研究所



ユーザーのための取扱説明書とは


<1998年調査>

■「安全上のご注意」

 本文に入る前に注意や警告について説明するページでは、次のような文章がよく記載されている。

安全上の注意

ここに示した注意事項は、製品を安全に正しくお使いいただき、あなたや他の人々への危害や損害を未然に防止するためのものです。
また注意事項は、危害や損害の大きさと切迫の程度を明示するために、誤った取扱いをすると生じることが想定される内容を、「警告」「注意」の2つに区分しています。
 <M社製へヤードライヤー取扱説明書より>

 前半はまあこのようなものでもいいのですが、次の文章では「明示」「想定」「区分」など取扱説明書本文ではあまりでてこない表記である。

 また、「生じることが想定される内容」とあるのはいかにも回りくどく、意味をつかみにくい。

 これは次のようにする。

また注意事項は、誤った取扱いで生じる危害や損害の大きさ、切迫の程度によって内容を、「警告」「注意」の2つに分けています。


■「記号の説明」

 注意書きで使用されるアイコン(絵記号)についての説明では、次のような例がある。

この記号は、警告・注意を促す内容があることをお知らせするものです。図の中に具体的な注意内容(左図の場合は高温注意)が描かれています。

 <M社製へヤードライヤー取扱説明書より>

 最初の文章の「促す内容があることをお知らせする」というはもっと端的にすべきである。


この記号は、警告・注意を促すものです。図の中に具体的な注意内容(左図の場合は高温注意)が描かれています。


■「禁止」のシンボルについて

 次のようなイラストはよく見かけるものである。
 禁止のシンボル枠をペタペタ置いているが、元々この表示は内部に禁止すべきイラストやシンボルを置くのが基本で、標識枠である。
 ところが「一般の禁止」という業界の定めた汎用性?のあるシンボルとして多用されてしまっている。困ったものである。
 直観的に意味をつかめないため、消費者が理解しづらいという調査結果もでているので、企業の反省と対策が望まれる。


<M社製へヤードライヤー取扱説明書より>

本当は、次に示したようなシンボルを作成するのが一番だと思うだが…。

 



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中澤 滋 ASP研究所代表
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