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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。.
2月のニュースから
■電気アイロンによる子どものやけど事故/国民生活センター情報提供
国民生活センター危害情報システムの病院情報によると、2003年度以降2008年度までに電気アイロンによるやけどの事故事例は165件寄せられていて、そのうち10歳未満の子どもの事例12件(77.0%)、特に2歳以下の乳幼児に限れば102件(61.8%)と高い割合になっています。
子どもの事故事例では、「アイロンをしている母親のそばに子どもがよってきて、誤ってアイロンに触れてやけどした」などの使用中のほか、「コンセントを抜いたアイロンに子どもが左手で触ってしまった」などの使用後や、「親が目を離したすきに置いてあったアイロンに子どもが手を伸ばし触ってしまった」などの大人が少し目を離したときにも起きているというものです。
そこでセンターでは、子どものやけど事故を減らすために、使用後のアイロンがどのくらいの時間までやけどをする状態なのか、また、やけど防止の対策としてどのような構造や表示などが考えられるのかを調べるとともに、消費者やメーカーに対するアンケート調査も実施し、消費者に情報提供することにしたものです。
- 4社10銘柄をテスト対象としたテスト結果は露出したかけ面などは電源を入れてから9〜31秒後には45℃を越え、最高温度は200℃を越えている。
- アイロンだけでなく、アイロンのスタンドも高温となっているので注意が必要である。
- 電源を切った後、アイロンの温度が45℃まで下がるのにコードレスが74〜103分、コード式でも39〜68分かかり、長い時間冷めないこともやけど事故の要因と考えられる。
というものです。
また消費者へのアドバイスとして
- 子どもが寝ている時間帯や手の届かない場所で使うようにする。
- 使用後のアイロンは長い時間高い温度なので、速やかに子どもの手の届かない場所に片付ける。
- 使い終わったアイロンを収納ケースでカバーし、子どもが手でアイロンに触れられないよう工夫したものがあるので購入時に目安とする。
とし、「子どもがやけどの危険性を理解し適切な行動がとれる能力を身に付けるまで(おおよそ4歳頃)は、特に注意する必要がある」としています。
センターでは実験結果を踏まえて「使用後、かけ面が高温になっていることを使用者が視覚的に確認できる機能があればやけど事故を防止するために有効と考えられるので、そのような機能があるか調べた。その結果、どの銘柄も電源を入れた場合には本体ランプが点灯又は点滅するが、使用した後に電源コードを抜くとランプは消灯した。使用後、かけ面が高温の状態であることがわかる温度表示等で視覚的に確認できる銘柄はなかった」と意見を述べています。[目次へ]
■防水加工の電気カーペットが発火/国民生活センターが注意喚起
国民生活センターは、防水加工が施されている電気カーペットについて、コントローラー部分に水がかかった場合、発火する恐れがあるという調査結果を発表しました。ユーザーに対して注意を喚起するとともに、メーカーや関連団体に対して改善を求めています。
事故が確認されたのは2009年1月、防水加工の電気カーペットのコントローラーから出火したもので、調査によると製品の構造には問題がないことから、コントローラー部分に水分が侵入したことが原因だと見られています。
事故の当事者宅では犬を飼っていて、当該製品からが尿のニオイが確認されたため、犬の尿がコントローラー部分にかかったことが出火の原因になった可能性があるといいます。
このため同センターでは、消費者に対し防水と書いてある電気カーペットでもコントローラー部分は水濡れ禁止のため、水分をかけないよう呼びかけることにしました。特に室内で犬や猫を飼っている場合、幼い子供がいる場合は水分をこぼしたりする場合が多いので注意するように促していいます。
また業界に対しては、取扱説明書への明記や注意喚起、さらにコントローラーにも防水機能を持たせた新製品の開発などを呼びかけています。[目次へ]
■サーモスがポットを回収/熱湯こぼれる恐れ
ステンレス製魔法瓶メーカーのサーモス(東京)は12日、同社製「ステンレスエアーポット」の一部に熱湯がこぼれる不具合が見つかったとして、対象の5067台を回収、無償交換すると発表しました。
同社によると、容器内部の圧力を逃がす機能が低下し、容器を振った際にお湯がこぼれ出る恐れがあるといい、これは軽いやけどをした利用者からの連絡で分かったとしています。しかし、機構部の劣化・耐久性の問題、つまり設計上の欠陥と言えるもので、トップメーカーには、これを機に安全・品質にさらなる注意を促したいものです。
対象はTAH−2200と3000、TAK−2200と3000の計4商品のうち、昨年8〜12月の製造分で底のシールに記載された製造番号の下3けたが「08D」となっているものです。
問い合わせは同社フリーダイヤル、0120・356304まで。[目次へ]
■中国製圧力鍋「NK-AL16」 ふたが飛ぶ?飛ばない?
