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2010.1 No.193  発行 2010年1月27日

発行人 中澤 滋 ASP研究所 長野県松本市梓川梓3072-12

Tel:0263-50-6315/Fax:0263-50-6512

 

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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。

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12月のニュースから

シートのフレーム固定部が破損、11件の事故/イケア・ジャパン回収

 イケア・ジャパン(株)は、2009年10月より販売している「LEOPARD/レオパルドハイチェア」において、プラスチックシートのフレーム固定部が破損し、シートがフレームから抜け落ちる恐れがあることと、さらに子供が落下した際に頭などをケガしたり、プラスチックの破片を誤って口に入れて窒息する恐れがあることが判明したため、商品を回収し返金することにしました。

  同社によると、これまでにプラスチックシートのフレーム固定部が破損したとの報告が11件寄せられており、うち1件では子供がシートごとフレームをすり抜けて落下し、両足を打撲したといいます。

 また大事には至らなかったものの、プラスチックの破片を子供が口に入れてしまったケースも1件あったとのことです。現在のところ、これ以外の事故やケガは報告されていないといいます。

 最近のイケア・ジャパンでは2009年10月、「IKEAカタログ2010」において2009/10/02〜10/11までのお買い得商品として紹介している「BILLY/ビリー書棚ホワイト80×202cm」及びフォイル仕上げの「BILLY/ビリー書棚80×202cm」の書棚の棚が落下したとの報告が寄せられたため、品質問題として販売を中止しています。

 また2009年5月には、SKYDD/シッド木製品用トリートメントオイルにおいて、食品衛生法でパンの離型剤としてのみ使用が許可されている成分があり、直接食品に触れるような器具・容器等には使用できないとの指摘を受けて販売中止をしています。

 やや品質問題について同社の検証が甘いような気がしますが、重大事故になる前、早めに販売中止などの措置を取っていることは評価できます。

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ブリヂストン家庭用温熱・電位治療器に異常発熱の恐れあり/国民生活センター

 国民生活センターは12月24日、ブリヂストン化成品西日本・ブリヂストン化成品東京が販売する「家庭用温熱・電位治療器」について、異常発熱の恐れがあると発表しました。

 異常発熱の恐れがあるのは「BLさわやかヘルシー」などの商品で、「製品に変色がある」、「通電時に臭いがする」、「熱い」、「部位により温度ムラがある」などの報告があり、異常発熱の兆候があった際にはメーカーに連絡するよう注意を促しています。

 ブリジストンでは、異常発熱の原因を「治療器本体内部の発熱体にシワ(ずれ)が生じて異常発熱をする可能性がある」とし、商品の改修などは専用コールセンターで対応を行っています。また、異常発熱の兆候がみられない場合であっても、「使用上の注意」を守り、引き続き適切な使用をするように促しています。

 同社が呼びかけている使用上の注意は、次のものです。
1.平らな床面上に広げて使用する
2.柔らかい布団等の上に乗せたり、折り曲げての使用はしない
3.製品の局部に布団を積み重ねたり、保温性の良いものを長時間置かない
4.他の暖房器具を製品の上に置いたり、接近させない
5.収納する際は、製品の表面が内側になるよう指定の折りたたみ方法で3つ折りにし、上に物を乗せない
6.製品の丸洗いをしない

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孝栄丸水産によるハマグリ偽装表示

 千葉県は、ハマグリ販売業者孝栄丸水産が中国産ハマグリの原産地を、「九十九里浜養殖」等と事実と異なる不適正な表示をして、消費者に販売していたことを確認したことから、12月25日同社に対し、JAS法に基づく改善指示を行いました。

 この事件は、農林水産省の食品表示110番へ孝栄丸水産によるハマグリの不適正表示に関する通報があったため、県および国が平成21年10月23日から12月17日の間に調査を実施し、偽装を確認したものです。

 同社は平成21年1月1日から平成21年11月13日までの間、「中国産ハマグリ」を仕入れて蓄養場(旭市)で最長1カ月蓄養後、「九十九里浜養殖」又は「九十九里養殖」と、事実と異なる原産地を表示して7306袋(1袋約400g)約2900kg販売していたということです。

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医療機器の不具合多く

 家庭用品のように身近ではないことから、医療機器の不具合についてはあまりニュースになりませんが、結構多くの不具合が報告されており、12月に公表されたものを簡単に紹介します。

○靭帯固定具の不良、バイオメット・ジャパン回収へ
 12月24日、バイオメット・ジャパンはボーンマルチスクリューの一部ロットにおいて、スクリューを挿入するための六角孔が製造時に加工されていない製品があることが判明したため、回収を行うことになりました。 
○「セプタムポートカテーテル」のポートが破損/秋田住友ベーク(株)
秋田住友ベーク(株)は、「セプタムポートカテーテル」のポートを組み込んでいる類似製品で、使用中に大きな圧力が加わった時にポートが破損することがあり、旧来の製品を回収することにしました。

○X線撮影装置などの改修実施/島津製作所
 (株)島津製作所は12月24日、医療機関において同該のコリメータ内部の0.5mm厚のアルミニウム固有フィルタが所定の位置に装着されていないものが見つかったことから、X線撮影装置などの製品を改修することにしました。

