発行人 中澤 滋 ASP研究所長野県松本市梓川梓3072-12 Tel/Fax 0263-78-5002 |
■PL法施行後もトラブル少ない/大商が影響調査
■金属疲労が原因/「のぞみ」リベット破損でJR断定
■コードリールの一部商品に発火の恐れ/まいたまま使用で加熱
■水中転落−脱出方法 車内にハンマー常備を/運輸省が勧告まとめ
■96%山口村トップ 県内の市町村シートベルト着用率/長野県の連続調査1回目
■カラーテレビ爆発、コンポは音が出ず/質が悪い日本の電気製品 中国紙が批判
■O157再流行の兆し/原因究明や治療決め手欠き… 及び腰の厚生省
■病院の質評価スタート/第3社機関、5段階で 競争原理導入へ
■ダイエット食品に「注意」を表記/アサヒビール薬品
■たばこ被害補償で3000億ドルの基金案/米2大会社が和解交渉
この結果については、大方の人が「こんなものでしょう」との印象を持つと思います。「PL保険や取扱説明書の注意表記に目を奪われ、製品の質が向上しなかったのでは」という消費者の危ぐもありますが、PL対策委員会など組織上の改善を行った企業が40%あったというのは結構なことだと思います。■金属疲労が原因/「のぞみ」リベット破損でJR断定
事故原因で「想定以上の何かがあった」という発言をよく聞きます。現在の科学技術は想定の上に成り立っていることが多いので注意すべきでしょう。「事故は起きるものだ」ということを前提にした検査体制や管理システムが望まれます。■コードリールの一部商品に発火の恐れ/まいたまま使用で加熱
■水中転落−脱出方法 車内にハンマー常備を/運輸省が勧告まとめ
自動車が誤って水中に転落し電動式窓ガラスが開かず、運転者らが水死したケースなどが指摘されている問題で、運輸省は7日、ドライバーに窓ガラス破壊用のハンマーを常備するよう求める緊急脱出方法についてまとめた。
同省は、依頼したメーカーの調査結果が出次第、パンフレットなどを作成してドライバーに注意を呼び掛ける。
警視庁によると、昨年の交通事故の中で車両が水没した死亡事故の件数は48件。今年1月末には三重県鈴鹿市の池に軽乗用車が転落し保母2人が水死、国会でも電動式窓ガラスが開かない場合の対応策が問題になった。
まとめによると、水中に転落しても数分間浮くがドアは水圧でほとんど開かない、という。この間に窓から脱出しないと助からないと強調。
さらに運転手の手が届く位置に置いた先端のとがった窓ガラス破壊用のハンマーなどで、窓が水面より上にあるうちに側面や後面部分のガラスを割るのが有効、と指摘している。しかし、強化膜入りの前面ガラスはひびが入るだけで逃げられないという。
同省は「転落した場合は、まず冷静になることが重要。ハンマー常備は義務付けできないが、有効策の1つとして勧めたい」と話している。
窓ガラス破壊用ハンマーはマスコミなどでも紹介され、すでに常備している人も多いと思います。ドライバーの行う安全対策としては、「走行中のドアはロックしない」などもあります。このような情報は運転免許更新などの場を利用して、もっと提供して欲しいものです。■96%山口村トップ 県内の市町村シートベルト着用率/長野県の連続調査1回目
なお運輸省では今回の情報をインターネットのホームページで紹介しています。(http://www.motnet.go.jp/koho/DASSYUTU_.htm)
この情報によれば窓ガラス破壊用ハンマーの販売状況としてメーカー設定品の販売数が95年で約3万6400本、96年で約3万5600本となっています。これにカー用品販売店の数が加わりますので、少しずつですが消費者の認識も変わってきているようです。
■カラーテレビ爆発、コンポは音が出ず/質が悪い日本の電気製品 中国紙が批判
7日付の北京夕刊紙北京晩報は「消費者はなぜ、日本の電気製品にサヨナラするのか」との見出しで「日本の電気製品の質の悪さをめぐる問題は大きくなるばかり」とする中国消費者報の記事を転載した。
記事は「日本製のカラーテレビは爆発し、冷蔵庫は火を噴き、コンポは音が出ない」などと激しく批判し「日本は一流の電気製品は欧米に輸出、二流品は国内で売り、三流品を中国に回している。日本の商社の北京駐在員も、この事実を認めている」とまで指摘した。
