく、車体ごと転倒し、死亡した。(事故発生:2009年5月、当事者:80歳代男性)
<事例2>
電動カートで走行中、踏切内で電車にはねられて、死亡した。(事故発生:2010年1月、当事者:60歳代男性)
<事例3>
ハンドル形電動車いすと一緒に用水路に転落した状態で発見された。救急隊が到着した時には死亡していた。(事故発生:2010年8月、当事者:80歳代女性)
センターでは電動車いす使用者に次のようなアドバイスを行っています。
電動3・4輪車は、シニアカー、電動カート、ハンドル形電動車いすなどと呼ばれていて、利用者の増加に伴い、転落や転倒による死亡・重傷事故が多発しています。
道の端に寄り過ぎると、道路外へ転落する恐れがあります。コントロールしにくい下り坂では慎重に運転し、砂利道や滑りやすい場所などでは乗らないようにしましょう。
踏切内で立ち往生すると、非常に危険です。線路に対して直角に渡り、脱輪しないよう注意しましょう。バッテリー切れを防ぐため、外出前にバッテリーの残量を確認することも大切です。
安全な操作ができるよう、行政や製造・販売業者が行う運転講習を受けるなど、練習を繰り返すことが重要です。新しいものに乗り換える際にも、必ず指導を受けましょう。
このような注意喚起ですが、そもそも我が国の道路・歩道の車いす・電動車いすの走行事情はとても悪いものです。
たとえば車道の左側の縁は自動車が通らないためクレームも無いためか、夏場に溶けたアスファルトが重い車の通過でデコボコ状態、またいろいろな落とし物が散乱していて自転車の場合はパンクの危険もあります。
歩道の場合、電信柱や商店の看板などの障害物が多く、そして車道との接点での勾配箇所も多いので大変です。しかも視覚障害者のための黄色のガイド(点字ブロック)を通過するときの負担もあり、ハンドルを取られないようしっかり持たなければなりません。
米国ではこのような点字ブロックは考え方の違いからか、視覚障害者が行ってはいけないところ・危険なところを示すのに使われていて、そのブロックがないところはどこでも行っても良いと社会が認めているのです。日本では、そのブロックだけを歩きなさい、と言う意味合いをと感じることもあります。どちらがスマートな考えかは分かると思いますが、これが何でも枠をはめたがる官僚天国日本の現実なのでしょう。
少々話しが外れましたが、我が国で車いす・電動車いすで移動するための社会基盤はほとんど整備されてないことから、このような商品を売って利益を上げる業界団体は、道路事情の改善にも協力してもらいたいものです。[目次へ]
■洗濯機で洗えるラグ・カーペットで注意喚起/ニトリ
(株)ニトリは、「洗濯機で洗える」表示をしているラグ・カーペットを洗濯機で洗った場合、洗濯機の機種によっては破損や故障の原因となることが判明したとして、購入者に注意を呼びかけています。
洗濯の前に洗濯機の取扱説明書を確認し、ラグやカーペットに使用できない場合は手洗いで洗濯するよう案内しています。
カーペット・ラグ類を洗濯機で洗う場合、その大きさ、堅さなどで洗濯機が大きく揺れることがあります。その際、自動的に電源がオフになればいいのですが、洗濯機にとってはかなり強い負荷を与えているので注意したいものです。[目次へ]
■穴あけパンチ(2穴パンチ)の点検と部品追加/MAX
マックス(株)は、2004年1月〜2009年10月に生産していた穴あけパンチ(2穴パンチ)DP-45ブルーにおいて、ハンドル部分のバネが破損した場合、稀に折れたバネが飛び出す可能性があることが判明したとして、折れたバネの飛び出しを防ぐ安全パーツ(ハンドル開口部のカバー)を送付すると発表しました。
10枚程度の書類の綴じ穴を開けるためには、結構力をかかけて2穴パンチを押す、あるいはたたくような事を行いますが、バネが飛び出す可能性があると聞くだけでも恐い感じがします。当該製品を持っている個人、事業者などはすぐに点検したいものです。[目次へ]
■餡に指定外着色料混入などで商品回収・返金相次ぐ
