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2009.2 No.182  発行 2009年2月24日

発行人 中澤 滋 ASP研究所 長野県松本市梓川梓3072-12

Tel:0263-50-6512/Fax:0263-50-6315

 

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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。

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1月のニュースから

全国の都市公園遊具、4割が設置20年以上/国交省全国調

 国土交通省は都市公園の安全管理の強化を図るため、全国の都市公園などに設置されている遊具の設置状況や安全点検の実施状況を平成19年度(平成20年3月31日現在で)に実施、その集計結果をまとめ、1月12日までに公表しました。

  遊具が設置されてから20年以上経過しているものが18万8247基と設置遊具全体の4割以上にのぼり、19年度中の安全点検の結果、修理や撤去等の安全確保措置が必要になった遊具は4万2081基に上っていたことが分かりました。このうち、5646基はその後撤去されました。

  この調査は1443の地方公共団体等において、遊具が設置されている12万9534箇所の都市公園とその他の公園を対象に実施したもので、設置されている遊具の総数は43万7068基と、前回調査(16年度)に比べ、1.1%増えていました。

 設置数の多い遊具は、踏み板式ぶらんこ(6万8033基、遊具全体の15.6%)、すべり台(6万6303基、15.2%)、砂場(6万1466基、14.1%)で、多い順は前回調査と同じでしたが、設置数の増加割合では健康遊具が57.5%増、複合遊具(鋼製)が15.9%増、スプリング遊具が9.1%増と、健康遊具の伸びが目立っていました。

 この背景には、少子高齢化の影響で子供に代わって高齢者が公園で遊ぶ姿が目立ち始めていることから、各自治体では高齢者の公園利用を推進、老朽化した子供用の遊具に代わり高齢者用の遊具として「健康遊具」の設置を進めていることがあるようですす。

 さて設置数の減少割合が高い遊具として、回転塔(31.7%減)、ゆりかご型ぶらんこ(25.6%減)、ジャングルジム(12.2%減)がありますが、遊具使用中に怪我や事故の事例が発生していた遊具は安全性を配慮したためか、減少傾向にあります。
 公園管理者が行う遊具の点検状況ですが、日常点検を平均で月に3〜8回、定期点検を平均で年に2回行っていました。

 国土交通省では「平成21年度より都市公園安全・安心対策緊急総合支援事業を創設し、各地方公共団体で実施される都市公園の安全・安心対策を支援していく予定で、老朽化した遊具の更新等を促進し、安全対策の一層の推進を図っていきたい」としています。

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自転車用空気入れタンクの破裂/株式会社オージョイフル、回収へ

 株式会社オージョイフルは、「軽量プラスチックエアーポンプ(OJ01AP-002)」(2004年12月〜2007年9月販売)について、使用中にタンクが破裂する恐れがあるとして、回収すると発表しました。

 自転車用空気入れでは、毎年タンクの破裂、ハンドル折れなどで、ケガ人が出ていて、国民生活センターでは自転車用空気入れによる事故防止について2006年10月、次のような注意を促しています。

 過去5年間に、自転車用空気入れを使用中に部品が折れたり外れたりして、指を切断するなどの事故が発生していたことが明らかになりました。

 センターでは、業界に対し消費者が事故に遭わないよう、品質管理の徹底や品質改善を図るとともに、再発防止策を検討するなどを要望、あわせて事故再発防止のために自転車用空気入れを使用している方のために、次の点を挙げています。

  • 購入後すぐに、各部にゆるみや亀裂などがないかを確認し、正常に空気が入るか、点検しましょう。
  • 事故防止のため、毎回使用する前に握り・キャップ・シリンダ本体など各部にゆるみなどの異常がないか、点検しましょう。
  • 握りを押し下げるための力が大きい場合は、蓄圧タンクが外れて飛び出す危険がありますので、無理に空気を入れないでください
  • 保管場所は、取扱説明書に書かれた方法に従いましょう。また、雨ざらしや直射日光が当たる場所を避けましょう。


 超低価格と言うわけにはいきませんが、自転車用空気入れもSG基準があります。SGマーク貼付商品を選択するのも、安心度が高まり良い方法かもしれません

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こんにゃく入りゼリーの現状について/国民生活センター

 一口サイズのいわゆる「ミニカップ」に入ったこんにゃく入りゼリーについて、乳幼児や高齢者の窒息事故が相次いだことから、国民生活センターでは、1995年以降過去繰り返しテスト結果や警戒情報を公表してきました。しかし2008年7月に再びこんにゃく入りゼリーによる乳児の死亡事故が発生したことから、政府及び業界で、事故防止の対策について検討が行われているところです。

 そこで、センターでは2008年12月5日〜10日に購入したミニカップタイプのこんにゃく入りゼリー6社(32銘柄)について、かたさや弾力性、大きさなどの物性及び事故防止のための注意表示の実態を調査し、情報提供することにしました。

 その結果、現在の商品は銘柄によりかたさや弾力性が異なり、07年7月に公表した銘柄については、やわらかくなっているものがある一方で、ほとんど変わっていないものがあったといいます。

