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2009.8 No.188  発行 2009年8月27日

発行人 中澤 滋 ASP研究所 長野県松本市梓川梓3072-12

Tel:0263-50-6512/Fax:0263-50-6315

 

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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。

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7月のニュースから

エアバッグで死傷、ホンダ2車種リコール

 ホンダの米国生産子会社「ホンダ・オブ・アメリカ」は29日、エアバッグが作動した際、中から金属片が飛び出して運転者の首に刺さるなど、7件の死傷事故が米国で起きたとして、このエアバッグを装着している乗用車「インスパイア」と「セイバー」(2001年3月〜同年10月製造)のリコールを国土交通省に届け出ました。

 日本に輸出した計1532台が対象ですが、国内ではまだ不具合は報告されていないといいます。
 同省によると、運転席側に取り付けられたエアバッグで、膨張装置(直径約76ミリ)のガス発生剤の固定方法に不適切なものがあり、エアバッグが開いた時に薬剤が異常燃焼を起こして、まれに鋼製の容器が破損するためだといいます。

 破損で割れた容器の破片が、エアバッグを破って外に飛び出して被害をおよぼすもので、米国のオクラホマ州では今年5月、破片が運転手の首に刺さって死亡しています。また今年4月にはフロリダ州で、あごの骨を骨折して重傷を負うなど、2007年2月から破片による計7件の死傷事故が発生したとのことです。

 国内の販売元となっているホンダによると、米国では昨年11月と今年6月に計約28万5000台のリコールを届けましたが、事故の危険性がある車は日本のほか、カナダ、メキシコ、香港などにも輸出されているといいます。

 ホンダでは「日本法人では今月になって死亡事故が起きていることを把握した。速やかに改善措置を取りたい」と延べ、国内でのリコール届け出になったようです。

 さて米国では昨年から事故を把握、しかもリコールしているのに、日本法人では今月になって死亡事故が起きていることを把握した、ということはいったい何を意味しているのでしょうか。ホンダの関連企業における重大事故に対する情報収集能力が全く無い、ということでしょうか。あるいは、今まで知らなかったので自分達の責任がない、と言いたいのでしょうか。
 いずれにしても、同社のアナウンスがイメージ低下を後押ししているようです。

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東芝の洗濯乾燥機で発火・発煙事故

 経済産業省は22日、東芝家電製造(現東芝ホームアプライアンス)の洗濯乾燥機で、発煙や発火事故が大分県と長崎県で今月計2件起きたと発表しました。けが人はいないといいます。

 事故があったのは2機種で、このうち「TW−742EX」は過去にも同様の事故があり、昨年4月から無償点検と部品交換を行っているものです。

 もう1機種の「TW−170VD」については、経産省が詳しい原因を調べているとのことです。
 TW−742EXでのリコールは、06年8月から今年3月にかけて、東京都国立市、横浜市、神奈川県伊勢原市、佐賀県唐津市で洗濯乾燥機の一部が焼けるなどの発火事故が4件発生したことから、6万4000台を点検・修理しているものです。

 いずれもけが人はありませんでしたが、他の製品でも発煙や発火の恐れがあると判断した今回の回収です。
点検・修理の対象となる製品機種は、TW−742EX、TW−742MX、TW−742V5。問い合わせはフリーダイヤル(0120)710508で、16日から受け付けています。

 事故原因は液体洗剤が洗濯乾燥機の内部にたれ落ちた場合、リード線の絶縁体を劣化させるとみられているようですが、機器の内部回路・配線線材にユーザーが使用する洗剤などが入り込む、というのは製品設計の基本ができてないようです。困ったものです。

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エアコンによる事故でNITEが注意喚起

 NITE(ナイト:独立行政法人製品評価技術基盤機構)は、エアコンによる最近の事故事例を紹介して、消費者に注意を呼び掛けています。

 発表によると、事故は2階ベランダより焦げ臭いにおいがしたため、家人がベランダ へ出たところ、エアコンの室外機と周辺の可燃物が燃えていた、というものです。

 火災発生当時、エアコンは正常に動作していたことが確認されており、室外機には発火の痕跡はありませんでした。

 しかし室外機の吹き出し口前に、簡易ライター、スプレー缶が入ったゴミ袋が置かれていたことから、事故日当日の気温(35.5℃)と、吹き 出し口からの送風による加熱から、ゴミ袋から発火したものと推定されました。

 様々な条件が重なったことで起きた事故ですが、一般にはエアコンの室外機の排気で火災が発生するとは考えにくいことだと思います。集合住宅のベランダにエアコン室外機を設置している場合、室外機の周りにいろいろの物を「とりあえず」として置いてしまいがちですが、十分注意したいものです。

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IHこんろ、およびガスこんろによる事故防止について

 NITEは、IHこんろ(電磁調理器)およびガスこんろによる 事故の防止について記者説明会を行いました。
それによるとNITEが収集した製品事故情報は過去5年間(平成16〜20年度 まで)で1万8068件通知され、IHこんろによる事故は59件あったといいます。このうち天ぷら油による発火事故は、18件 発生しているとのことです。

