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2010.3 No.195  発行 2010年3月26日

発行人 中澤 滋 ASP研究所 長野県松本市梓川梓3072-12

Tel:0263-50-6315/Fax:0263-50-6512

 

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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。

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2月のニュースから

航空機座席で不正/国土交通省、小糸工業に業務改善勧告

 航空機の座席を製造している「小糸工業」が、座席製造の過程で耐火性や強度などの検査記録を改ざんしたりねつ造するなどの不正を繰り返していたとして、国土交通省は8日、同社の掛川隆社長を呼んで業務改善を勧告しました。

 製造過程で不正が行われた座席は世界で運行されている1000機で、15万席が使用されているため、同省は材料や設計などの点から最も強度が弱いとみられる座席から検査を行い、問題が見つかれば撤去、交換させるとしています。

 掛川社長は記者会見し、「関係者にご迷惑をかけ、申し訳ない」と謝罪したうえで、「組織ぐるみで行われていたと言わざるを得ない。責任は重く受け止めている」と組織的な不正を認めていますが、掛川社長本人や現職の役員らの関与は否定しています。

 現場で行われている不正がトップに伝わらない、同社はそのようなリスク管理の会社なのでしょうか。現場のご都合主義が優先、そのような会社では困ります。適切な不正リスクマネジメントのプログラムが無かったのか機能していなかったようです。

 同省は当分の間、新規に製造した座席については適合性を認められたものをのぞき出荷を停止するよう指示、米連邦航空局(FAA)や欧州航空安全庁(EASA)と協議して、安全性の確認を進めるとしています。

 同省によると、同社が製造した座席134モデルすべてで、何らかの不正が行われていたといい、このうち試験結果の改ざんはクッションの耐火性試験で134モデルのうち36、衝突時の強度を測る動荷重試験で62モデルのうち55などがあったといいます。

 ほかにも国交省の承認を受けていない座席の設計変更や、製造過程の検査記録の改ざんなどが行われていたというのですから、社長から「組織ぐるみで行われていたと言わざるを得ない」との言葉を言わせることになったのでしょう。
国交省の聞き取り調査に対して技術部門の担当者らは、「納期が厳しく間に合わせるために不正を行った」などと答えており、同省は納期優先の体質があったと指摘しています特に93年以降は前年より受注が1.3倍に増加したことなどから、不正が拡大して行ったといいます。

 同社では昨年1月、内部告発で日本航空向けシートの耐火性試験で不正が発覚したことがありますが、6月以降に再び内部告発があったことから、同省が立ち入り検査を行い、今回の事件が明らかになったものです。
調査の結果、世界の航空会社32社の約1000機に供給した15万席・134座席モデルで不正が行われた可能性があると判明、図面変更や試験結果の捏造など内容は多岐にわたっています。

 証拠隠滅なのか、同社内に記録が残されていないということもあり、不正が開始された正確な時期は不明とされていますが、不正は90年代半ばから始まり、国交省の立ち入り検査が行われた昨年10月までは続いていたようだ、とされています。

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NTT西日本の緊急通報装置で誤って通報、回収

 NTT西日本が高齢者や要介護者などに提供している緊急通報装置「SL-10号BOX」及び簡易型緊急通報装置「シルバーホン あんしんSV」において、機器の電源ノイズ対策が不充分であったため、利用環境によってはあらかじめ指定している通報先へ誤って通報する可能性があることが判明、同社は対策済機器への交換を行うこととしました。

 同社によると、火災報知器など外部センサを対象機器で使用するための接続ケーブル等を機器背面のセンサ端子に接続した際に、電源からの誘導ノイズにより、あらかじめ指定している通報先へ誤って通報する可能性があるといいます。

 我が国ではEMI(電磁妨害)という電子機器から発生する電磁波が公共の電波や電源ケーブル・コンセントに流れ、他の電子機器に悪影響を及ぼすことを規制していますが、これでは不十分なことが分かります。
 EUではEMIだけでなく、EMC(電磁両立性)という考え方から、他の妨害電磁波から機器の誤動作・性能劣化などの電磁妨害耐性(イミュニティー)が求められています。

