■離着時、デジタルカメラ禁止/航空3社、機器誤作動を防止
■携帯電話で機器誤作動、病院の1割経験/京都府保険医協調査
■急ブレーキ操作助ける新技術/トヨタが開発
■列車接近を無線警報/保線作業安全システム JR東日本
■電磁漏洩防げる建物 受注強化へ専門部隊/清水建設
■ISO16000国際標準化は棚上げ/国内規格議論に影響も
■「ダイオキシンに発がん性ある」/国際機関、評価見直し
■ダイオキシン、全国初の対策条例提案へ/所沢市議会、規制計画を策定 違反者は公表も
■「自治体もサービス産業」ISO9000シリーズ/佐久市が取得目指す
■ステップなくす 路線バスの乗降楽に/三菱自工が発売
■プリマハム、「開ける」を点字で/ロースハム3新製品 蓋付きパッケージに
2月のニュースから
■離着時、デジタルカメラ禁止/航空3社、機器誤作動を防止
運輸省は7日、国内航空各社に対し、最近急速に普及しているデジタルカメラの航空機内での使用規制を通達した。日本航空、全日空、日本エアシステムは14日から離着時使用禁止とし、乗客に機内案内などで徹底させる考え。デジタルカメラを機内で使ったところ、航空機器などに影響が出たと懸念される事例が報告されたため、「予防的措置」を取ることにした。
1月下旬に運輸省に報告されたところによると、昨年8月、日本エアシステムのエアバスA300型機が羽田空港に駐機中、乗客の求めに応じて操縦室の撮影を許可したところ、操縦席の一部計器に異常を示す警告灯が点灯した。
その後、日本エアシステムやエアバスが実験を繰り返したが、異常は確認されなかった。
機内に持ち込まれた電子機器の電磁波による航空機の機器誤作動はまだ因果関係が立証されてなく、運輸省は昨年4月から調査を始めた。国内航空各社はこれまでにFMラジオなどは「常時使用禁止」、その他の電子機器についても「離着時使用禁止」などとしている。
安全か危険か分からない場合の行政の対応は、危険が立証されないと規制しないことが多く予防安全とはいえないものでした。今回の運輸省の対応はいいことだと思います。
■携帯電話で機器誤作動、病院の1割経験/京都府保険医協調査
「輸液ポンプがとまった」「心電図の波形が乱れた」−−携帯電話の電磁波によるとみられる医療機器の誤作動を、約1割の病院が経験していることが京都府保険医協会のアンケートで14日、分かった。アンケートは昨年12月、府内の199病院を対象に実施、128病院から回答を得た(回答率64.3%)。
誤作動は、14の病院であり「3メートルほど離れて携帯電話を使うと、輸液ポンプが止まった」「心電図モニター装着中、面会者に携帯電話がかかり、波形に乱れが出た」などのケース。ほとんどが携帯電話使用が原因とみられる。
■急ブレーキ操作助ける新技術/トヨタが開発
トヨタ自動車は26日、緊急時のブレーキ操作を助ける新技術「ブレーキアシスト」を開発したと発表した。高齢な運転手らが急ブレーキのときでもペダルを強く踏み込めない場合、電子制御でより大きな制動力を与え、停止するまでの距離を最大で30%短縮する。5月発売の新型車から順次装備し、4〜5年間でRVも含めた全乗用車に標準装備する。
ペダルの踏み込みの強さと速度を専用センサーが読みとり、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)などに使うコンピュータに情報を送る。踏み込みが早いが弱い、と判断すると、制動力を追加してブレーキの機能を最大限に近いレベルまで働くようにする。また、強い制動力を得ても、運転手がペダルの踏み込みを弱めれば、ブレーキの効きすぎを調整できる。
同様の技術はドイツのメルセデス・ベンツがすでに採用、日産自動車はバネを使った構造の補助装置を1月末に発表している。
体力・判断力などの運転技術の違い、障害を持った人などの個別の状態を補助する技術は、積極的な安全対策だと思います。
しかし日本の企業は、このような安全に関わる技術を世界に先駆けて商品に搭載することをあまりしません。企業の人は「分かっているけれど、経済性を優先している」との立場をとるのでしょう。「市場で何が求められているのか」という開発時の思惑が当たらなかったための言い訳のようです。
