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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。
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■乗用車の安全度公表/運輸省・自動車事故対策センターが試験
■省エネ五徳で死亡事故/通産省、使用中止を呼びかけ
■ふき取りタイプのメイク落としにカビ/花王が自主回収
■カイワレ種子が汚染源/昨年3月のO157集団
■注射針不要のワクチン開発/肌に貼るだけで簡単、安全
■「顧客サービスの品質保証」規格の提唱/米国COPC社
■核廃棄物で地下水汚染/米ワシントン州ハンフォード核施設
■市町村のゴミ処分場、28%が排水設備なし/厚生省、538施設を公開
表
■ダイオキシン、水田で高い濃度/愛媛大グループ調査
■塩ビ玩具やめて/グリーンピースジャパンがメーカー、厚生省に
要請
■ 高濃度の環境ホルモンが隅田川で検出/東京農工大助教授ら調査
■ 旅客機内全席禁煙、エアーニッポン/海外各社も方針転換
3月のニュースから
■乗用車の安全度公表/運輸省・自動車事故対策センターが試験
運輸省と外郭団体の自動車事故対策センターは20日、国内で販売されている乗用車14車種のブレーキ性能と正面衝突時の安全性能の試験結果を公表しました。これは1995年度から始めたもので、今年度で3回目の公表となります。消費者にとっては歓迎できることです。
ブレーキ試験は、時速55キロでコンクリート壁に正面衝突したとき、乗っている人の障害の程度を測定、ブレーキ性能は乾いた路面と濡れた路面で時速100キロから急ブレーキをかけたときの停止距離を測定したものです。正面衝突試験は、安全性の高い順にAAAからDまでの6段階で評価しています。
この結果、ブルーバードが助手席で最も優れAAA、日産「ローレル」、ホンダ「ロゴ」が運転席、助手席両方でAの評価を得ました。一方、ブレーキ試験では、乾いた路面で最も停止距離が短いのはローレルで、日産「マーチ」が最長、また濡れた路面では、同「セドリック」が最も短く、マツダ「デミオ」が最も長い結果となりました。自動車事故対策センターではインターネット(http://www.osa.go.jp/)でも情報提供を行っています。また過去のデータに対しては、深大寺梅之助氏のコメントがインターネットで見ることができます(http://www.wise-jp.com/b9705/car/car.htm)。
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■省エネ五徳で死亡事故/通産省、使用中止を呼びかけ
「ガス代が節約できる」などのうたい文句で販売されている「省エネ五徳」が原因とみられる一酸化炭素中毒死が全国で2件あったことから通産省は6日、利用者に使用中止を呼びかけるとともに、販売会社に商品回収を要請しました。
この省エネ五徳はすり鉢状の鋳物製で、ガスコンロから付属の五徳を外し代わりに取り付けて使用することで、熱が外部に逃げにくくなりガス代を節約する省エネ商品として売り出されたものです。しかし、昨年那覇市と札幌市で同商品が原因と見られる死亡事故が2件発生したため、通産省で再現実験したところ規準値の20〜30倍の一酸化炭素の発生が確認されました。
最近は環境をうたった宣伝が多く、エネルギー消費量を意識した省エネ五徳でしたが、安全性の確認は全く行われていなかったようです。このような商品の製造及び販売会社には回収命令だけでは十分でなく、死亡事故の原因の可能性が高いのでPL訴訟に発展させ、これら業者の姿勢を正して欲しいものです。
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■ふき取りタイプのメイク落としにカビ/花王が自主回収
花王は23日、シート状のふき取りタイプのメイク落とし「ビオレメイク落とし ふくだけコットン」を自主回収すると発表しました。消費者の指摘でわかったもので、抗菌剤のエタノールが規定量の1/6しか配合していなかったために、シートにカビが発生したものです。同社が消費者の手に渡ったものを回収するのは初めてのことで、皮膚かぶれなどの恐れはないものの品質保証の立場から回収を決めたとしています。回収するのは、容器入り(800円)と詰替用(700円)の合わせて約8万5,000個で、シートが入った袋側面に表示されている製造番号下4けたが「3307」と「3317」の商品です。
