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■製品の規格審査、民間に移管/行政効率化へ一歩、年内にもまずJIS
■人気の「シュガーレス」チョコ、多く食べると「お腹変調」/長野県内でも、注意書きあるが‥‥
■助手席のエアバッグ解除、整備工場にも認可/全米高速道路交通安全局
■品質保証力の時代/食品企業
■小型車1台のCO2排出量、廃棄までに6.5トン/慶大グループ試算
■「JIS Q14000」/工技院があす制定
■23年ぶり環境基準を新設、ベンゼンなど3物質/中央環境審が決定
■工場廃棄物100%再利用/アサヒビール、茨城で来月から
■親の喫煙で子の肺能力低下/米の医師グループ、手術後の酸素吸入から
■喫煙者率 過去最低の35%/JTまとめ、男性のタバコ離れ進む
10月のニュースから
■製品の規格審査、民間に移管/行政効率化へ一歩、年内にもまずJIS
製品の規格など基準・認証制度に関する国の審査権限を民間に委譲する動きが出始めた。通産省は年内にも日本工業規格(JIS)マークの表示について、民間の審査機関への開放を打ち出す。官民の役割を見直して規制緩和を進め、「事後監視行政」への転換を急ぐ方策で、最終的には企業の自主管理に任せる「自己認証」を目指す。
通産省は他省庁に先立ち、約800品目が指定されているJISマークの表示に関する審査を財団法人や民間企業に認める。日本工業標準審査会(通産相の諮問機関)に諮り、年内にも具体的な運用方法の概要をまとめる見通しだ。
見直しの柱は国などの認定を受けた民間機関に審査権限を開放し、工場への立入検査などで条件を満たしていればJISマークの表示を許可できるようにする。当面は業界の任意団体などに限定するが、企業が自社製品についてJISに適合していることを自ら宣言する「自己認証」の導入も検討する。
■人気の「シュガーレス」チョコ、多く食べると「お腹変調」/長野県内でも、注意書きあるが‥‥
ダイエットブームを背景に若い女性たちの人気を集めているシュガーレス(砂糖不使用)のチョコレートをめぐり、食べたら下痢をしたという女性の声が聞かれるようになった。砂糖の代わりに腸に吸収されにくい甘味原料が含まれているためで、発売した大手メーカー2社は商品の注意書きに「お腹がゆるくなる場合があります」と記しているが、「シュガーレス」の宣伝に目を奪われて気付かず、つい食べすぎてしまう消費者もいるようだ。
長野市内の女性会社員(22)は9月中旬、1箱食べたところ、まもなく腹の調子が悪くなった。箱の裏を見て初めて注意書きがあるのに気付いたという。
松本市内の主婦(32)は「一晩でついつい1箱食べたら、翌日調子が悪くて‥‥」。シュガーレスの言葉にひかれて10月初旬にコンビニで買った長野市内の主婦(27)も1箱食べて下痢をした。
シュガーレスチョコは、ロッテが2月、関東甲信越の1都9県で「ゼロ」の商品名で発売。4カ月間で約10億円を売り上げ、9月18日からは全国で販売している。明治製菓も9月から砂糖不使用のチョコ「リミット」の全国発売を始めた。
いずれも、砂糖の代わりに、甘味原料の「ラクチトール」をチョコレートに初めて使用。1箱当たりのカロリーが普通のチョコに比べ20%減ったという。しかし、ラクチトールは体に害はないものの、胃の中で分解されにくく、ほとんど腸に吸収されないため一定量以上を食べると、下痢っぽくなることもある。両社とも「多く」食べると「まれ」に「お腹がゆるくなる場合があります」と、箱の裏側に表記している。
ロッテは「注意書きを赤い字にするなど目立つように努力している。消費者の相談も最近はほとんどなく、売り上げの実績が受け入れの広がりを示している」(広報室)。注意書きを蛍光色にしている明治製菓も「単にシェイプアップのためだけでなく、カロリー制限されている人や壮年層にもチョコレートが味わえるよう工夫した結果」(広報部)としている。
「売り上げの実績が受け入れの広がりを示している」とは、なんということでしょう。従来から販売されている食品カテゴリーの商品では、普通、パッケージ裏側の文言(注意書き含む)を読むことはないと思います。