どうも商品開発時における安全のセンスに違いがあるような気がしますが‥‥。
■列車接近を無線警報/保線作業安全システム JR東日本
JR東日本は、保線作業員に対して無線で列車の接近を知らせる新型警報システムを開発した。列車の接近を自動的に検知し、近くの鉄道電話ボックスから無線を使って、作業員が携帯している小型警報装置に列車の接近を警報する。保線作業は列車が通過する合間を縫って行われ、列車の接近を知らせる手段は人手に頼っているのが現状だ。このため新システムの導入で、安全性の向上と省力化が期待できそうだ。開発したのは「無線定置式列車接近警報機」。97年度から中央線の大月保線区に試験導入し、性能確認の上、JR東日本の各線に設置・展開していく計画だ。
同システムは、線路わきに敷設された鉄道電話網を活用するのが特長。離れた場所の列車通過を信号情報に変換し、作業をしている近くの電話ボックスに転送、そこから無線を使って保線作業員が携帯している警報機に知らせる仕組みだ。
列車の接近を知らせる手段は現在、見張り番を立てて目で見て知らせる方法が主流となっており、「極端にいえば、3人の内2人は左右の見張り番で作業しているのは1人」という状態。
多くの線路が交差するターミナル駅のそばの工事では、見張りの人もずいぶんいるのでしょう。携帯電話があふれ電波が飛び交う社会で、いまだに見張り番に頼ってきたというのはちょっとした違和感があります。
おそらく今回の警報システムは、技術的には難しくないのでしょう。事故はいくつか起きているので、もっと早く導入すべきだったと思います。
■電磁漏洩防げる建物 受注強化へ専門部隊/清水建設
清水建設は電磁波シールドを施した建物の受注活動を強化するため、設計、施行、営業など社内の複数の部署に分散している専門家を集めた新組織を設ける。PHSや無線LAN(構内情報通信網)の普及で、無線電波による社外への情報漏洩や電子機器の誤作動が問題になっている。同社は今後、電磁波シールド建物の需要が増えると判断した。
新組織は「電磁環境市場開発室」で、3月1日付で建築事業総本部内に設ける。6部門に分散している約20人の電磁波シールド技術の専門スタッフを同室に集め、各支店の営業活動を技術面で支援する。
電磁波シールドは建物の内装工事の段階で、壁の中に鉄や銅、アルミニウムなど導電性のある金属箔や網を貼り付けることで、電磁波の漏洩を遮断する。同社はすでに15件の施行実績がある。
無線電波による情報漏洩などが明らかになるにつれ、電磁波シールドに関心を持つ企業がますます増えてくるでしょう。今後大量に施行されることで、材料の低価格化や施行技術の進歩が期待でき、一般住宅用として安く提供されるかもしれません。
■ISO16000国際標準化は棚上げ/国内規格議論に影響も
政府筋は13日、国際標準化の検討開始が注目されていた労働安全衛生の管理システム規格「ISO16000」について「現時点では規格作成のニーズはない」との判断から、検討作業の棚上げを決めたことを明らかにした。ただ、この分野の国家規格を策定する国にはISO事務局への通報を求めるなど、引き続き関心を払っていく。
労働安全衛生(オキュペーショナル・ヘルス&セーフティー=OHS)に関する管理システム規格は、企業・組織経営において最低限踏まえるべき、安全衛生管理のあり方を指針として盛り込むもの。英国、豪州、ノルウェーなどで国家規格が制定・準備されている。英国の場合、労働災害による企業の損失が営業利益全体のおよそ1割を占めるため、OHSの重要性が認識されていた。
ISOでのOHS標準化検討は、94年5月のカナダからの提案によるもので、国際規格が実現すれば「ISO16000シリーズ」が割り当てられることになっていた。しかし、96年9月にロンドンで開催したワーキンググループでは「時期尚早」との意見が多く、策定の是非の最終判断はISOの技術管理評議会(TMB)にゆだねられていた。