これら商品は高知市にある下請けメーカーで製造されたもので、製造設備のトラブルが原因で抗菌剤のエタノールが規定値を大幅に下回ったようです。下請けで生産されたとはいえ、花王がきちんと受入検査を行っていれば社内で発見できたはずです。花王の製造設備やシステムを標準とし、下請けの設備や人の品質レベルに応じた検査基準を策定しなかったのでしょう。
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■カイワレ種子が汚染源/昨年3月のO157集団
厚生省は30日、昨年3月中旬に横浜市と愛知県蒲郡市を中心に病原性大腸菌O157が集団発生した原因について発表し、米国から輸入したカイワレ大根の種子が汚染源との見方を示しました。患者が食べていたカイワレ大根の種子を培養した結果、O157を作る遺伝子の増殖が認められたことによるものです。
種子には生産段階でO157が付着した可能性が強いため、同省は近く米国に生産段階の衛生状態の再点検を要請するとしています。また国内でも栽培前に種子を一律殺菌処理する必要性があるとして、農水省に対し衛生管理の徹底を求めました。
今回の厚生省の発表では、通常の培養検査ではO157が検出できなかったが、遺伝子レベルの詳しい検査をしたところ70検体中14検体からO157などが出す毒性の強いベロ毒素遺伝子を検出し、さらに感度の高い検査を実施したところ、一部からO157に特有の遺伝子を確認したといいます。またいったん遺伝子が陰性となるまで培養液を薄めたところ、再びO157などの遺伝子が検出され、増殖性も確認されたとしています。これを受けて農水省は30日、「カイワレ大根生産衛生管理マニュアル」を改訂し、種子の殺菌などを新たに義務付けました。
厚生省は今回、O157そのものの検出はできなかったものの、菌を作る遺伝子の増殖を確認し「付着していた菌が増殖した」といっていますが、米国大使館ではFDA(米食品医薬品局)の科学者が今回の調査結果を検討し、「患者から分析された菌と、種子から検出された菌を比較検討していないため、病気の原因にと結論付けることはできない」といっています。このFDAの見解はもっともなことで、厚生省の発表に対する議論がいろいろでてきそうです。
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■注射針不要のワクチン開発/肌に貼るだけで簡単、安全
ワクチンではポリオ(小児麻痺)の生ワクチンのように飲むタイプのものもありますが、注射によるワクチンが主流となっています。今回米企業が開発したワクチンは、注射の代わりにガーゼ付きばんそうこうのように肌に一晩貼るだけで効果が期待されるものです。まだマウス実験の段階ですが、人への副作用を調べるテストをこの1、2か月に実施し商品化につなげたいとしています。
現在第三世界の国々では汚れた注射針で逆に病気を広めている、といったこともあり注射を受ける人の安全確保の点から注目を集めるものです。
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■「顧客サービスの品質保証」規格の提唱/米国COPC社
米国の顧客サービス品質の認証監査機関、COCP社が提唱するCOCP-2000規格は96年2月にできた任意規格です。米国では情報関連分野の企業を中心にアウトソーシングが盛んですが、そのサービスの質が一定のレベルに達しないことから、マイクロソフトやノベル、デルなどの代表的なアウトソーサ(業務委託発注者)が中心となり、業務パフォーマンスの改善のための基準作りを始めたものです。
この規格はISO9000シリーズをベースにし顧客サービスに特化した規格で、監査もISOに比べてよりきめ細かくなっているようです。日本の企業の顧客サービス活動は、とかく企業の主観的な判断に偏りますが、顧客サービスの質を第三者が監査することは非常に意義があります。企業で独自に評価する顧客満足度といったものには少々抵抗があったのですが、この規格の普及が望まれます。
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■核廃棄物で地下水汚染/米ワシントン州ハンフォード核施設
米最大の核兵器用プルトニウム生産施設である米ワシントン州のハンフォード核施設は、世界最初の原爆「トリニティー」や長崎に投下された原爆「ファットマン」を生産した
ことで知られていますが、ここではいま核廃棄物による地下水汚染が大きな問題になっています。
米エネルギー省が今年2月に発表した3つの報告書では、同施設中央部にある「200東」「200西」地区にある3つの地下タンク郡から漏れた高レベル放射性廃棄物が、地下水に到達したとしています。テクネチウム99、ヨウ素129、トリチウムなどが、飲料水の含有基準の20倍などの高い濃度で検出されたものです。この施設では過去に低レベル放射性廃棄物を溝などに捨てる作業をしていましたが、報告書では、検査用の井戸の設置場所や検査された物質などから、旧式で寿命20年程度の貯蔵タンクから漏れた廃棄物であると結論付けています。