体に害がないということですが、メーカーはもう少し親切でありたいものです。例えば「砂糖使用ゼロ、でも食べすぎには注意して!」などのキャッチと、裏側の注意説明があることを知らせる記述があるといいのですが‥‥。
でも、期待するのはどうも無理なようです。
■助手席のエアバッグ解除、整備工場にも認可/全米高速道路交通安全局
全米高速道路交通安全局(NHTSA)は、助手席側エアバッグの作動解除を整備工場でも行えるよう規制を緩和する方針を固めた。エアバッグによる幼児の死亡事故を防止する当面の対策として打ち出したもの。
エアバッグの作動解除は現在、個人の申請によって特別に認められているが、自動車整備工場が勝手に解除することは禁じられている。これを自動車保有者の要請によって整備工場にも解除させることを認めようというもの。
後部座席が無く、助手席に幼児を乗せなければならないピックアップ・トラックに限ってエアバッグ解除スイッチの取り付けを認めているが、乗用車には認めておらず、特別のケース・バイ・ケースで解除を認めるにとどめてきた。しかし、エアバッグの仕様基準変更までには、メーカーとの意見調整などで時間を要するため、過渡的措置として、当面、整備工場にも解除を認めていくことにした。
シートベルトと併用したエアバッグが成人の命を守る装備であるという認識は変わっておらず、その仕様基準と合わせ、幼児保護をどうするか、メーカー、ユーザーを含めた論議をもとに今後、エアバッグ基準を根本的に見直すことにしている。
■品質保証力の時代/食品企業
キリンビールは4月にHACCPの概念を導入した新しい品質保証システムを始めた。また外部品質監査としてISOの定める品質保証規格ISO9002を96年10月に北陸工場で、97年4月に取手工場で、そして98年12月までに全15工場で認証取得する予定だ。
中村屋は現在あるものをベースにしながら97年3月までにHACCPと同じ考え方で品質保証のための基準を作る考えで、「もっと冷静に見てチェックすることが必要」としている。
雪印乳業では第2期品質保証戦略を96年4月から3カ年の目標でスタート。ISO、HACCPのいいところをドッキングして同社らしいものを作ることがテーマになっている。全酪連もISO9002、HACCPを取り入れた品質システムの再構築作業に入っている。
ISO9002を主に輸出向け製品の国内3工場で認証取得している味の素は、ISOの全社的な取得は考えていないが、それに近い状況が進んでいるという。HACCPも全社5工場への導入を検討している。
キッコーマンは95年末から品質管理の中にHACCPを取り入れて改善作業に入っている。ISO9002の認証取得についても国内工場(シンガポール工場は取得済み)で96年初めから準備を進めている。
品質保証体制をグループ全体にまで広げた企業の中にキリンビールがある。従来のビール生産だけでなく、キリングループの物流や営業、外食、サービスにまで広げたトータルの品質保証体制を2001年をめどに確立しようとしている。それぞれの業界で最高の品質保証を目指すもので、このため品質保証の新しい基本方針を策定、各社・各部門を挙げて品質保証活動に入った。
最終ユーザーの利益につながる品質保証活動の取り組みが増えてきたことは、歓迎できると思います。
■小型車1台のCO2排出量、廃棄までに6.5トン/慶大グループ試算
小型車1台が生産から廃棄されるまでの全寿命で排出する二酸化炭素(CO2)の総量は炭素換算で6.5トン−−。慶応大学の吉岡完治教授らの研究グループは、製品が生産から廃棄までの間に環境に与える影響を評価するライフアセスメント(LCA)を自動車に当てはめてち密に計算、こんな結果を導き出した。
CO2排出量は産業同士の関係を示す産業連関表を用い、排出源を網羅してはじき出した。算出では燃費が1リットル当たり10キロの小型乗用車を対象とし、年間走行距離を1万キロ、耐用年数を5年と想定した。寿命までの年平均では排出量は1.3トンとなるが、これは1世帯の年間電力消費に伴う排出量の約4倍に当たる。
試算では約400の業種に分類した産業連関を分析、自動車を構成する金属部品からその材料の鋳鍛鋼、さらに原料の鉄鉱石へと至る波及効果を漏れのないように取り入れて排出量を計算した。国内ばかりでなく原油など海外での源燃料生産も日本への海上輸送の要素も考慮に入れた。