○「テルダーミス真皮欠損用グラフト」回収
 12月24日、オリンパステルモバイオマテリアル(株)が販売した「テルダーミス真皮欠損用グラフト」において、製品の一部にスポンジの潰れがあり、その部分が通常部分より硬く柔軟性に欠けることが判明したため、製品を回収するとしました。

○ポケット型補聴器、薬事法の認証を受けないまま販売
 ニュージャパンヒヤリングエイド(株)が中国から輸入したポケット型補聴器「コンチェルト」について、同社薬事担当者の不手際により、薬事法の規定に基づく認証を受けないまま販売されていたことが判明したため、回収を行うことにしました。

○「自己血回収装置ディスポーザブルセット」の表示間違い
 日本メドトロニック(株)は12月21日、「自己血回収装置 ディスポーザブルセット」の表示ラベルにおいて、使用期限を5セットの構成品の中で最も短いものとすべきところ、誤って2番目に短い使用期限が表示されていることが判明したため、製品を回収することにしました。

○手術台システム及び汎用電動式手術台から異音が発生
 12月21日、(株)竹内製作所が出荷した手術台システム及び汎用電動式手術台において、手術終了後に当該機器から異音が発生し、電源を切ったものの異音が止まらず煙状の油が漏れるという事故が発生、同社では改修を実施することにしました。同社によると、モーター作動用リレーの接点が焼き付いたためにモーターが回り続け、温度が上昇、油圧ホースが破損したことにより油漏れが生じたといいます。

○頭部固定器の額部固定バンドに誤って針の縫い込み
 安西メディカル(株)が販売した「頭部固定器AZ-751」について、当該構成品の一部である額部固定バンドをMRI検査に使用したところ、金属性アーチファクトの発生が認められたとの報告を国内医療機関から受けました。同社が調査した結果、額部固定バンドの先端部にステープラ用つづり針が縫い込まれていることが判明したため、12月18日に額部固定バンドを回収することにしました。

○昇降型フローティング撮影台の不具合
 (株)大林製作所が販売した「昇降型フローティング撮影台 SUD-100A」について、撮影台の天板が斜めに降下するという不具合がが12月16日、国内の医療機関で発生、同社は改修を行うこととしました。

○「JCA-BMシリーズ自動分析装置」に不具合
 日本電子(株)製「JCA-BMシリーズ自動分析装置」用のCI電極(クロル電極)において、一部透析患者の検体で、Cl測定結果がごくまれに5〜10%高値にシフトする場合があることが判明したため、回収を行うこととしました。

○循環カニューレの不具合
 秋田住友ベーク(株)は、同社が出荷した「循環カニューレ」について、医療機関からの連絡により、カテーテル先端部のバルーン膨張用ルーメン封止部からバルーン膨張水が漏れてバルーン膨張不良となる事態を確認、同様な不具合の可能性があるロットを回収することにしました。

○人工心肺装置の不具合
 泉工医科工業(株)は、「メラ人工心肺装置HAS型」について、動脈ポンプが停止し10秒ほどで自動復帰したとの報告を医療機関より受け、調査の結果、無停電電源装置(UPS)部分の故障及びバッテリー交換を繰り返したことによる接触不良が原因と判明したため、同型UPSを搭載した製品の改修を実施するとしました。

○松風スマロイチタンがJIS不適合
 (株)松風は、「松風スマロイチタン」について、化学成分の含有量と規格がJIS不適合であることが判明したため、回収を行うことにしました。

○X線撮影システムの不具合
 GEヘルスケア・ジャパン(株)は、「多目的X線撮影システムINNOVAII」のラテラルアームが検査室内の他の装置と衝突することにより、リミットスイッチに障害が起こる可能性があり、検査が完了できなくなる場合のあることが判明したため、該当製品の改修を実施することにしました。

○使い捨てパドルの不具合
 日本光電工業(株)が輸入・販売した「使い捨てパドルP-510」において、半自動除細動器「TEC‐2313」に接続した際、接触不良を起こして心電図が確認できないという事例が発生、同社は対象製品の回収・交換を行うこととしました。

○人工股関節大腿骨コンポーネントの破損
 日本メディカルマテリアル(株)が販売した人工股関節大腿骨コンポーネントにおいて、破損事故が発生しました。同社ではステムとのはめ合わせが不適切な状態となる可能性が否定できないため、該当製品を使用した全施設に対し、埋め込み済の患者に対する今後の観察を呼びかけることにしました。

○全自動糖分析装置の不具合
 (株)エイアンドティーは、消耗品の交換履歴の記憶、緩衝液の有効期限の管理等が可能な「QMコード」機能を使用している全自動糖分析装置において、「QMコード」使用履歴件数が500件に達すると、それ以降の履歴登録時にエラーが発生して分析装置が使用できなくなることが判明したため、改修を実施することにしました。

○自動分析装置の不具合
 (株)日立ハイテクノロジーズは、HbA1c測定機能(オプション)付属の「7180形日立自動分析装置」に組み込まれたソフトウェアのバージョンによって、溶血済み試料、標準液、または精度管理試料を測定した場合に、HbA1c項目の試薬を分注する前に追加される試薬プローブのキャリーオーバ回避のための洗浄が行われないという不具合があることが判明したため、改修を実施することにしました。

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