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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。.
1月のニュースから
■シャープ、冷凍冷蔵庫97万台リコール
シャープは、1996〜2001年に製造した冷蔵庫48機種についてドアが外れる恐れがあることから無償で点検・部品交換を実施することにしました。
外れたドアが使用者の足に落ちて重傷を負う事故が2009年6月27日に起きるなど,これまで計3件の事故が報告されていて、対象台数は97万4712台にのぼるといいます。
これら事故の恐れがある冷蔵庫は、ドアが両開きできるタイプで、冷蔵室とドアの間に小型のガラスびんなどが挟まった状態で開閉を行おうとすると、両開き構造を実現するための部品であるドアカムとヒンジが干渉して衝撃が繰り返し加わり、ドアカムが破損してドアが外れる可能性があるといいます。
同社は「通常の使い方でドアが外れることはない」としていますが、再発防止の観点から無償点検・部品交換に踏み切ったものです。
同社では,対象となる機種に対してドアカム(四つ)とヒンジを交換、加えてパッキンも交換するとしています。
確かに両開きドアの構造はさまざまな使い方の中で、ヒンジに負荷がかかるので、ドアカムの強度は重要ですが、注意書きで「ドアの開閉が固くなったときは、ドア周辺や庫内に物がはさまっていないか、ご確認をお願い致します」と表記していればよい、との判断が甘かったようです。
ユーザーに危害を及ぼす重大事故の懸念がある場合、ハードでの対策が必要ですが、それを怠っていたのかもしれません。
冷蔵室のドアなどを開けっ放しにしていると、警告音が鳴るものがかなり前からありますが、ドアに物が挟まってヒンジに通常考えられない負荷がかかったら、ユーザーに注意を与える警告音くらい出してもいいと思います。
他メーカーの類似商品の構造については分かりませんが、今回の回収は設計欠陥に類する問題だと思います[目次へ]
■リコールのTV、落下でけが46人 三洋製、持ち手壊れる
三洋電機が2004〜05年に製造したブラウン管テレビのリコール問題で、消費者庁は23日、リコール対象品の落下事故が58件あり、1人が重傷45人が軽傷を負ったと発表しました。
同社は持ち手が破損する恐れがあるとして、1月末に約10万1千台のリコールを発表しましたが、その際事故は軽傷5件としていたことで、同者の情報提供のあり方にも問題があるようです。
同庁によると、広島県の40代男性が昨年11月、テレビを持ち上げようとした際、樹脂製の持ち手が壊れて落下、左すねを骨折する重傷を負ったといいます。
テレビの重さは40キロ前後で、けが人は大半が打撲などの軽傷で、病院を受診したのはこの男性を含め5人でした。
2004年、2005年製ブラウン管テレビをご使用のお客様へのお詫びとお願い
同社では、「ご確認に際しては、本体を持ち上げないようにお願い致します。なお、テレビ本体を動かさなければ破損しません」との注意を促しています。
大型ブラウン管テレビでは100キロ近いものもあり、もち手の破損があるとすると大きな問題です。[目次へ]
■電気カーペット、焼損事故でリコール/パナソニック電工
経済産業省は25日、松下電工(現パナソニック電工)製電気カーペットのコントローラー部分が焼損する事故が8件あったと発表しました。けが人はいないということです。
同社は対象製品約116万枚について、リコール(無償交換)を実施することにしました。
経産省と同社によると、昨年6月、千葉県内で製品を使用中にコントローラーの表面などが溶け、床が焦げる事故があった他、同様の焼損事故が7件あり、いずれもコントローラー内の回路に設計ミスがあったためにショートし、異常発熱したのが原因とみられるといいます。
対象製品は92年2月〜05年3月に製造された「ホットカーペ ゆかピタ」「ホッと畳」などナショナル松下電工ブランドで販売された7製品90機種(計約115万枚)と、93年2月〜95年12月に製造され「コープこうべ」と「大阪北生活協同組合」で販売されたコープブランドの5機種(EC-8233やEC-2334など計1万枚)です。[目次へ]
■森田電工の加湿器で火災事故、6万台を無償交換へ
