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2013.1 No.229  発行 2013年1月18日

発行人 中澤 滋 ASP研究所 長野県松本市梓川梓3072-12

Tel:0263-50-6315/Fax:0263-50-6512

 

 

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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。

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12月のニュースから

■GE 「食器洗い機一部」 点検&部品交換

   GE Appliances Asia, Ltd. (「GE」)は、2006年6月から2010年9月までの間に日本で販売されたGE製のプラスチックタブ食器洗い機(前面操作パネル型)の一部を対象として、自主的な修理を行うことを発表しました。まれにですが、食器洗い機のヒーターエレメントの部分に電気的な不具合が起きて火災事故になる可能性があるためです。

 これまでに米国およびカナダにおいて、事故の報告が15件ありました。そのうち7件は発火事故で、その7件のうち3件では、発火・発煙の被害が食器洗い機本体の外部にもおよびました。事故による負傷者は報告されていません。対象の食器洗い機の国内販売台数は約880台だといいます。

 同社によると対象製品は次の通りです。
 モデル番号はGLD5およびGLD6の文字で始まっているもので、シリアル番号は以下に示された文字で始まっているものです。
FL, GL, HL, LL, ML, VL, ZL, AM, DM, FM, GM, HM, LM, MM, RM, SM, TM, VM, ZM, AR, DR, FR, GR

  日本での発火事故はまだ報告されてないようですが、当該機器を持っている方は早めに修理依頼するようにしてください。

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プラズマクラスター掃除機の効果なし/消費者庁がシャープに措置命令

 ダニアレルギーの原因物質を除去する性能効果があるなどとうたった掃除機の広告に科学的な根拠がないとして、消費者庁は28日午前、シャープに対して景品表示法違反(優良誤認)で再発防止を求める措置命令を出しました。

 同庁によると、対象となったのは、シャープが2002年4月から販売しているイオンを発生させて空気を浄化するという「プラズマクラスター」搭載の掃除機です。

 同社は、2010年10月〜2012年4月までの間、パンフレットやウェブサイトで「ダニのふん・死がいの浮遊アレル物質のタンパク質を分解・除去する」などと表示していたものです。
 しかし、同庁の依頼で研究機関が実験した結果、室内で使用した際に表示のような性能はなかったといいます。

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歩行型ロータリ除雪機の使い方に注意/国民生活センター

 国民生活センターでは歩行型ロータリ除雪機(以下「除雪機」)による重大事故が起きていることから、消費者に注意を呼びかけています。

 歩行型ロータリ除雪機(以下、「除雪機」という。)は、免許なしでだれでも簡便に扱える反面、回転して雪をかき込むオーガと呼ばれる部品等が露出していることから、使用上の不注意により重傷を負う可能性がある機械です。

 事故情報データバンク(2009年9月〜2012年11月登録分)によると、除雪機による事故は32件で、「オーガに巻き込まれる」、「除雪機にひかれる」などの重篤な事故事例が多く、8件が死亡事故であった。また、医療機関ネットワーク (2010年12月〜2012年11月伝送分)では、4件見られたといいます。

 こうしたことから、従来より除雪機には様々な安全装置がつけられていたものの、2004年4月以降に出荷された除雪機には、デッドマンクラッチが標準装備されるようになり、ハンドルから手を離すとオーガ等の回転部が停止する構造となったそうです。

 しかしデッドマンクラッチ搭載機種では、除雪中は絶えずハンドルを握り続けている必要があります。そのためデッドマンクラッチをひもで固定するなど、誤った使い方をするユーザーもいて、作業中に転倒するなどした際に除雪機が停止せず、オーガに巻き込まれたり、ひかれたり、壁に挟まれたりする事故に至ることがあります。

 そこでセンターによる今回のテストでは、マネキンを使い除雪機に特徴的な事故形態を再現して危険性を検証するとともに、誤った使い方をしないように消費者へ情報提供することにしたものです。

 なお除雪機の安全装置には、使用者がハンドルから手を離すとオーガやブロアの回転、走行が停止する機構(デッドマンクラッチ)や、本体と使用者をコードでつなぎ、使用者が除雪機から離れるとコードにつながれたスイッチが切れて停止する機構などが使われています。

