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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。.
4月のニュースから
■公道走行できるという四輪バギーの安全性について/国民生活センター
国内では「公道走行が可能」とうたわれた四輪バギーが、インターネットの店舗などで販売されていますが、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には、この製品に関する相談が2004年度以降、5年間で97件寄せられているといいます。
そのため国民生活センターでは、公道走行できることがうたわれた四輪バギーを実際にインターネット販売で5銘柄購入、商品受け取り時の状態、保安基準への適合、品質などを調査したところ下記のような問題がありました。
- 全銘柄とも、道路運送車両の保安基準に適合しない内容があった。灯火類の性能や仕様が不十分なものがあった。
- 初期および使用中の不具合として、消費者が組み立てた部分以外にも、ブレーキや駆動チェーンの調節が必要な銘柄があった。最も安価な銘柄は走行のための重要部品が緩んでしまったほか、保安部品の電球が早期に切れてしまった。
- 実用上の走行性能等では、車両が小さすぎて安全な乗車姿勢をとれない。最小回転半径は車体の大きさに比例したが、全銘柄ともデファレンシャルギヤを備えていないため、小回りが滑らかにできないことがある。速度が速い状態で左右に曲がると車体が外側に倒れてしまう危険性があった。傾斜10°の上り坂で発進する時に、前輪が浮き上がりやすい銘柄や発進できない銘柄があった。道路交通法上は最高速度60km/hで走行できるが、発進してから150m走行したときの速度は40〜50km/h程度であった。
- 製品受け取り時の状態と、組み立て内容については、一部が未完成の状態で販売・配送されたものの中には、一人で組み立てるのが難しいと思われるものがあった。また、いずれも梱包材の大きな廃材が出た。自分で組み立てる部分についての、組立説明書が添付されていない銘柄があった。
センターでは業界への要望として「公道の走行が可能」と表示・販売しているにもかかわらず、実際は道路運送車両の保安基準に適合していなかったため、「公道で走行できない」旨を明確に表示するべきだとしています。
また初期の段階でブレーキが利かない、車体が小さく安全な乗車姿勢がとれない、坂道で発進できないなど品質や性能の問題を改善を要望しています。
法律を遵守しないこのような商品に対し、行政の取り締まりが行われていない現状では、安全を守るのは購入者である消費者個人となっています。「公道の走行が可能」と虚偽の表示・販売をしていることもあるので、四輪バギーの購入に際しては十分注意したいものです。[目次へ]
■女児の目にボタン電池飛び込む!/入院手術後 も著しい視力低下
住宅会社が配ったライト付きメジャー(ポケットメジャーライト)に入っていたアルカリボタン電池が飛び出し、女児の右目に入る事故が発生したという相談が、国民生活センターに寄せられました。救急搬送先の病院で、約2時間後に右角膜上にボタン電池を確認、目の中に入ったボタン電池に付着していたサビ等を除去したものの、右角膜混濁・右角膜異物により著しい視力低下を招いたという事故でした。
事故が起きたのは、母と兄が台所の流しで兄用の飲み薬を作っていたときに、ひとりで遊んでいた3歳5ヶ月の女児が突然激しく泣き始めて、「何かが目にぶつかった。目が開けられない」と言っているが、泣いている理由が分からなかったといいます。その後、様子を見ていたら泣き疲れて眠ってしまい、2時間後に今までにない泣き方を始め、涙に赤かオレンジのような色がついていました。救急車を呼び、搬送先の病院でようやくボタン電池が目に入っていることが分かったものです。
ポケットメジャーライトは住宅会社(株式会社 家・スタイル)が主催した内覧会で来訪者に配り、女児が自宅で触っているときに事故が起きたものです。
救急搬送先の病院で医師が瞼を開いてボタン電池を取り除きましたが、角膜にボタン電池のサビが付着していたため、角膜の異物を除去、角膜を掻爬する手術を受けて1週間入院しました。3歳児健康診断の時に、目の疾病等はなかったものの、視力が0.2に低下していたといいます。