足立産業(株)は、同社が製造・販売した和菓子26種において、餡仕入れ業者が同社向けの製品品質規格書に記載されていない着色料(食用赤色104号)と指定外着色料(旧食用紫色1号)を混入した生餡(こしあん)を納入していたことが判明したとして、対象商品を回収し、返金すると発表しました。
足立産業商品は、もなか・どら焼き・大福類21種、ファミリーマート商品は、最中2種、全国流通菓子卸協同組合商品は最中1種、モントワール商品はどら焼き1種、ハニー商事商品は大福一種で、各菓子製造会社は対応に追われました。
アスピリン喘息は、合成着色料で喘息発作を起こす可能性が高いということで、どんなに少量であっても、赤色や黄色の合成着色料で強い喘息発作を起こす人もいるようです。ある種の人には危険な食品を提供したからの回収ですが、仕入れ業者の品質・安全管理に関する意識はどうなっているのでしょう。[目次へ]
■ハルキ(株)、中国産精米等を秋田県産・岩手県産として販売/JAS法に基づく改善指示受ける
中国産精米等を秋田県産・岩手県産と伝票に記載し販売したこと、また、このうち一部の産年や等級についても事実と異なる伝票表示を行っていたことが確認されたとして、大阪府はハルキ(株)に対し、JAS法に基づく改善指示を行いました。不適正表示の詳細は以下の通りです。
一般消費者向け袋詰め精米の原料となる玄米及び精米を、(株)ハラグチ(福岡県北九州市)に販売するにあたり、
(1)実際の商品が、中国産精米及び愛媛県産・岡山県産・香川県産のあきたこまち玄米であると知りながら、「秋田県産あきたこまち」、「岩手県産あきたこまち」と事実と異なる名称及び原産地を伝票に表示し、2009/03/11〜06/15までの間に246,060kgを販売した。
(2)これらのうち中国産精米の全て(127,980kg)において、2等または3等と根拠なく伝票に等級を表示した。
(3)これらのうち中国産精米の一部(75,990kg)において、2007年(平成19年)産であるにもかかわらず「20年」と伝票に産年を表示した。
ところでハラグチは2009年10月9日付で、福岡県から玄米のJAS法違反により改善指示を受けています。府によると、ハラグチの原料米の仕入先であると判明したハルキに対し、2009年9月に立入調査を実施したところ同社は回答を拒否しました。
府では、JAS法及び同法施行令に定められた知事の権限に基づき、取引記録等の報告を求めたものの、同社はデータを保存していない、取引先に迷惑を掛けるので提出できないなどとして応じませんでした。
これを受けて、府は消費者庁に報告義務違反の要件を確認し、2010年2月に同社をJAS法20条第3項違反により、岸和田警察署に刑事告発。警察捜査の結果、ハルキの回答は虚偽であることが明らかになり、2010年9月に大阪地方検察庁へ事件送致されました。
警察捜査により同社の態度が協力的になったことから、府及び大阪農政事務所は同社への調査を再開し、今回の不適正表示の事実が確認されたとのことです。[目次へ]
■奈良県産しゅんぎく、一部に基準を超える残留農薬
足奈良県は、(株)桜井青果桜井地方卸売市場が販売した「しゅんぎく」の一部から、食品衛生法の残留農薬基準を超える有機リン系殺虫剤EPNが検出されたと発表しました。
県は同社に対し、当該生産者の「しゅんぎく」の流通を防止するよう指導を行うとともに、生産農家に対して農薬の適正使用を指導、同社は直ちに自主回収や流通の自粛を始めました。
県によると、基準を超えるEPNが検出されたのは2010年10月19日に桜井保健所が収去した「しゅんぎく」で、基準値0.01ppmのところ150倍の1.5ppmが検出されたものです。
EPNは農薬取締法で「しゅんぎく」への使用が禁止されているが、桜井市の生産農家において、「しゅんぎく」に使用不可であることを確認せず、10月7日に害虫防除の目的でEPNを散布したとのことです。
なお、今回EPNが検出された「しゅんぎく」については、通常の食生活で食べる量では健康に影響を及ぼすことはないといいます。[目次へ]
