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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。.
11月のニュースから
■強力な洗浄剤等の破裂事故について/NITEが注意喚起
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、10月19日深夜に地下鉄丸ノ内線車内において発生した破裂事故に関連して、同種の事故が起きないよう、再現実験に基づき、注意喚起を行っています。
1.強力な洗浄剤等による事故について
平成24年10月19日深夜、地下鉄丸ノ内線車内において、業務用洗浄剤を移し替えて運んでいた飲料用のアルミ缶(ふた付き)の破裂事故が発生しました。
一般に市販されている強力な洗浄剤には、汚れを落とすために反応性の強い薬品が使われていること、強い酸性又はアルカリ性を示すものが多く含まれていることから、金属やプラスチック等を溶かすものがあります。
また、業務用洗浄剤の一部について、通信販売やホームセンター等での店頭販売によって一般消費者が容易に入手できることから、今般、製品評価技術基盤機構として注意喚起を行うこととしたものです。
なお、洗浄剤の容器には「他の容器に移して使用しない」「他の容器に移し替える場合は、弊社指定の容器に移す」等の注意書きが明記されており、これらの禁止事項、注意事項を守ることの重要性について、再現実験の様子等を通じて改めてご理解をいただきたいと思います。
2.再現実験の結果
(1) 強力な業務用洗浄剤を飲料用のアルミ缶(ふた付き)に移し替えた場合の破裂
飲料用のアルミ缶の内側は、通常、樹脂でコーティングされているため、反応性の強い薬品を含む洗浄剤等を入れても直ちに反応が始まらないことがあります。しかしながら、時間の経過とともに、傷がついているところなどから徐々に化学反応が進行します。
実際に飲料用のアルミ缶(ふた付き)に業務用洗浄剤を400ml入れ、ふたを閉じて室温20度で台の上に静置しておいたところ、3時間34分後に乾いた大きな音とともに缶が破裂し、内容物が飛散しました。
次に、薄いアルミ缶を繰り返し握ったりするなどして内側の皮膜の一部が剥がれた状態を想定し、このようなアルミ缶に業務用洗浄剤を400mlほど入れてふたを閉じました。室温20度で台の上に静置しておいたところ、約32分後に乾いた大きな音とともに缶が破裂し、内容物が飛散しました。
(2) 内側にコーティングがあっても時間の経過と共に化学反応は進む
@ ふたを開けていた場合
飲料用のアルミ缶(ふた付き)を水洗いし乾燥した後に、業務用洗浄剤を400mlほど入れてふたを開けたまま放置した場合には、約7時間後には化学反応が活発となり、内部から内容物があふれ出てくる状態になります。このような状態でふたが閉じられていれば、内部の圧力によって液が噴出するか、缶が破裂する可能性があります。
A 缶の内側の化学反応
飲料用のアルミ缶(ふた付き)を水洗いして乾燥させた後に半分に切断し、業務用洗浄剤の中につけたまま放置すると、内側のコーティングがあるままでも時間の経過と共に化学反応が活発になる場合があります。
3.移替えによる事故の防止について
業務用に限らず洗浄剤等の中には、汚れを落とすために強い酸性・アルカリ性のものがあるので、指定された容器以外の別の容器に移さないでください。
容器に入れた直後は何も起こらなくても、しばらくしてから化学反応が始まることがあるため、少し入れてみて変化がないからといって大丈夫だと判断しないでください。
製品の安全上の注意書きを良く確かめて、「他の容器に移して使用しない」などの禁止事項は必ず守ってください。
また、「他の容器に移して使用しない」などの禁止事項のほか、反応性の強い薬品が含まれている可能性が高いことに十分注意し、「ゴム手袋を着用し、作業後は必ず手を洗う」、「壁や天井など顔よりも高い場所に使う場合、洗浄液を布・スポンジなどにつけて塗る」、「目に入った場合、直ちに流水で15分以上洗い流す。コンタクトレンズは外す。その後、速やかに医師の診断を受ける」といった注意事項は必ず守ってください。[目次へ]
■電気掃除機を回収・交換/TOSHIBA
東芝ホームアプライアンス株式会社が製造した電気掃除機において、製品を焼損し周辺を汚損する重大製品事故が発生したことが分かりました。
当該製品は2009年10月から2011年3月に製造した東芝クリーナー(電気掃除機)2機種で、本体内部の排気フィルターに誤って非難燃性材料を使用したため、稀に高負荷状態で回転中のモータから出た高温物質片(高温のカーボン片)が排気フィルターに付着した場合に、発煙・発火する可能性のあることが判明、この2機種を回収し、同社指定の同等商品と交換するとしています。
当該事故は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき、重大製品事故報告を受け、平成24年5月15日にガス機器・石油機器以外の製品に関する事故であって、製品起因が疑われる事故として公表していたものです(管理番号A201200114)。
同社によると事故原因は、モーターから出た高温物質片(高温のカーボン片)が、本体内部の排気フィルター(非難燃性材料を誤って使用したもの)に付着したため、発煙に至り、製品を焼損したとのことです。
このため同社では、事故の再発防止を図るため対象製品の無償交換を実施したものです。
また経済産業省も、事故の再発防止のため、当該製品を持っているユーザーに対し、製造事業者の行う無償交換を受けるよう呼びかけています。[目次へ]
■ミニオイルヒーターを無償交換/ 無印良品
株式会社良品計画は、オカダジーエージェイ株式会社に製造委託した、「無印良品・ミニオイルヒーター(収納カバー付)」2012年9月20日から2012年11月27日まで販売した「ミニオイルヒーター(収納カバー付)MU-M75AK(2012年製)」において、放熱板の成型不具合によるオイル漏れの恐れのあることが確認されたとして、検品済みの商品と交換することにしました。
現在のところ、重大な事故等は発生していないとのことです。[目次へ]
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