廃棄物が地下水に進入したことから、地域住民の飲料水や農業用かんがいなどの水源になっているコロンビア川には、20年から100年後には到達するようです。ワグナー同施設所長は、ずさんな廃棄物処理に「前任者達がもう少し注意を払っていてくれたらと思うが、当時は冷戦に勝つ方が先だった」といっています。ところで米会計検査院が3月に米議会に提出した報告書では、冷戦後も早くから原子力や地層専門家が高レベル廃棄物の地下水汚染を警告したにもかかわらず、エネルギー省が廃棄物は地下水に到達しないと無視した経緯を挙げて「同省の認識は不適当」と批判しています。
エネルギー省の言っていた「廃棄物は地下水に到達しない」ことの根拠が全く覆されたということは、彼らの提出するデータや言葉の科学的な裏付けがなかったということです。“あってはならないことは、有り得ないとする”論理を押し通し、その論拠の正当性を第三者が検証しないおごった考えは、洋の東西を問わずあるようです。
90年から地下水汚染を警告してきた地元の環境保護活動家のソニア・アンダーソンさんは「タンクの漏れた地下水汚染も、農業や健康への影響を心配する住民の告発で、ようやく政府は重い腰を上げた。冷戦は終わったけれど、政府が住民にうそをつく癖は終わっていない」と不信感を強めています。
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■市町村のゴミ処分場、28%が排水設備なし/厚生省、538施設を公表
全国の市町村でゴミを埋め立て処理する最終処分場のうち、地下水汚染防止のため汚水を浄化して放流する廃水処理設備のない処分場が、538施設(全国の施設の28%)あることが分かり、厚生省は6日、処分場の実名を公表しました。埋め立てに関する規制がなかった71年以前に建設された処分場や、排水設備が義務付けられた77年以前の処分場については、厚生省では早急に施設を閉鎖するよう通知を出していましたが、いぜんとして埋め立てが続いていました。
このリストによると青森から沖縄まで14の県にわたっていて、鹿児島では23カ所にも上っています。おもしろいことに首都圏地域では1カ所も見られませんが、厚生省では「土地に余裕のある地方が大きめに処分場を確保して現在も使っているためで、首都圏などでもこうした処分場は多数あったと見られるが、廃棄物で埋まってしまい、調査対象にならなかった」と説明しています。したがって今回公表された施設以外でも、地下水の汚染は進んでいるとみるべきでしょう。
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■ダイオキシン、水田で高い濃度/愛媛大グループ調査
ダイオキシン類の土壌中の濃度は、水田が都市部の公園などに比べて際だって高く、また河川や海に流れ込んで広範囲の汚染をもたらしていることが16日、明らかになりました。調査は脇本忠明・愛媛大農学部教授(環境計測学)のグループが、松山平野で行ったもので松山平野を東西、南北各方向2キロごとに区切り計約130地点で土を採取し、これまでに37地点分を分析しました。
この結果、水田(13地点)の土壌1グラムあたりのダイオキシン類の濃度は、最も毒性の強い2-3-7-8四塩化ダイオキシンに換算した数値で226〜4.5ピコグラでした。これに対し、神社や寺の境内など(4地点)では55.8〜13.2ピコグラムで都市部の公園(7地点)が9.4〜1.5ピコグラム、汚染度の低い山間部の森林(13カ所)では8.3〜0.6ピコグラムでした。
松山平野の2つの河川と河口、沿岸海域の川底の泥のダイオキシン類を詳しく調べたところ、現在は使用が禁止されている除草剤に混在していたダイオキシンの濃度が特に高いことも判明しました。この組成は、上流の水田の土壌のものとも一致し、汚染させた水田の土壌が水を張る際などに流出していることが分かりました。
脇本教授は「土壌のダイオキシンは農作物には直接吸収されないが、川や海を通じて沿岸域の魚介類に摂取されていることが予想される」と話しています。日本には土壌の環境基準はありませんが、独では農業地で40ピコグラム、運動場で100ピコグラムの基準が設けられており、今回の調査による水田のダイオキシンはこれら基準を上回るところが多くありました。
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■塩ビ玩具やめて/グリーンピースジャパンがメーカー、厚生省に要請