●センターによる除雪機のテスト結果
 除雪機に特徴的な(1)オーガによる事故、(2)後進時の事故(除雪機と壁に挟まれる事故、除雪機にひかれる事故)(3)ブロアによる事故の3種類の事故について再現テストを行った。
(1)オーガとマネキンの足が接触すると、衣類の一部がオーガの刃に引っ掛かり、一瞬で足全体がオーガに引き込まれた。

(2)デッドマンクラッチが作動しない状態で、除雪機を後進させるとマネキンが転倒したり壁に挟まれたりしても停止しなかった。

(3)手指の代わりに人参(にんじん)を投雪口から差し込み、回転するブロアに接触させたところ粉々に砕かれ、先端部がブロアの形に削られた。

センターではまた消費者へのアドバイスとして次のことを促しています。
・安全装置が正しく作動しない状態では絶対に使用しない。
・除雪機を使用する場合は、周囲に人がいないことを確認し、人を絶対に近づけさせない。また、不意に人が近づいた場合には除雪機を直ちに停止できるような状態で除雪を行う。
・投雪口に詰まった雪を取り除く際には必ずエンジンを停止し、オーガやブロアの回転が停止したことを確認してから雪かき棒を使用して雪を取り除く。
・除雪機を使用する際、特に後進時は足元や周囲の障害物に注意を払い、無理のない速度で使用する。

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「VanaH」ミネラルウオーターで虚偽広告/消費者庁が警告

 ミネラルウオーターを製造販売する「VanaH」(山梨県富士吉田市)が、「国連から高い評価を受けた」などとうその表示をしたとして、 消費者庁は20日、景品表示法違反で再発防止などを求める措置命令を出しました。

 同庁によると、マルチ商法(連鎖販売取引)を行う同社は、会員向けのお知らせ文書で「世界で初めて『国連認定証』を取得」、「国連のロゴマークの使用許可を得た」などと表示して飲料水「VanaH」について広告を行っていました。

 同庁は「国際連合が、対象商品の品質について高く評価した事実はなく、国際連合がVanaH株式会社に対し、国際連合認定ロゴマークの使用許可を行った事実もなかった」として、不当景品類及び不当表示防止法違反(優良誤認)で再発防止等を求める措置命令を出したものです。

 文書は昨年10月と11月の2回、会員約6000人にファクスで送信され、昨年度の売り上げは2リットルのペットボトル(12本入り、6800円) で約62万ケースだったといいます。

 「VanaH」とは、このような嘘を平気で言う企業のようです。ネットで検索すると、「嘘で塗り固めたような企業」との情報で溢れています。

 今回の消費者庁の措置命令を機に、同社に販売権利金130万を払ってエージェントとなり、水を売る儲け話に飛びつく人が減ることを期待したいです

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烏龍茶から残留農薬検出、回収相次ぐ

 先月は烏龍茶から残留農薬が検出されるケースが相次ぎ、検出値も基準をはるかに超えるものから少ないものまでいろいろあり、多くの中国産烏龍茶における農薬汚染の実態が分かります。

 烏龍茶は最初に熱いお湯を通して、それを捨ててから入れるもので、多少の農薬は洗われるため、飲む時にはそれ程気にしなくて良い、という説明をする人がいます。しかし日常的に烏龍茶を飲む人には、基準値を超える農薬がこれほど蔓延していることには驚くばかりです。

以下、一部ですが回収された烏龍茶の記事を紹介します。
●アシストバルール 「黒烏龍茶ティーバッグ 4g×40P」 回収
 「黒烏龍茶ティーバッグ 4g×40P」から、食品衛生法の基準を超える農薬「フィプロニル」及び「インドキサカルブ」が検出されたため、回収します。

 アシストバルールでは、中国国内での農薬使用管理報告及び残留農薬検査結果をもとにした安全性確認の上、輸入販売をしていたものの、今回実施した国内検査機関の追加検査で、フィプロニルが基準値0.002ppmに対し0.13ppm、インドキサカルブが基準値0.01ppmに対し0.02ppm検出されたそうです。

●つぼ市製茶本舗 「生活良好 烏龍茶ティーバッグ(52袋)」 回収&返金
 「生活良好 烏龍茶ティーバッグ(52袋)」を自主検査したところ、一部製品から農薬「フィプロニル」が基準値0.002ppmに対し0.009ppm検出されたため、回収・返金するとしています。