TMBが今回、正式に検討の棚上げを決めたのは@OHS分野はそれぞれの国民性、文化に追う側面が濃く、調整が難航するA規制緩和が進む一方で、新たな標準化はそれに逆行するB標準化に伴うコストを考慮すると普及の見通しがつかない−−などの理由から、参加国の過半数が反対したためだ。
労働安全衛生の不備がもたらす企業・従業員そして社会に対する影響が、それほど深刻ではないのでしょう。
日本では企業の「危機管理」の不備による影響が大きな問題となっているので、危機管理の国際規格が欲しいくらいです。
■「ダイオキシンに発がん性ある」/国際機関、評価見直し
世界保健機構(WHO)の国際がん研究機関(IARC、本部フランス)は24日までに、ゴミ焼却場などから排出される猛毒物質ダイオキシン類の発がん性評価を見直しし、これまでの「可能性がある」から最も危険な「発がん性がある」に変更する作業部会の結論を発表した。
日本では厚生省と環境庁がIARCの従来の評価などを考慮し「一定以下の量なら摂取しても影響はない」という考え方に基づいて1日当たりの安全な人体摂取量を定めている。IARCの発がん性に対する厳しい見方は、日本を含めた各国のダイオキシン対策にも影響しそうだ。
2月上旬に開かれたIARC作業部会が、ダイオキシン類に関する科学データを再検討した。その結果、ダイオキシン類の中で最も毒性が強い2・3・7・8四塩化ダイオキシンが、肺がんや各種の複合的ながんリスクを微増させるとして、発がん性を明確に認めた。
■ダイオキシン、全国初の対策条例提案へ/所沢市議会、規制計画を策定 違反者は公表も
埼玉県所沢市議会の環境対策特別委員会は26日、ごみ焼却の際に発生する猛毒のダイオキシン対策を目的とした条例を3月議会に議員提案することを決めた。可決されればダイオキシンの削減を掲げた全国初の条例となる。
条例案には排出基準など規制のための具体的な数値が盛り込まれていないが、市長に規制計画を早急に策定するよう求めた上で、計画策定に当たって事業者や学識経験者、市民、関係機関で構成する審議会を設置するとしている。また、市長は条例に違反すると認められたものに改善を勧告し従わない場合、その氏名を公表するとしている。
条例案は目的として「身体に被害を及ぼす恐れのあるダイオキシン類等および有害物質の発生を少なくするため市、市民および事業者の責務を明らかにし良好な生活環境の維持と保全に努める」とうたい、市民や事業者の責務として「化学製品の安易な焼却はしないよう努めなければならない」としている。市には「市民や事業者に対し意識の啓発と指導に努める」ことを求めている。
ダイオキシンの関心が高まってきていますが、全国初のこの条例案は歓迎できます。ただモラルに訴える方法では、不法投棄が後を絶たない場所に「ごみを捨てると法律により罰せられます」等の看板を立てることと同じかもしれません。実際に氏名を公表してから周囲の考え方が変わるような気がします。
摘発を目的としない「環境パトロール隊」などを巡回させ、啓発活動を積極的に進める必要があるでしょう。
■「自治体もサービス産業」ISO9000シリーズ/佐久市が取得目指す
長野県佐久市は12日、国際標準化機構(ISO)が定めた品質保証規格「ISO9000シリーズ」の認証取得を目指すと発表した。99年度の取得が目標。三浦大助市長は「取引上のメリットはないが、自治体をサービス産業としてとらえれば、大いにメリットがある」としている。
同規格のコンサルティングなどで知られる大手シンクタンク三和総合研究所(東京)によると、同市が認定されれば国内自治体では初めてとなる。
同市は利点として@従来自己満足型だった事務改善や行政改革を第三者的立場からチェックできるA高齢化、情報化、地方分権などで、今後拡大するとみられる自治体業務の定期的な見直しを図れるB市民要望に対する行政責任、権限を明確にできる−−などを挙げている。
中央の省庁などは、ぜひ見習って欲しいものです。「自己満足型だった事務改善や行政改革を第三者的立場からチェックする」ということは、国政レベルの業務にこそ必要であると考えます。
とにかく、このような自治体に移住する人がどんどん増えて欲しいものです。その結果、行政間のいい競争が生まれることを期待したいと思います。