国際環境保護団体グリーンピースの日本支部、グリーンピースジャパンは、塩化ビニール製玩具の早期撤廃を狙った消費者参加のキャンペーンをはじめました。これは幼児の歯固めなどで口に入れるやわらかい塩ビ玩具に使われる可塑剤(プラスチック軟化剤)が、内蔵・生殖傷害を招く恐れがあるとの指摘がでているためです。グリーンピースジャパンでは約1万世帯を対象に実態調査を5月にもまとめ、玩具メーカーや厚生省に対策を求めることにしています。
キャンペーンでは1万部の参加資料を用意し、参加を希望する消費者が家庭の塩ビ玩具についての実態を回答するハガキなど資料一式を請求、4月30日までに調査結果を返送します。その後グリーンピースジャパンでは、国内玩具メーカー・製品ごとに塩ビの使用状況をまとめることになります。
おもちゃによく使われている塩ビの可塑剤であるフタル酸エステル類は、侵出や揮発性が著しいため乳幼児の口から体内に蓄積され、肝・腎臓がんや生殖異常、白血病の原因になる恐れが指摘されています。次世代にまで深刻な影響が懸念されている環境ホルモンですが、まだどの物質がどれくらいの量で、どんな影響を持つのか詳しくは分かっていません。しかし影響が証明されてからの対策では遅いとの指摘も多く、環境ホルモンの影響を受けやすい乳幼児が触れる製品には細心の配慮と代替品による対策などが求められます。
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■高濃度の環境ホルモンが隅田川で検出/東京農工大助教授ら調査
環境ホルモンの一種で、洗浄剤などに使用される化学物質ノニルフェノールが、東京・隅田川の水質中に高濃度で含まれていることが、東京農工大学の高田秀重助教授らの調べで分かりました。ノニルフェノールの使用を規制している欧州諸国の基準値(水質中の濃度が1リットル当たり1マイクログラムを超えないこと)を上回った地点もあり、高田助教授は「人体に影響を与える濃度ではないが、隅田川が流れ込んでいる東京湾の水質や生物への影響を重点的に調べる必要がある。日本でも欧州並の規制を検討すべきだ」と話しています。
このノニルフェノールという物質は工業用の洗浄剤や樹脂の原料などに使われ、国内では年間約5万トンが生産されています。高田助教授らが昨年2月から10月にかけて隅田川、多摩川の計6地点で水質中の濃度を調べたところ、隅田川の白鬚橋周辺で最大1.08マイクログラムのノニルフェノールを検出、永代橋周辺で同0.7マイクログラム、志茂橋周辺でも同0.4マイクログラムを検出しました。
わが国では環境に排出される化学物質の規制や基準が欧米に比べて遅れているようですが、行政の対応を消極的にする産業界の反発が大きいのでしょうか?自社の利害ばかり優先せず、「国民の健康を将来的にも確保する」といった顧客満足の観点で考えて欲しいものです。
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■旅客機内全席禁煙、エアーニッポン/海外各社も方針転換
エアーニッポン(ANK)では4月から国内航空会社で初めて61の全路線を全席禁煙に踏み切ります。また、日本に乗り入れている外国航空会社も今年になり、旅客機内での禁煙を相次いで打ち出しました。
国際民間航空機関(ICAO)は1992年の総会で国際線の全席禁煙に取り組むことを決議していますが、外国航空会社の中には愛煙家の多い日本路線を例外として禁煙を認めていたところも多くありました。今年になり各社次々と方針転換しており、自国の国内線などが禁煙で日本乗り入れ路線に限って喫煙を認めていた19社のうち、シンガポール航空など10社が全路線禁煙に踏み切りました。
ANKでは昨年、禁煙について乗客にアンケートを実施した結果「禁煙に賛成」「やむを得ない」を合わせた回答が全体の7割を占め、今回の全路線禁煙を決めたものです。
日本航空は90年10月から片道2時間以内の国内路線を全席禁煙にしていますが、飛行時間が長い国際線は一定の禁煙席を設けているだけです。全日空と日本エアシステムは国内線について全席禁煙を検討していますが、まだ結論はでていないようです。
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終わりに
喫煙できる場所がだんだん少なくなってきますが、公共的なしかも閉ざされた空間では当然の流れでしょう。残念なことにレストランなど飲食業関係ではまだまだ遅れが目立ちます。ホテル内のレストランでさえも分煙設備や分煙のための配慮に乏しく、たばこの煙の中で食事をとらされるのは閉口します。最近はワインがブームのようですが、たばこ飲みでは味覚が麻痺しているため、ワインの楽しみ方も半減することが分かってないようです。まあ、本当のグルメが少ないということでしょう。
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