事故が起きた製品は、中国で製造されて複数社が輸入しており、ボタン電池が装着された状態で販売されているものです。上記輸入発売元は約5万個輸入し、現在の在庫は743個だといい、住宅会社は販売促進用品を取り扱う会社から200個購入、内覧会等で配布し、残りが50個あるといいます。
この事故の問題点としてセンターでは、事故品の電池ケースの蓋は外れてしまうことがあり、幼児でも開けられる構造であったとしています。また、電池ケースの蓋が外れるとボタン電池が飛び出すほど、電池ケース内の電極用バネの力が異常に強いとしており、明らかに危険な製品のようです。また本件は飛び出したボタン電池が目に入ったものですが、誤飲・誤嚥のおそれから、製品の構造に問題があると指摘しています。
そして事故品および事故同等品には、取扱説明書や注意書が同封されていなかったといい、不特定多数の消費者の手に渡る販売促進用の製品としては、使用方法や注意事項の記載がないことは問題である、としています。
なお、輸入発売元である(株)アイトックへのヒアリングによると、事故同型品は同社以外の事業者も輸入しており、その流通経路は多様で把握しきれないことから、回収等の措置は講じないとしているようです。同社および配布した住宅会社の、いずれも在庫分については廃棄するとしています。しかし危険な商品という認識のない消費者がいるもの事実で、企業には注意を呼びかけるなど、積極的な対応を取ってもらいたいものです[目次へ]
■犬用リードの強度
環境省の資料によると、犬による咬傷事故は2007年度では5,500件発生しており、そのうち25%にあたる1,379件が、犬をけい留しての運動中に発生しているといいます。
犬を散歩させるための商品にリードがありますが、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には、犬用リードの安全・品質・表示に関する相談が、2004年度以降の5年間に28件寄せられていたといいます。
そのうち、リードが破断などした事例が15件、さらに、破断などが原因の危害事例が5件あったといいます。被害者は本人(飼い主)が2件、他人が3件で、本人が被害者の場合、リードが破断したことによる転倒などでしたが、他人が被害者の場合、逃げた犬に咬まれた、突進されたことによる危害でした。リードが破断してしまうと他人にまで危害が拡大する事故になるおそれがあるので、十分な注意が求められます。
そこで国民生活センターでは、リードの安全性について、強度を調べるとともに強度に関連する表示の内容を調べ、消費者へ情報提供することにしたものです。
センターでは、神奈川県相模原市近郊のペットショップ、 100円ショップやインターネット通販で購入可能なリードのうち、適用体重が10kg以下と20kg以下のものを対象にして、ロープの長さが5m まで任意に調整できるリール型と、長さ固定のロープ型について、計18銘柄をテストしました。
主な結果は以下のとおりです。
- ロープ又はナスカンが破断するまでの最大荷重は、29.8〜200kgf以上と銘柄間で大きな差があった。
適用体重が同じものでも破断するまでの最大荷重にはばらつきがあり、適用体重20kg以下の銘柄の中には、適用体重10kg以下の銘柄よりも小さい荷重で破断するものもあった。- 様々な犬種20頭について最大の引っ張り力を調べた結果、体重10kgクラスで最大25.3kgf、体重20kgクラスで最大27.9kgf、体重比では0.5〜2.7倍と個体差があった。
- 取扱説明書等に記載されている強度に関連する表示内容を調べた結果、表示内容は銘柄間で違いがあり、ほつれなどがあった場合には使用を中止する旨が表示されていない銘柄もあった。
以上の結果から、センターでは消費者へのアドバイスとして、購入の際は、強度に余裕のあるものを選ぶこと、使用する際は各部を点検し、ほつれなどが目立つ場合は交換することを促しています。
その後日本ペット用品工業会の意見が5月13日に掲載されたので紹介します。
今回の買い上げテスト結果報告会の情報を頂く時と同じくして、弊会は「表示項目」の内容確認と、次のステップUPへの検討会を開催しました。今後も引き続き行って参ります。