 一方、同期間のガスこんろによる事故通知件数は1583件にのぼり、このうち天ぷら油による発火事故は788件あり、多くの事故が発生していることとが分かります。

 これらの事故で原因が明らかになったものは、すべて「誤使用や不注意」によるものだったということから、NITEでは使用者への注意喚起が必要との判断があったようです。

 さてガスこんろですが、平成20年10月1日以降に製造・輸入された製品は、全てのバーナー部に「調理油過熱防止装置」と「立ち消え安全装置」の装着及びPSマークの表示が義務づけられています。

 このように製品では安全面での改良が進んでいますが、「誤使用や不注意」での天ぷら油による発火事故が少なくないことから、消費者の安全意識・注意が欠かせません。

 また過熱防止装置は、温度センサーがなべ底の温度を測定するもので、調理油の温度が約300℃に達する前(約250℃で作動)にガスを自動的に止める装置です。

 しかし鍋底の中央部が凹んでいるものでは、この装置が正常に働かないことがあり、また油の量が少ない状態で過熱し続けた場合には、過熱防止装置が働く前に油が発火することがあるといいます。
 調理機器が進歩した今でも、天ぷらなどでは「ガス機具から離れない」、と言う鉄則が生きています。

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米国産牛肉にBSE特定危険部位混入

 農林水産省と厚生労働省は22日、米国から輸入された牛肉の中に、特定危険部位として輸入が認められていない脊柱が混入していたと発表しました。

 2006年夏の輸入再開後の違反事例は12例目で、特定危険部位の混入は2例目となります。両省は同工場からの輸入手続きを停止し、米農務省に対して詳細な調査を行うよう要請しました。

 混入が見つかったのは、米カンザス州にあるクリークストーンファームズプレミアムビーフ社工場から出荷された冷凍牛肉で、21日に農水省の動物検疫所が東京港に到着した810箱(約16トン)のうち、28箱を検査したところ、「骨なしバラ肉」と記載されたラベルの2箱で衛生証明書に記載のない脊柱を含む牛肉が見つかったものです。残りの808箱に問題はなかったといいます。

 今回の施設からは輸入再開後、全体の6%に当たる約9000トンの牛肉を輸入していたといいます。
 昨年4月にも、ナショナルビーフ社カリフォルニア工場による特定危険部位混入事件がありましたが、このような単純ミスが起きる背景を日本政府はどのように考えているのでしょうか。

 箱詰めの時には必ず中身と表示を確認するのが担当者の仕事の1つですが、そこでの確認ミス、そしてラインに牛肉を乗せる人の確認ミス、その前工程では指示された牛肉を運ぶ担当者や倉庫から出荷する肉を用意する担当者、倉庫内の肉置き場の管理状況など、多くの人が関与しているはずです。

 それにも関わらず不具合品が混入するということは、各担当者レベルでの混入に対する意識がかなり低いことがうかがえます。信頼性の低い米国畜産物加工業者には、初歩の品質管理が求められるようです。

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冷却ジェルマットは効果無し/国民生活センターの調査により判明

 人が触れたときに“ひんやり”感じることで、暑さによる寝苦しさを解消するというマット類が売られています。
 「冷却ジェルが体温を奪い、熱帯夜でも朝まで涼しく眠れます」や、「冷房を使用せずに安眠が得られる」といったうたい文句で、テレビショッピングやインターネット通販だけでなく、ホームセンターやスーパーなどの店頭でも見られるようになっています。

 PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には、2004年度以降、この5年間で冷却効果やヒンヤリ感をうたったマット類に対する相談が142件寄せられています。しかも2006年度までは8件だった相談件数が、2007年度は40件、2008年度には93件と増加傾向にあるといいます。なかでも、冷却材として水分を含むジェルを封入したマットやパッドが多く見受けられます。

 このようなジェル入りマットの相談内容は、「最初は冷たいが、後から暑くなってくる」など、効果が長続きしないものが多いようです。

 相談内容を受けた国民生活センターでは、ジェル入りマット3銘柄について、モニターによる評価を中心に冷却効果とその持続性を調べてみました。

 テストは、ジェル入りマットには冷却効果が長続きすることを期待させる表示が見られることから、蒸し暑くて寝苦しい夜を想定した室内で、冷却効果とその持続性を調べたものです。

 モニターテストの結果は、「熱帯夜でも朝まで涼しく」など、冷却効果が朝まで続くことをうたっているものもありましたが、室温30℃で使用すると最初は冷たく感じるものの、30分を経過すると冷たさを感じなくなるモニターが多く、表示とかなり違うことが判明しました。

 また、サーマルマネキンによるテストも行ったところ、マットはモニターテスト同様、30分前後でマットの表面温度は34℃を超えてしまいました。
 ジェル入りマットは薄さのわりに重く、10kg近いものもあり、移動時などは取り扱いが楽ではないことも分かったといいますた。

 蒸し暑い室温30℃の環境下では、ジェル入りマットが冷たく感じるのは最初の30分程度であり、長時間の効果は期待できないということを、消費者へのアドバイスとしています。

 さて6月には国民生活センターによって、肩こりが治るとして販売されていた、ゲルマニウムブレスレットに効果がないことが分かりましたが、今回も同じように消費者を騙す商品が判明したことになります。

 消費者には、今までにない、便利そう・健康に良さそう、などの機能をうたった商品が出てきたら、「ほんとかな?」といった冷静な視点が必要でしょう。

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