 また、ゼリーの形状は多種多様あるものの、07年7月に公表した銘柄については、ほとんど変わっていなかったとのことです。

 表示についてですが、外装パッケージの表面に大きな警告絵表示等が、また裏面には大きく取り扱い等が記載されていて、「子どもや高齢者は食べない」や「凍らせないこと」についてはほとんどのメーカーで表示されていたようです。

  しかし、ミニカップのフタ部分に新規の警告表示をしているメーカーは1社のみで、販売店での警告表示や販売場所については、菓子と一緒に警告表示もなく販売されているところも見られたとしています。
消費者へのアドバイスとしては、ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーは、子どもや高齢者に与えてはいけない、と結んでいます。
表示・警告だけで本質的な商品の危険性が減少するのか、今後の事故情報を気にしないといけません。

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日用品の回収など進む

 最近では日用品においても回収・点検修理のお知らせが増えていますが、企業の予防安全への認識が高まっていることが伺え、消費者にとっては望ましいことです。

 ただ不具合内容については、「こんな不良がなぜ起きるのか」という基本的な設計・製造欠陥が見え隠れするので、製品の安全性についてはなお一層の努力が求められます。
1月に発表されたものをいくつか紹介します。

     ◆◆◆
 ホダカ株式会社は5日、KhodaaBloom製のフロントキャリア装備モデル(2007年9月〜2008年11月販売)の一部機種について、前キャリアの固定の際、ネジ類の組み付け順に不都合がある場合や緩みが出ているなどの条件が重なった場合、継続使用によりキャリア支柱部分が折損し、転倒事故に至る恐れがあるとして、無償点検をすると発表しました。
 「ホダカ株式会社輸入の自転車にて、販売店にてフロントキャリヤを取付けた際に、説明書と違うネジ類の組み付けをし、十分な固定がなされておらず、使用中の繰り返し負荷にてキャリヤの支柱部分が破損して、キャリヤが前輪に巻き込まれ転倒した重大製品事故(重傷)発生することが考えらたとのことです。

     ◆◆◆
 株式会社アイアンは7日、「ハロゲンヒーター」(2002年8月〜2003年3月販売)の一部機種について、首振り時に内部配線がよじれコード皮膜が損傷しスパークし、台座部より発煙・発火に至る恐れがあるとして、回収すると発表しました。
 製品名「タワーハロゲンヒーター」IR4423では、台座部より発煙の事故が数件寄せられており、同社が調査した結果、過度の首振り時に内部配線がよじれコード皮膜が損傷しスパークしたことが原因としています。

     ◆◆◆
家具・インテリア用品製造販売大手のニトリ(札幌市)は13日、同社製ランドセルの肩ベルトに埋め込んだ金属製ワイヤが外に飛び出し、けがをする恐れがあるとして、1046個を自主回収すると発表しましたた。ニトリによると、これまで事故の報告は入っていないとのことです。
回収するのは、全国の店舗で昨年11月10日−12月18日に販売したランドセル「SYI08シリーズ」(全6色、9990円)で、肩ベルト内の補強材のワイヤが長すぎるものがあり外に飛び出す恐れがあるといいます。
1046個のうち、346個は顧客情報があるためダイレクトメールや電話で連絡済みで、残り700個については、店頭の張り紙やホームページなどで返品や交換を呼び掛けています。

     ◆◆◆
 アメアスポーツジャパン株式会社は16日、マヴィックロード用自転車ホイール「R-SYS(アール・シス)シリーズ」の前輪部を対象に、回収すると発表しました。
 「R-SYSシリーズ」は、主に舗装路を走るロードタイプの自転車向けホイールで、前輪部のスポークが、ある特殊な状況下で使用した場合に破損する可能性が判明したといいます。このため使用者がバランスを失い、最悪の場合は転倒、あるいは怪我をする恐れがあるとしています。
 同社では日本国内において、上記不具合が原因で発生した事故や怪我などの報告はまだないとしています。

     ◆◆◆
株式会社ニトリは24日、平成15年5月29日から平成20年8月12日まで販売した「スチールハイベッド LB-935-3シルバー」に対して、「布団落下防止、及び就寝者の安全向上のため」手すり部品を追加すると発表、すでに購入したお客に無償で手すり部品を提供することにしました。対象製品は平成15年5月29日から平成20年8月12日まで販売した商品です。

     ◆◆◆
株式会社サンエー・インターナショナルは29日、「JILLSTUART(ジルスチュアート)ブーツ」のヒール取り付けの釘が、打たれていない商品があることが判明、回収・点検を発表しました。
 また同社では30日にも、レザーロングブーツにおいて、靴底のヒール取り付け金具が足の裏に当たってしまう可能性があることが判明、商品の回収・点検を発表、異なった製品の2日続けての回収発表でした。

     ◆◆◆
アロン化成株式会社は30日、シルバーカー「サンフィール」シリーズにおいて、使用中に車輪が外れて転倒する恐れがあることが判明したとして該当商品を回収、無償で補修すると発表しました。品番製品名はサンフィールU(バータイプ)、サンフィールS(ショッピング)、サンフィー(ウォーキング)で、販売等期間2008年8月以降に販売した商品が対象です。
 高齢者がよく使シルバーカーなので、体重を支える使用状態も想定され、大けがの恐れもあります。
家族の方や気づいた人は、積極的に教えてあげて欲しいものです。

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