さらに生産に必要な工場の建設、エンジンオイル、タイヤなどの消耗品の交換、ガソリン消費についても同様の計算をし、加算した。
自動車のCO2排出に関するLCA分析は、これまで粗いものはあったが、産業連関表を使ってち密に計算したのは初めて。
環境影響評価の精度がだんだん良くなると、その数値によっては既存の商品の存在理由が問われることになると思います。
消費者にとっては、製品の有用性に対し不相当に環境負荷の大きな商品を見極めることが大事になります。
■「JIS Q14000」/工技院があす制定
通産省・工業技術院は20日付で、環境管理・監査に関する日本工業規格「JIS Q14000シリーズ」を制定・発行する。1日までに発行した環境管理・監査の国際規格であるISO14000シリーズをそのまま日本語訳したもので、同JIS制定で世界的に一致した標準が正式に運用される。海外でも、英国が国家規格BS14000シリーズを整備するなど、主要国における整合化の動きが活発化している。
21日に制定されるのは@JIS Q14000=環境マネジメントシステムの使用と利用の手引きA同14004=同システムの原則、システムと支援技法の一般指針B同14010=環境監査の指針の一般原則C同14011=同指針の監査手順D同14012=同指針の環境監査員のための資格基準−−の計5件。
ISOとJISの環境規格が発行しましたが、それら規格の内容が同じでも審査登録機関が違うという指摘があります。
ISO環境規格の場合は日本適合性認定協会(JAB)が窓口になり、JIS環境規格の窓口は他のJISと同じに各地の通産局です。そのため、国内、国際両方の規格を取得する場合に同じ内容の申請を2回する必要があるというものです。
本号最初のニュースで紹介した「審査機関が民間に開放される」ことで、このような不都合が無くなることが急がれます。
■23年ぶり環境基準を新設、ベンゼンなど3物質/中央環境審が決定
有害対汚染物質の対策を検討していた環境庁の中央環境審議会大気部会(部会長、斎藤孟早大名誉教授)は18日、@発がん性のあるベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンの3物質に環境基準を新たに設定するA規制策としてガソリン内のベンゼンの割合を減らす−−ことなどを決めた。
これを受け環境庁は、年内にもベンゼンなど3物質に環境基準を設定、自動車やベンゼンの貯蔵タンク、石油精製・化学工場などからの排出にも基準を設ける。有害汚染物質への環境基準は1973年の二酸化窒素、光化学オキシダント以来、23年ぶり。
環境庁は「有害な化学物質の対策は、人体への影響に関するデータ不足や産業界への配慮から欧米より遅れていた。部会が選んだこの3物質を含む22物質を中心に排出や人体影響の調査を進め、対策を急ぎたい」としている。
ベンゼンの環境基準値としては、大気1立方メートル当たり0.003ミリグラム以下とする。工場なでの周辺調査では、同0.004〜0.023ミリグラムが検出されており、審議会は早急な対策が必要としている。
トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンの基準値は年内に設定。低ベンゼン化では、99年末に出荷されるガソリンから、ベンゼンの含有量を体積の5%から1%前後まで引き下げる。
このほか、大気部会は、二輪車に排気量やエンジンの種類に応じ、ベンゼンを含む炭化水素や一酸化炭素、窒素酸化物の許容限度を新設、98年末〜99年末までに実施する。
今年のASPニュース9月号で取り上げた環境庁の大気汚染物質の規制の具体的な数値が出てきました。環境庁が今年4月の石油類の輸入自由化に合わせて、ガソリン内のベンゼンの比率を5%とすることを決めたのが昨年の10月でした。それが今度は1%とさらに規制が厳しくなるのですが、すでに1%で対応しているガソリン元売りの企業もあります。3年後とはいえ、ようやく公平になるというものでしょう。