 このためEUで販売される電子機器では今回のようなケースはないと思いますが、電気用品安全法による規制が無いからといって、NTT西日本がEMCを考慮しなかったことが原因だと思います。

 国内では法的に販売できる製品であっても、いったん重大な事故が発生すれば、広く知られているEUの規制は知り得ているとみなされ、PL問題となるでしょう。

 今回は重大事故ではありませんでしたが、同社の安全配慮不足というお粗末な結果には、他メーカーも十分気をつけてもらいたいものです。

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折りたたみ自転車、5製品でハンドル抜ける欠陥/国民生活センター

 国民生活センターは17日、ハンドル支柱をレバー操作で固定するタイプの折りたたみ自転車5製品について、走行中にハンドルが抜ける危険性があると公表しました。

 昨年9月、ハンドルが外れて千葉県の男性が転倒し右肩を骨折した事故があり、同タイプの製品をテストして構造的欠陥と判断したものです。

 5製品はスポーツタイプの折りたたみ自転車(26インチ)で、タイセー、国際貿易関西、阪和、ビーズの4社が販売したものです。

 ハンドル支柱を最も下げた場合に、差し込み先との接触面積が減り、繰り返し左右に回転すると、緩んで抜ける恐れがありました。しかしレバーでなく工具で支柱を固定する方式の自転車であれば、外れる恐れはほとんどないといいます。

 同センターの調査結果ですが、使用者がレバーを締め付けるトルクは7〜8Nmと小さく、十分に締め付けることができなかったといいます。

同センターの調査結果を以下に示します。
<ハンドルステムの固定力>
1. レバーを締め付けた直後のハンドルステムの固定力
 いずれの銘柄もハンドルステムがホークステムに対して動いてしまうことがあり、固定力が不十分であった。

2. 繰返しの外力が加わった場合のハンドルステムの固定力の変化
 ハンドルバーを左右に回転するような外力が繰り返し加わった場合、ハンドルステムを最も下げていると固定力が弱くなることがあった。

<ハンドルステムの固定機構>
 ハンドルステムを最も下げた状態でハンドルバーを左右にずらすと固定力が弱くなる原因は、ホークステムの内径が小さくなる位置に引上げうすが固定されることが一因と考えられた。

<ハンドルステムの固定機構の注意表示>
 車体にハンドルステムの固定について注意表示があったのは1銘柄だけであった。
ということでした。

 このように安全性の検証が行われていないメーカーが多いということがこれで分かり、消費者は注意をしないといけません。

 センターでは消費者へのアドバイスとして、ハンドルステムの固定にレバーを用いているものは、十分な締め付け力が得られずハンドルが緩み重大な事故につながるおそれがあるので、購入の際はよく検討するように促しています。

 また使用中の自転車にあっては、ハンドルの高さによってハンドルステムの固定力が低くなる場合があるので、乗車前には前車輪とハンドルがずれることがないか十分に確認してもらいたい、としています。

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はちみつのふたから基準値14倍の鉛/大阪市が回収命令

 (株)トマトコーポレーションがインドから輸入した「純粋ハチミツ」において、キャップ部分から鉛が1,400μg/g(基準 100μg/g)検出されたため、大阪市保健所は同社に対し商品の回収を命じました。

 鉛が検出されたのは、同社が2009年07月24日にインドから輸入し販売したもので、賞味期限が2011/05/20のものだといいます。同社は賞味期限の異なる同一商品についても回収を行っており、返金にて対応しています。なお同社では、通常の容器使用では常時キャップとハチミツが触れている状態ではないため、はちみつ自体に問題はなく、人体への影響はないとしています。

 対象は昨年7月輸入の約12万7000本で、愛知や埼玉、大阪など15都道府県に卸され、全国のスーパーや量販店などで流通しているとみられています。

 市によると、今月2日の東京都の抜き取り検査でポリプロピレン製キャップから、基準値の14倍に相当する1グラムあたり1400マイクログラムの鉛を検出、同社は輸入時期の違う同じ商品も自主回収したものです。また市では「通常食べる量では人体への影響は考えにくい」としていて、現在までに健康被害の訴えはないといいます。

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