国民生活センターは19日、「注意、圧力鍋の蓋が飛んでやけど」という調査結果を発表しました。これは2008年11月、圧力鍋を使用中に蓋が吹き飛び、「60歳代の女性が顔に1ヵ月以上のやけどを負う事故」が発生、構造上の問題が分かったとしての調査結果です。
事故は、「圧力鍋に2人用のシチューの材料を入れ、ガス台にかけた。圧力がかかった後、数分後火を止めた。しばらくして蓋を開けようとしたが、開かなかったので流し台に鍋を運び、上から水をかけたところ大きな音とともに鍋の蓋が飛んで中身が飛散し、顔に1ヵ月以上のやけどを負った」というものでした。
上記のような事故事例に対しセンターでテストを行った結果、同様な問題が発覚したものです。以下、国民生活センターによる、テスト結果です。
^事故品は内圧が高いときに蓋が開かないようにする蓋ロックレバーの引っかかりが浅いため、取っ手に力を加えると蓋が開いてしまう構造である。
_内圧が高いことを示すロックピンが短く作動状態を確認しにくい構造である。(なお、2007年4月製の事故同型品には、以上の問題点は確認されなかった。)
センターでは、蓋をロックするレバーの引っかかり部分が浅いこと、そして作動状態を確認しにくいということで、事故が発生する可能性があるとして、「やけどを負うおそれがあるので使用を見合わせること」との発表に至ったわけです。
しかしメーカー側の見解は正反対のもので、国民生活センターの公表日と同じ2月19日に、台所用品メーカー「カクセー」がHPで発表した内容は以下の通りとなっています。
「国民生活センターが公表した内容に沿って、同センターがテストを行った結果、事故事例のような現象は起こりませんでした。(テストには事故品を使用)本製品には製品的な欠陥はございません。取扱説明書通りにご使用頂ければ安心してご使用頂ける製品でございます。」
今回の「カクセー」の圧力鍋での事故については、「本製品は、財団法人製品安全協会にてSG認定基準に適合している製品」で、安全であるとの発表をしています。
SGマークがあれば、基本問題はないという見解のようですが、実際に事故は発生したのです。SGマーク取得のための試験以外に隠されている構造的問題の解明、そしてユーザーに対する客観的な検証報告が、今後もこの製品を安全に使用するための情報提供だと思います。
国民生活センターの実験結果を検証せず、ただ「今回の問題は使用者のミスであり、メーカーには責任はない」と言う論理のようです。しかし圧力なべのふたを開くために、温度を下げて圧力を減らしたい、という予見されるユーザーの誤使用は考慮しなければなりません。単にメーカー責任のないことばかり言うというのは、それはメーカー責任を果たしていないことになると思います。[目次へ]
■サンスター、乳児用歯ブラシ回収
サンスターでは、「C&F歯みがき習慣トレーニング乳歯ブラシ」において、先端部の軟質ゴムが外れる可能性があることから自主回収することにしました。同製品は強く噛みすぎる等の、想定以上の力をかけたり熱水での繰り返し洗浄を行ったりすることなどにより、先端部が外れてしまうとしています。
乳児が外れた先端部の軟質ゴムを誤飲するおそれがあことから、回収するものですが、乳児が食いちぎれないような一体形状ではなく、別パーツとしたことに設計上の問題があったのではないでしょうか。
被害情報は無いようですが、この商品を使っている消費者はすぐに当該商品かを確認した方がいいでしょう。[目次へ]
■カンフー・パンダ」USBメモリ自主回収/日本HP
日本ヒューレット・パッカード(HP)は13日、2008年6月から8月の間に販売促進用に配布した「カンフー・パンダUSBメモリ」を、全品自主回収すると発表しました。
このUSBメモリは、全体がキャラクターのパンダの形状になっていて、キャップとなっているズボン部分を外して内部のUSBメモリを使用するものです。しかしこのズボン形状のキャップを放置した場合、幼児が興味を示して誤って飲み込む恐れがあり、最悪の場合窒息死に至る可能性が否定できないことから、今回の回収になったようです。
同USBはオーストラリアや中国など、アジア太平洋地域で約4万6,000個配布され、日本国内では1,360個配布されたものです。
これまでに事故の報告は無いといいますが、同社は自主回収のため専用Webサイトおよび電話窓口を設け、対応に当たることにしています。問い合わせは同窓口(0120)-077322まで。
同社の自主回収専用Webサイトでの回収手続は、必要事項を入力して送信、すると交換用の一般的な形状のUSBメモリが送付されてくるので、同梱の封筒でカンフー・パンダUSBメモリを返送する方法をとっています。[目次へ]
■食べて窒息死、毎年4,000人以上/その約9割が65歳以上
食品安全委員会は27日、誤嚥に対する注意喚起を行うための資料「食べ物による窒息事故を防ぐために」を発表しました。
誤嚥による死亡者は、ここ数年増加傾向で、年間4,000人以上にも上り、特に80歳以上の高齢者の死亡者数が顕著になっているとのことです。委員会では、気道が3〜6分間閉塞すると死亡の確率が高まるため、食材は食べやすい大きさにし、誰かが付き添うように呼びかけています。
一方東京消防庁では、管内で06年〜07年の2年間に発生した救急事故が2,443件を調査したところ、窒息事故の多い食材は「ご飯・寿司」が多く、次いで「餅」となっていたといいます。
年齢別にみると60歳以上が約7割を占めていますが、中等〜重篤の事故例が多くなっているといいます。また、パンをのどに詰まらせた事故例は、高齢者に多く発生していて、「重症」以上の割合が他食材よりも多いのが特徴となっています。
噛み砕き、潰れるものは安全ですが、パンは高齢者にとって口の中ではちぎれないこともあるので、柔らかさに安心しない方が良いようです。またパンに限りませんが、口に頬張るような食べ方にも注意したいものです。
東京消防庁では食材がのどに詰まった時の対処法として、背部叩打法を勧めており、そpの手順を公開しているので以下に紹介します。
【背部叩打法の実施手順】
- 傷病者が立っているか座っている場合は、やや後方から片手で傷病者の胸もしくは下あごを支えて、うつむかせる。(傷病者が倒れている場合は、傷病者を手前に引き起こして横向きにし、自分の足で傷病者の胸を支えます。片手で傷病者の顔を支える。)
- もう片方の手の付け根で、傷病者の肩甲骨と肩甲骨の間を強く4〜5回、迅速に叩く。
- 口の中を見て異物が出てきたら取り除く。
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