「低ベンゼンのガソリンを環境のために使いたいが、出光のスタンドがすぐ無いので困る」という発言を、あるラジオ番組で聴いたことがあります。
■工場廃棄物100%再利用/アサヒビール、茨城で来月から
アサヒビールは工場から出る廃棄物を全て再利用するシステムを、11月から茨城工場に導入する。製造工程から発生するビール粕(かす)や資材包装に使ったプラスチックなど34種類の廃棄物を完全に分別収集し、それぞれを再処理業者に販売する。産業界では工場廃棄物の再利用への関心が高まっているが、ビール業界で廃棄物を完全に再処理するのはアサヒが初めて。
同社は97年末までに東京、福島両工場にも同様のシステムを導入、2000年をメドに、今後新設する四国工場を含む全国9工場で、廃棄物の100%再処理体制を整える。
茨城工場では年間約4万6000トンの廃棄物が発生するが、廃棄物の85%を占めるビールの粕を牛の飼料として販売することを手始めに、廃棄物の再処理を進めてきた。今回再処理システムを確立したのは、残っていた廃プラスチック、王冠、紙くず、生ごみなど。
こうした廃棄物は異物が混入すると再利用が難しくなるため、蛍光灯、乾電池などわずかしか発生しないものについても漏らさず分別回収を始める。発生場所を詳細に突き止め、回収用バッグを設置することで、異種類の廃棄物が混ざらないようにする。
新システム導入に伴う投資額は、王冠の自動回収装置など合計約4500万円。紙くず、生ごみは焼却灰をセメント副原料、王冠はくず鉄、廃プラスチックは土木材料、汚泥は肥料や土壌改良材に再利用する。
■親の喫煙で子の肺能力低下/米の医師グループ、手術後の酸素吸入から
両親がタバコを吸う子供は、手術後、より多くの酸素吸入が必要−−。こんな調査結果をニューヨークの医師グループがまとめた。
調査は、ヘルニアなどで入院した1歳から10歳までの子供を対象に、手術後の血中の酸素濃度を計測、両親の喫煙習慣の有無を調べた。その結果、両親のどちらか一方でもタバコを吸う31人の内15人が手術後の酸素吸入を必要としたが、禁煙家庭の41人では2人にすぎなかった。ぜんそくや気管支炎の子供は除外している。
米国では年間、15万人から30万人の子供が間接喫煙の影響で呼吸器疾患にかかると言われており、調査した医師は「間接喫煙にさらされる子供は、酸素を取り込む肺の能力が低下しているため、手術後の酸素吸入が必要になるのだろう」と話している。
■喫煙者率 過去最低の35%/JTまとめ、男性のタバコ離れ進む
成人のうちタバコを吸う人の割合は昨年より1.2ポイント低い35.1%で、過去最低となったことが28日、日本たばこ産業(JT)がまとめた「全国タバコ喫煙者率調査」で明らかになった。男性の喫煙率が下がったことが主因。JTは「1.2ポイントの低下は誤差の範囲内」と説明している。
調査は今年5月に実施、1万1200人から回答があった。男女会わせた喫煙者率35.1%は、最低だった89、92、93年の36.1%を下回った。
男女別に見ると、男性が57.5%で92年以来5年連続で過去最低を更新。女性も14.2%で、緩やかな上昇傾向から一転、1ポイント低下した。
過去最低の調査結果とはいうものの、男性ではまだ57.5%もの人が喫煙しているのですね。あらためて驚きました。
企業の関心事であるISO14000環境規格も大事ですが、職場で各個人が作り出す環境はどうなっているのでしょう。
職場によっては、タバコによるスモーキングハラスメントが横行しているといいます。その加害者の多くが男性上司、というのも困ったものです。
終わりに
10月のニュースでは、人事院がまとめた初の禁煙に関するアンケート結果も目にとまりました。
調査は今年6月に、国家公務員約3200人を対象に実施され、喫煙者は全体の40.5%、うち禁煙希望者は44.4%という結果でした。
やめたいけれどやめられない人が、相変わらず多いようです。
また、喫煙が周囲に及ぼす影響については「非常に迷惑」「多少迷惑」を合わせ95.6%もあり、喫煙者だけでも94.8%に達していたのが印象的でした。
その割には喫煙者の悪いマナーが目についてしまうのですが‥‥。
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