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2010.5 No.197  発行 2010年5月26日

発行人 中澤 滋 ASP研究所 長野県松本市梓川梓3072-12

Tel:0263-50-6315/Fax:0263-50-6512

 

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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。

 



4月のニュースから

■日本ビクター、修理済のプラズマテレビに発煙の恐れ

 日本ビクター(株)は、42V型プラズマテレビ「PD-42DH4」において、これまで行った修理で交換した一部の電子基板の不具合から電源が入らなくなり、特定の電子部品取付箇所から発煙する恐れのあることが判明したとして、対象製品について再点検・修理を実施すると発表しました。

 対象者には同社商品の修理・サービスを行っているビクターサービスエンジニアリング(株)より、電話で直接連絡するとしています。
 なお、「PD-42DH4」でも過去に修理したことのない製品については、今回の不具合は発生しないといいます。

 事故原因ですが、2007年5月に開始したリコールで行った作業において、基板のハトメ処理が不十分なものがあり、トラッキング現象が発生、基板の一部が焼損するおそれがあると判明したとのことです。
 あらゆる製品では、設計・製造上の不具合を完全に避けることはできません。そのため消費者のための安全措置・リコールを行います。

 しかしリコール修理のできばえを評価・検証するシステムが貧弱なため、多くの企業でもサービスマン個人のレベルに委ねられてるのが現状でしょう。
 工場では自らの作業工程に、必ず後工程があり、さまざまな作業不良が見つかり、そして検査で電気・物理特性の不具合も見つかるものです。

 一方フィールドサービスでは、人が作業するメンテナンス、修理の品質にはバラツキは避けられず、ハトメ処理の締め付け力に問題があったのかもしれません。一般にはハトメ部の導体抵抗を測定することは考えにくいので、今後は確実なハトメ作業についての検証が進められることでしょう。

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自転車用空気入れで骨折や指切断事故/消費者庁が情報提供

 自転車用空気入れの使用中に、指を挟まてれ骨折したり、指を切断したりする事故が2010年3月に発生したことから、消費者庁及び国民生活センターが情報提供を行いました。

 国民生活センター危害情報システムには、以前から自転車用空気入れを使用中に部品が折れたり、外れたりしてけがをしたという事例が寄せられており、同センターは2006年に、握りを垂直に押し下ろすタイプの「フートポンプタイプ」空気入れについて、強度を中心とした安全性のテストを実施、消費者への注意喚起を行いましたす。

 同センターの報告によると、消費者アンケートの結果、自転車用空気入れの使用頻度は月に1回程度または2〜3か月に1回程度で、使用前点検はほとんど行われていないとのことです。

 また22銘柄の空気入れを15台ずつ(合計330台)購入したところ、13銘柄(69台)に何らかの初期不具合があり、修繕せずに使用を続けると危険な不具合が12銘柄(56台)に見られ、音が聞こえる空気漏れが8銘柄(16台)で確認されたといいます。

 さらに各銘柄4台ずつの継続使用の最中に、20銘柄(88台中54台)に何らかの不具合が発生、このうち容易に修繕できない不具合が8銘柄(15台)、修繕できる不具合のうちキャップの緩みが15銘柄(31台)、握りの緩みが10銘柄(15台)に見られたといいます。

 同センターは、自転車用空気入れを使用する際の注意点について、購入後はすぐに各部に緩みや亀裂等がないかを確認するとともに、正常に空気が入るか確認すること、事故防止のため使用前には毎回必ず握り、キャップ、シリンダ本体など各部に緩みなどの異状がないか確認することなどを挙げています。

 自転車用空気入れは子どもも使用することがあるので、大人による購入後チェックは大事でしょう。またSGマーク付の商品を選ぶようにしたいものです。

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空気清浄機リコール/ダイキン、対象87万台に

 ダイキン工業は「光クリエール」など計87万台の家庭用空気清浄機を対象にリコールを始めました。2006年8月〜09年7月にかけて製造した、3種類の空気清浄機で発煙や発火など計8件の事故が発生したためで、リコール関連費用は約45億円といわれています。

 リコール対象は、事故が発生した3種類の約84万台と、さらに事故は発生していないものの、発熱の恐れがあるため、09年8月〜10年1月22日までに製造した除湿・加湿機能つき空気清浄機の、約3万台についても今回対象に加えるとしています。

 同社によると、臭気やホコリを集める集塵機部でワイヤとフィルターが接触すると、放電による温度上昇を招き、発煙・発火に至る恐れがあるといい、安全な部品への交換や、安全装置の追加などを実施するとのことです。

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ライターで事故多発、服やバッグから出火することも

 (独)製品評価技術基盤機構(nite)の製品安全センターに通知された製品事故情報のうち、ライターによる事故が多く発生しているとして、niteはライターの使用について注意を呼びかけています。

 niteによると、2004年度〜2008年度に発生したライターによる事故は132件、2009/04〜2010/03までに32件発生しています。そのうち2004年度〜2008年度に発生した132件について事故原因を大別すると、「製品に起因する事故」26件、「製品に起因しない事故」36件、「事故原因が判明しない事故」57件、「調査中」13件であり、死亡事故が1件、重傷事故が9件発生しているといいます。