■アレルギー患者が食べられるという卵/消費者庁が注意喚起
インターネットで「アレルギー患者が食べられる」と称する卵を販売しているWebサイトがいくつか確認されたとして、消費者庁が注意を呼びかけています。
同庁によると、これらのサイトでは、「卵アレルギーの方にも食べていただいている」、「子供さんのアトピー(卵アレルギー)が出ない。くさみが卵アレルギーの最大の原因」、「卵アレルギーも起こりにくい卵をどうぞ」、「安心して生で食べられる卵。アレルギーの方もぜひ試してほしい」などと記載されてお り、サイト閲覧者が卵アレルギー患者でも食べられると受け取れる内容になっているといいます。
また、「卵アレルギーだった息子も、私共が作った卵だけは食べることが出来るようになった。私共の想いが卵アレルギーのお子様をお持ちのご家族様へ届き、安心を提供できれば…と考えている」といった旨の体験談も掲載されていたそうですが、アレルギーのない玉子であると過剰に宣伝しているようです。
一方専門家は、卵アレルギーの原因となるアレルゲンは卵の主要成分で、発症を防ぐためには卵の摂取を避ける必要があり、サイトの体験談が事実であっても全ての患者に当てはまるとは言えず、感受性の高い卵アレルギー患者は、通常卵は食べられないとしています。
また、アレルギー患者に対して卵を少量食べさせる減感作療法が研究されているものの、アナフィラキシー発症時に適切な蘇生措置を講じる必要があるため、医師の立会いの下で行われるのが通常だといいます。医師の立会いがないまま卵を摂取してアナフィラキシーを発症した場合、生命に関わる危険性もあるため、同庁は、卵アレルギー患者がサイトの表現を信じて卵を購入・摂取した場合、患者の生命に関わる可能性があるとして、保健所を通じて事業者に対し、卵アレル ギー患者に誤解を与えない表現へ修正するよう指導しています。
消費者に対しては、卵アレルギーがある場合、広告内容にかかわらず、専門医の指導の下によるもの以外は卵や卵を原料とする加工食品を食べないよう呼びかけています。
健康食品にはこのような体験談をテレビ放映する宣伝がありますが、アレルギー患者が悩んでいる状況につけ込んで、客観的な根拠もなく騙すような販売をすることに、憤りすら感じます。消費者は気をつけなければいけません。[目次へ]
■Vif穂高 「母ちゃん味噌、りんごジュース」で 回収&返金
長野県安曇野市穂高の企業組合Vif穂高は、2008年7月1日〜2010年10月6日の間に製造し、店舗で販売した「母ちゃん味噌」及び「りんごジュース」について、製造許可更新手続き未了のまま設備を使用してたことが発覚しました。
また「りんごジュース」については清涼飲料水の製造基準に違反していた可能性のあることも判明したため、両商品を回収し、返金すると発表しました。
観光客の良く利用する穂高の直売所で販売している商品ですが、企業形態を感じさせない組合のようです。安心・安全を唱う地場産食品販売所が多いのですが、基本的なこともできていないのに、安心はできません。
全国にも同様な直売所が多いと思われるので、見て分かる生鮮食品はともかく、加工品の購入者には少し気になるニュースでした。[目次へ]
■ココキタムラ 「化粧品2,112品目」 回収
(株)ココキタムラは、化粧品2,112品目について、適切な品質管理手順を踏まず、法定表示ラベルを行うことなく流通させていたことが判明したため、商品を回収すると発表しました。
なお、対象商品は海外で一般に流通しており、健康被害が発生する可能性は低いといい、現在までに健康被害の報告もないとのことです。
ココキタムラは平行輸入業者で、日本向けでない商品も販売しているため、日本では使えない健康を害する成分が入っている可能性や、化粧品の香が異なる場合性もあるようです。商品を購入する場合は、個人でリスクを引き受ける覚悟が必要なのでしょう。[目次へ]
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