行政サービスの善し悪しによって自分の住む市町村を選ぶ動きは、もっと活発になってもいいと思います。
■ステップなくす 路線バスの乗降楽に/三菱自工が発売
三菱自動車工業は12日、前扉から後扉までステップをなくした大型路線バス「ニューエアロスター・ノーステップバス」を発売した。新開発のアクスル、サスペンション採用によりツーステップバスに比べて全高を200ミリメートル低くし、ステップ地上高300ミリメートルでノーステップを実現、高齢者や身体障害者らの乗降性や社内での移動性を高められる。
3月までに旭川市を始め東京、大阪、名古屋の各公営バス会社に納入する。価格は1,933万円。ワンステップ車に比べ約350万高となるが、2,000万円以上の欧州製に比べ格安。
ノーステップバスは扉のステップ面がそのまま中・後扉まで続く低床バス。エンジンを縦置きにして車体最後部にレイアウトすることで、後扉までステップをなくした。扉の拡大や中央2分割式開閉扉の採用で乗降性を一段とアップしたほか、乗降時にステップを70ミリメートル下げる電子制御ニーリングシステムや車椅子専用電動スロープなどをオプション設定している。アイドリング時にエンジンを停止して排出ガスを低減するアイドリングステップ&スタートシステムの装着も可能。年間200台の販売計画。
最近のNHKのニュースでも紹介されていましたが、民間のバス会社にも早く導入できないものでしょうか‥‥。
■プリマハム、「開ける」を点字で/ロースハム3新製品 蓋付きパッケージに
プリマハムは、目の不自由な方のため「開ける」の意味の点字を蓋付きパッケージの表面に付けることを決めた。対象は3月1日に発売するロースハムの新製品「メニュー工房シリーズ」3品。点字を付けるのは国内のハム・ソーセージ業界としては同社が初めてという。
従来はパッケージが軟質の素材だったため点字を付けにくかったが、今回は蓋機能を付けたことで素材が厚くなり、点字が可能になった。
今回のパッケージは「リクローザブルパック」と呼ばれ、箱形の透明なフィルム容器のうち上側のフィルムが蓋の形をしていて、開封後も再度蓋ができる機能性を備えている。冷蔵庫に保存しやすく衛生的で、これまでの開けにくい、保存しにくいという消費者の不満を解消するもので、同社では、3月発売の新製品「メニュー工房シリーズ」に初めて採用することにした。点字についても材質面の課題をクリアしたことから、フィルムの金型に凹凸を付けることにした。
いいことです。点字だけにこだわらず、今後もいろいろな障害を持つ人のために知恵を出して欲しいと思います。
終わりに
ASPニュース2月号で紹介したコンセントの発火防止用カバー「セフティピック」が届きました。早速わが家のコンセントをチェックしましたが、ずいぶん数があるものです。
そこで常時つなぐ必要のないプラグを極力抜いたのですが、それでも34カ所も残りました。そのためサンプルを全ての箇所に使用することはできないので、ほこりがたまりやすく家具などの後で取り外しが困難なところに使用してみました。
ただ、標準型の電源プラグを想定しているので、オーブンレンジなどの大型かつL時に曲がったプラグはそのままでは使用できません。コンセントとプラグ本体の接触部にサンドイッチされるところだけを残して、外側のカバー部を切り取ると良いようです。
ところで電気製品の電源スイッチがタッチ式のものは、プラグをコンセントに差しておくと常時微小電流が流れています。民間コンサルタントの住環境計画研究所が都内の住宅で実測調査した結果、5人家族のある家庭では、待機電力を消費する機器は19台にのぼりました。その調査から、一般の住宅の待機電力は年間の電力消費の約15%を占めることがわかかりました。これは無視できない量です。
わが家の場合、待機電力を消費する機器は21台ありました。リモコンが絶対に必要な製品はともかく、軽く触れるだけで電源が入る製品は環境には優しくないという訳です。
「簡単、触れるだけ」という操作感を、「便利になった」と思わずに、むしろ誤って押さないか(掃除のときのほこり取りでは、スイッチがいろいろ入りわずらわしいことがあります)、環境の面からはどうか、などと考えるべきでしょう。