経済産業省は、森田電工が輸入・販売したスチーム式加湿器「ML-550MF」について、発火する恐れがあると発表、ユーザーに対して使用中止を呼びかけるとともに、森田電工は当該製品を無償で交換することになりました。
交換の対象となるのは、森田電工が1999年10月から2001年11月まで輸入、2003年3月まで販売していた加湿器「ML-550MF」で、対象台数は60,075台といいます。
現在までに、製品の内部部品から発火する重大事故が3件発生しているようですが、人的被害はないとのことです。
経産省では発火の原因について、いずれの事故も制御基板の損傷が著しいため特定できないとしながらも、制御基板上の電子部品に不具合があり発火したと推定しています。
経産省は、対象製品のユーザーは直ちに使用を中止し、森田電工の問い合わせ窓口へ電話連絡するよう呼びかけています。
森田電工はホームページにて製品交換に関するリリースを公開、ML-550MFを同じくスチーム式のML-ME40Bと交換することを発表しました。
電子部品は必ず壊れるもの、という前提で、各社安全規格にしたがった短絡・開放などの異常状態試験を行っています。
そして規定内の温度上昇であることを確認、あるいは基板が焦げない、燃えないレベルを確保し、必要であれば電源回路に安全装置・部品を組み込むことになります。このような設計手法を取っていれば、重大事故にはなりにくいのですが、同社の設計・品質保証部門の“質”はどうだったのでしょう。[目次へ]
■サバ水煮缶かに高濃度ヒスタミン検出/保健所が回収命令
青森県は22日、八戸市内の食品製造会社「宝幸八戸工場」で製造されたサバの水煮缶(190グラム)から高濃度のヒスタミンが検出されたと発表しました。
青森県保健衛生課によると、19日午後7時半すぎに埼玉県川越市保健所から「缶詰を食べた男性から体調を崩したとの苦情があった」と連絡が入ったものです。
そして21日午後3時半ごろには「苦情のあった残品から高濃度のヒスタミンが検出された」と連絡があったといいます。検出されたヒスタミン濃度は100グラム当たり325ミリグラム。食品衛生法上の基準値はないものの、50〜100ミリグラムでも食中毒症状を起こす人がいるとのことです。
ヒスタミンによる食中毒では、頭痛や発熱、皮膚の一部が赤くなる症状を起こすとされています。
八戸保健所は工場に対し、同じ製造工程を経た4000〜5000個の回収命令を出したものです。被害にあった男性は、既に回復しているといいます。
ヒスタミンはサバに含まれる魚肉たんぱく質のアミノ酸が高温で繁殖した細菌で分解されてできることがあるといい、県は「サバがどこかの段階で通常の冷蔵温度より高い状態に置かれていた可能性がある」とみて、八戸保健所が流通状況や販売数量、原因などを調査しています。
回収対象製品は同社の「さば水煮」(内容量190グラム)で、底面に「2012・8・26J」と表示されているものです。
長期間保存されることが前提の缶詰食中毒は、消費者にとっては思わぬトラブルです。流通段階での缶詰・カートンの保管環境の問題だと思いますが、店での陳列場所を屋外に置くケースもあることから、関係者には注意してもらいたいものです。[目次へ]
■缶入りパン内側にさび、15万個自主回収/パン・アキモト
パンの缶詰を製造している「パン・アキモト」(栃木県那須塩原市)は、商品の缶の内側がさびている可能性があるとして、約15万個を自主回収すると発表した。
回収対象となるのは、商品名「缶入りソフトパン」と「Q急ベーカリー」の2種。
2007年8月〜08年1月頃に販売したもので、缶の底に印字されたロット番号は「AB3668〜AB3769」「OK3519〜OK3632」。同社は食べても健康に影響はないとしている。
同社のHPでは、缶蓋の縁の部分に錆が発生している写真が紹介されていて、今後は、これまで以上に生産工程の管理を徹底していきたい、とのコメントが掲載されています。
缶と缶蓋の接合面に発生する錆ですが、製造行程の問題だとすると、内部が密封できなく空気が残っていて錆につながった、あるいはふたの縁を二重にシールする行程での空気流入が考えられますが、特定の缶に問題が発生していることから、缶の形状の問題も考えられます。
いずれにしても3年近く前の製品からこのような不具合の可能性があることから、メーカー品質保証部門の問題が大きいようです。[目次へ]
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