今回の「犬のリード」の強度につきましては、会員会社の間では暗黙の目安として対応犬体重の数倍以上との事にしています。ただ、犬の年齢や急に動くなど想定外の力について判断出来ない事もあり、又使用期間や使用頻度及び使用状況にも差があり、自主基準化まで相当な時間を要すると考えています。
(1)お散歩用 (2)繋留用 等正しくご使用頂くことが安全・安心にも繋がると思います。
今、表示内容について検討を開始したところですので、今回のデータを基にアドバイス等を頂きながら纏め上げたいと思います。[目次へ]
■レーザー光線の平均放射パワー、技術基準に適合せず
インテリアライトとして販売されている、レーザーポッドという商品がありますが、レーザー光線の平均放射パワーが、技術基準に定める基準値を上回っているなど、一部の検査項目について、技術基準に適合していないことが判明したといいます。
メーカーではレーザー光線が直接人の目に入った場合、目に障害を起こす可能性があるとして、製品の改善を始めました。対象のレーザーポッド(LASERPOD)は、型式 LAS001、本体下部に電池ボックス(単三形3個収納)があるタイプです。
改善方法ですが、ユーザーに製品をメーカー宛送付してもらい、改善を施した上で返送するとしています。
改善に際しては、ユーザーに大、小2種類ある付属品のプラスチック製ドーム(ディフューザー)のうち、どちらか1つを選択するよう促して製品本体と共に送付してもらい、メーカーで製品本体を確認した上、ディフューザーを強力な接着剤で本体に固定する方法をとるようです。
ディフューザーのがたつきなどが原因のようなので、同社の安全部品装着に関する製造・品質官吏が無かったようです。レーザー光を利用する商品が、最近ではいろいろ増えているようですが、使用者は十分注意したいものです。[目次へ]
■冷凍冷蔵庫、公取委から排除命令/省エネ大賞機種で日立の失態
日立アプライアンスは、「フレックス真空断熱材」の芯材にリサイクルした樹脂を使用した冷蔵庫で、製造工程における二酸化炭素排出量を従来品に比べて大幅に削減するという表示を行ってきました。
その画期的な製造方法が今年の2月10日、「平成20年度省エネ大賞省エネルギーセンター会長賞」受賞につながり、それ以降、新聞広告やポスターでも宣伝を見る機会が増えてきたようです。
しかし公正取引委員会がそれら宣伝の信憑性について調査したところ、事実とは異なる点があるとして、当該表示の排除命令を出すことになりました。
この「フレックス真空断熱材」の芯材に使われていたリサイクル樹脂ですが、製造工程において排出する二酸化炭素の量を約48パーセント削減しているとしていましたが、実際にはリサイクル樹脂を使用した製品は、R-Y6000、R-SF60YMおよびR-SF42YMだけであり、しかも一部期間、部分的に使用していたに過ぎないものであったことが判明したといいます。
加えて実際の二酸化炭素の削減率も、表示の数値を大きく下回るものであったことから、今回の処分になったようです。
通常省エネ大賞などにノミネーションする場合、社内で万全の準備をするものですが、同社では客観的データに基づく基準・評価からすり抜けていたと言うことは、一体どういうことなのでしょう。大企業でありながら、このようないい加減なシステムであった、というのはなんとも残念です。[目次へ]
■未だに多い食品表示の不手際
毎月、毎月、食品の表示に関する不手際が公表されていますが、京都祇園萩月が販売している「花あわせ」の箱の裏に貼付してある表示シールに原材料「もち米」等、アレルギー物質「落花生・海老」の表示が欠落していたことから、回収をしています。◆◆◆
八十八で販売している、ふりかけ「かつお胡麻」の表示で、食品衛生法等に違反する事項があるとして回収、料金を払い戻す対応をしています。
アレルギー物質を含む「脱脂粉乳」の表示欠落、使用添加物の不適表示、賞味期限の誤表示、原材料誤表示など、多くの違反があったといいます。
また賞味期限2010年4月1日迄の商品は販売先より撤去したそうです。◆◆◆
佐弘商事では、ライム果汁「ナチュラルライム600ml」の拡売品である「ナチュラルライム250ml」の製造工程におきまして、「シシリーライム250ml」のラベルを貼り間違えて、そのまま出荷してしまったとして、商品の取り替えをしています。
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