 「製品に起因しない事故」は、そのほとんどが不注意が原因で発生したもので、子供の火遊びによる事故も多く発生しています。

 同機構では、ライターによる事故のメカニズムについて、以下の5点を挙げています。

  1. 残火:ライターでたばこに火をつけた後、完全に消火ができていない状態に気づかず、衣服やバッグに入れると火が燃え移ることがある。
  2. 意図せず着火:引き出しの開閉時に、中に入っていた物がライターの着火レバーを押すことによって着火し、引き出しから出火することなどがある。
  3. 大きな炎:たばこに火をつけるため、ライターの着火レバーを押したとき、予想外に大きな炎が出ることによって顔などにやけどをすることがある。製造から長期間経過するとガス流量調整用ウレタンフォームが経年劣化し、ガス流量の調整が不十分となることや製造時の炎の高さ調整不良により、着火時に大きな炎となることがあり、基準値(120mm)を超える場合には、ライターの品質管理の問題としている。
  4. 顔を近づけやけど:炎の高さの基準値(120mm)未満であるが、たばこに火を点けるときに風などを遮るためにライターに顔を近づけすぎたため、やけどをすることがある。
  5. 他の熱源などによる過熱:夏場に車のダッシュボードの上にライターを放置したため、太陽光により過熱されて破裂し、車のフロントガラスなどが破損されることなどがある。

 同機構ではライター使用時の注意点として、子供にライターを触らせないこと、着火レバーとノズルネジの間に挟まったごみなどの異物を取り除いて使用すること、ライターを車のダッシュボードの上やガスコンロ、ストーブの近くなど、高温になる場所や火を使う場所に置かないことなどを呼びかけています。

 つい最近北海道で子供4人が死亡した車両火災でも、車内から発見されたライターの金属片は、子供でも押すだけで点火できる電子式使い捨てライターだった可能性が指摘されています。

 子供が簡単に操作できないようにする「チャイルドレジスタンス」付商品の安全性・有効性は早くから指摘され、アメリカでは10年以上前から、EUでも数年前から法律で規制しています。業界配慮優先の経産省ですが、この5月ようやく「年内にも法令を施行し、来年夏以降は規制を開始して、既存品の販売を禁止する」との考えを示し、今後の安全向上に期待されます。

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子供用の帽子から基準値を超えるホルマリン検出

 フーセンウサギ(株)が2009年夏より販売した「surl」ブランドの帽子において、厚生省令第34号に定める基準値(吸光度差0.05)を超えるホルマリン(遊離ホルムアルデヒド、吸光度差0.13)が検出されたことが判明しました。

 同社は対象ロットの商品を店頭より回収、販売された分についても回収・返金するとしています。

 ホルムアルデヒドは、接着剤・塗料・防腐剤等に使われ、自然界にも存在する化学物質で、24ヶ月未満のベビー衣料等に数値基準が設けられ、肌に触れることで炎症や発疹ができることがありますが、水溶性が高く洗濯により成分はほぼ取り除けるといいます。現時点で、健康被害の報告はないとのことです。

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10万円以上する商品でもラジウム効果なし/景品表示法違反の疑い

 家庭の浴槽の湯に鉱石やセラミック製のボール等を浸漬することによって、ラドン温泉やラジウム温泉になる等とうたって、ECサイトで販売され ている商品に関し、消費者からの問い合わせが多かったため、国民生活センターが調査を行いました。

 調査のまとめによると、浴室で使用するラドン・ラジウム関連製品に関する相談が387件、そのうち「お風呂に入れてラドンを発生させる箱入りの石を購入したが、効果が分からず、本当にラドンが出ているのかも疑わしい」、「風呂の中に入れるとラジウムが出て効果があるという。安全なものか」といった、品質や安全性に関するものが71件あったといいます。

 また相談件数を購入価格帯別にみると、最も多いのが30万円以上50万円未満の165件(43%)と、高額商品に多いとのことです。

 そこでセンターでは、このような商品を使用することによって風呂水にどの程度のラドンやラジウムが含まれるようになるのか等を調べ、消費者に情報提供することとしたものです。

 テストの対象銘柄は、2009年11月中旬から12月下旬頃までの間にインターネットのショッピングサイトである楽天市場、又はYahoo!ショッピングの各サイトで販売されていた商品のうち、広告に浴槽の湯に沈めて使用することで「ラドン温泉」、「ラジウム温泉」になるとうたっているものの、鉱石タイプ5銘柄、セラミックボールタイプ3銘柄、それらの混合タイプ2銘柄です。

 主なテスト結果は、各銘柄を使用したときの風呂水のラドン濃度を調べたところ、全ての銘柄で温泉法の基準を大きく下回り、風呂水のラジウム濃度は全ての銘柄で検出できないほど低く、温泉法の基準を大きく下回っていて、1日1時間・1年間直近で使用した場合でも、全ての銘柄で1年間の線量限度には達しなかったといいます。

 販売サイトの広告と商品の表示において、購入サイトには「ラドン温泉になる」等の広告があったものの、商品のパッケージ等に同様な表示がみられたのは10銘柄中5銘柄でした。また、疾病の治療等の効能効果をうたった広告・表示が10銘柄中6銘柄にみられたとしています。

 同センターは、消費者庁や社団法人日本通信販売協会に対し、風呂に入れるだけで「ラドン(ラジウム)温泉になる」と販売していましたが、「温泉になる」旨の広告・表示が不適切である上、商品を使用した風呂水のラドン・ラジウムの濃度も、温泉法の基準に大きく及ばないものであり、疾病の治療効果をうたった広告・表示も調査により見受けられたため、改善を要望しています。

 今回調査対象となったのは、節約ショップ健康太郎の「温泉名人セラミック温浴器」(198,000円)、玉川温泉本舗の「ゆかりのくつろぎ」(198,000円)、パイネットの「名泉の匠」(142,800円)、健康EXPRESSの「玉川の湯癒」(84,000円)など10商品です。

 健康・美容効果をうたう商品の宣伝が溢れていますが、1000人のうち1人でも購入すれば儲かる商売なのかもしれませんが、今回のケースは景品表示法違反の疑いではなく、詐欺罪として摘発してもらいたいくらいです。

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