さらに記事は「修理を希望しても日本のメーカーは修理担当者がなかなか見つからず、修理費用も高く、アフターサービスが悪い」との消費者の声を紹介した。
国家工商行政管理局の機関誌中国工商報も3月末に、日本の電器メーカーの対応が悪かったとして「消費者無視の外国企業にはノーを」と呼び掛けた。さらに「中国の消費者を二等、三等扱いすることは許されない」との当局者の発言を紹介するなど、日本製品を標的にした民族主義的傾向が中国紙の論調で強まっている。
多少誇張がありそうですが、「日本は一流の電気製品は欧米に輸出、二流品は国内で売り、三流品を中国に回している」というのはなぜか納得してしまいます。■O157再流行の兆し/原因究明や治療決め手欠き… 及び腰の厚生省
世界標準の製品を全てのユーザーに提供しない多くの企業では、国内向けのものより欧米向けの方が安全対策は充実しています。バージョンを設定し仕向地別に製品をグレード?分けする商品はよくあり、規制の緩い国にはそれなりの製品を輸出しています。
このような企業では、途上国の消費者にリスクを負わせることで世界的なビジネスを成立させています。これで国際競争力のある企業というのはどうも変です。
それにしても一般家庭で発生する食中毒に比べ、給食や仕出し弁当など大量に調理するところでの食中毒の多いこと。プロのはずが実際はそうでもなく、明らかに衛生管理上の問題があるようです。■病院の質評価スタート/第3社機関、5段階で 競争原理導入へ
厚生省のやるべきことは、国民の健康を確保するための安全基準やガイドラインを作成することです。「給食制度は文部省の権限」とありますが、それはルールをいかに守らせるかというマネジメントのことでしかありません。
健康について一番知り得る立場である厚生省が、他の省庁に対し何も行動を起こそうとしないのは縦割り行政の問題ではなく、単なる怠慢でしかないと思います。いずれにしても各省庁で、独自の対策を模索することのムダにはうんざりです。
病院や町医者では、お金を払って治療を受ける患者を「お客さん」とする認識は非常に少ないようです。「弱い立場だから」、「治療してもらっているから」などと遠慮してしまう患者が多いのも彼らの意識を変えない要因だと思います。■ダイエット食品に「注意」を表記/アサヒビール薬品
医療機関の相対的な比較ができるよう、今回の活動は期待したいところです。ただ日本医師会や日本病院会の出資団体であるのが少々気がかりです…。
本来、このような社会的に必要とされる法人にあっては、国あるいは民間の機関で設立目的の達成度などを評価し、指導すべきでしょう。
アサヒビール薬品のことではないのですが、「こんなことを今さら」というPL対策商品が多くあります。あたりまえのことを特に「PL対策」として強調する企業が多いのは、「我々はこんなに努力している」との宣伝だからでしょうか。■たばこ被害補償で3000億ドルの基金案/米2大会社が和解交渉
そういえば対策商品というのも変なもので、消費者のことを考えているのではなく、「何かあったときのため」の対策商品と考えているのでしょう。ですからこのような企業でCS(顧客満足度)を掲げていても、見せかけだけかもしれません。
先月のニュースに引き続き、たばこメーカーの歩み寄りが見られます。和解内容の具体的数値は変わるかもしれませんが、米国内でのたばこメーカーの基本的な姿勢は定まってきたようです。
終わりに
厚生省では病原性大腸菌O-157による食中毒の発生状況をインターネットでも公表しています。それによると4月28日現在(1997年発生状況)、33都道府県で有症者累計197名、無症者累計90名、入院者累計107名、死者累計1名となっています。
O-157先進国といわれるカナダを含めた北米では毎年2万〜3万人がO-157に感染し、この10%が発症しています。そのうち2〜3%が重症となり、200〜300人の死者が出ています。日本も油断をしているとO-157先進国となりそうです。
気を付けたいことは「きれい」と「清潔」の違いであり、包装容器を含めた見た目のきれいさに惑わされないようにしましょう。