 また、つぼ市製茶本舗が製造する「黒烏龍茶ティーバッグ(40袋)」、「コラーゲン入りインスタント黒烏龍茶(35g)」、「黒烏龍茶入り麦茶ティーバッグ(22袋)」、「本物香ル烏龍茶ティーバッグ(30袋)」(販売者:日本伝統食品)の、次回製造に使用される予定の原料を自主検査したところ、一部から農薬「フィプロニル」が基準値0.002ppmに対し0.025ppm検出されたため、販売を自粛することになりました。現在市場に出ている「黒烏龍茶ティーバッグ(40袋)」からは、製品段階での国内検査で一切、基準値を超える農薬は検出されていないものの、念のため検査結果に問題のない商品も回収・返金することになりました。

●ORIHIRO 「黒烏龍茶 52包」 回収&返金
 「黒烏龍茶 52包」から、国内での自主検査で農薬成分「フィプロニル」が基準値0.002ppmのところ最大0.048ppm検出されたため、回収・返金します。

●ユニー 「StyleONE ウーロン茶ティーバッグ54袋入り」 回収
 「StyleONE(スタイルワン) ウーロン茶ティーバッグ54袋入り」の一部で、基準値を超える農薬が検出されたことから、回収します。「インドキサカルブ」が基準値0.01ppmのところ最大0.05ppm、「フィプロニル」が基準値0.002ppmのところ最大0.05ppm検出されたということです。

●イトーヨーカドー 「セブンプレミアム 烏龍茶 54袋入り」 回収
 「セブンプレミアム 烏龍茶 54袋入り」を製造委託元のハラダ製茶で自主検査したところ、一部の製品から、農薬「フィプロニル」が基準値(0.002ppm)に対し0.034ppm検出されたため、回収するとしています。

●伊藤園 「ウーロン茶ティーバッグ 3商品」 回収&返金
 「ウーロン茶ティーバッグ(54袋入り)」、「濃いウーロン茶ティーバッグ(30袋入り)」、「スタイルワン ウーロン茶ティーバッグ(54袋入り)」を自主検査したところ、一部製品から農薬「インドキサカルブ」が基準値(0.01ppm)に対し0.05ppm、及び「フィプロニル」が基準値(0.002ppm)に対し0.05ppm検出されたため、回収・返金します。

●SEIYU 「グレートバリュー 烏龍茶/ティーバッグ、国太楼 黒烏龍茶ティーバッグ」 回収
 「グレートバリュー 烏龍茶ティーバッグ 5g×54P」、「グレートバリュー 烏龍茶 200g」、「国太楼 黒烏龍茶ティーバッグ 5g×54P」で、農薬成分が基準値を超えていることが判明したため、回収します。

●お茶の丸幸 「黒烏龍茶 5g×64P、飲みやすい黒烏龍茶 5g×54P」 回収
 「黒烏龍茶 5g×64P」及び「飲みやすい黒烏龍茶 5g×54P」を社外分析機関で自主検査したところ、農薬成分「フィプロニル」が基準値0.002ppmに対し最大0.019ppm検出されたことから、回収します。

●MEIWA 「スマイルライフ 鉄観音入ウーロン茶ティーバッグ54袋入」 回収&返金
 「スマイルライフ 鉄観音入ウーロン茶ティーバッグ54袋入」を社外分析機関で自主検査したところ、一部の製品から農薬成分「フィプロニル」が基準値0.002ppmに対し最大0.028ppm検出されたため、回収・返金します。

●朝日茶業 「好好茶楼 烏龍茶ティーバッグ4g×50袋/烏龍茶200g」 回収&返金
 「好好茶楼 烏龍茶ティーバッグ4g×50袋」の一部ロットから、農薬「フィプロニル」が基準値0.002ppmに対し0.003ppm検出されたため、回収・返金します。「好好茶楼 烏龍茶200g」からはフィプロニルは検出されていないものの、原因が不明のため、あわせて回収します。

●TeaLife 「キダチアロエウーロン茶 ポット用(30個入)」 回収&返金
 残留農薬の自主検査で、2012/12より出荷した「キダチアロエウーロン茶 ポット用(30個入)」から、「フィプロニル」が基準値0.002ppmに対し0.004ppm検出されたため、回収・返金します。

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