発行人 中澤 滋 ASP研究所長野県松本市梓川梓3072-12 Tel. 0263-78-5002 |
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news ]
■民事訴訟法改正要綱案/少額手続きを新設、訴訟30万円以下 迅速化
■“安全”にいくら払うか? 自動倉庫の防災で米国調査報告書/産機構
■米モートン社 ひざ用エアバッグ世界で初めて開発/韓国・起亜が採用
■輸入血液製剤また自主回収/CJD感染の可能性
■抗生物質にまたガラス片、約6000本回収へ
■病院での携帯電話控えて/医療機器の誤作動防止、郵政・厚生省が来月にも指針
■廃棄物ゼロ工場、年内に2カ所/アサヒビール
■サンスターを訴え/「アパガードM」開発元のサンギ 「成分表示が混同」
■サンスターが逆提訴/「新製品をビラで誹謗」、「アパガードM」のサンギ
■釣り糸も自然にやさしく/東レが開発、水中で分解
■空気清浄機や喫煙室なければ職場のたばこ禁止/労働省初のガイドライン
法相の諮問機関である法制審議会の民事訴訟法部会は2日、民事裁判を迅速、簡略にするため少額訴訟手続きの新設、OA機器の利用などを柱とする「民事訴訟手続きに関する改正要綱案」を決めた。26日の法制審総会での了承を経て、法相に答申、法務省は新法として民事訴訟法案を3月に国会提出する。民訴法は1926年(大正15 年)の改正以来70年ぶりに全面改正、現代語化される。
要綱案は@少額訴訟手続きの新設A最高裁に対する上訴制度B争点整理手続きの整備C証拠収集手続きの拡充DOA機器の利用―などが主な柱となっている。
「少額訴訟手続き」では30万円以下の金銭支払い請求事件について、簡単、迅速に解決するため、英米並の簡略化した新手続きを設ける。原則として 1回の審理・即日判決で、分割払いや支払期限の猶予もできるとし、一般市民が利用しやすいようにした。
「証拠収集手続きの拡充」は、証拠関係文書の提出命令の対象を拡大するほか、当事者間の照会手続きを新設する。証拠が一方の当事者に偏在する事件(公害・薬害など)での証拠収集の手段を広げるための措置。
またテレビ会議システムを使って遠隔地にいる証人の尋問が行えるなど、OA機器を利用できるようにし、訴訟関係者の負担軽減を図ることとした。
民事訴訟法は明治時代にドイツから輸入し、大正15年に大改正しましたが外国法の影響が大きく残っているとの指摘がありました。今回の改正で「初めて自前の民訴法改正ができた」との専門家の意見も聞かれます。
日弁連なども「従来以上に分かりやすい」と評価しており、関係者の間でも歓迎する声が多いようです。
争いごとを好まないともいわれる日本人ですが、その反面、自己の権利を認めてもらうための努力を怠っている場合も少なくありません。今回の法改正をきっかけに裁判を身近なものにするには、国民の意識が変わる必要がありそうです。
■“安全”にいくら払うか? 自動倉庫の防災で米国調査報告書/産機構
日本産業機械工業会は「立体自動倉庫の米国消火設備に関する調査報告書」をまとめた。95年11月に大手缶メーカーの立体自動倉庫で火災事故が発生し、海外のスプリンクラー設置基準にくらべて甘い日本の基準の実態が浮き彫りになったが、この問題について立体自動倉庫メーカー側としても独自の対応、調査が必要と判断して行ったもの。
この調査で米国視察に参加したのはダイフクや石川島播磨重工業、村田機械をはじめ、物流機器メーカー10社。このほか防災機器メーカーとして能美防災も参加した。訪れたのは損害保険会社3社による火災研究機関(FMRC)、全米防火協会(NFPA)、防災安全に関する試験認定機関(UL)。詳細な火災実験を行ったビデオを見たり、現地の担当者から講義を受けた。
その結果、米国と日本の間に見られる違いとして米ではスプリンクラーの取付位置、作動数、自動倉庫の形状や高さ、中身、材質などに応じた防災機器の設置基準がきめ細かく定められているのに対して、わが国の場合はおおらか。スプリンクラーの放水時間基準もわが国の20分間に対して、米は1.5〜2時間となっている。これに加え、米では自動倉庫内の通路幅や貯蔵高さと天井間の距離、スプリンクラー設備の給水仕様などについても細かく定めている。
米では災害が発生した場合に「自分の財産は自分で守る」との意識が強く、自動倉庫のユーザーは損害保険会社と密接な関係があり、十分な防災設備が付けば保険料がそれによって減額されることも多い。これに対して、日本の場合はユーザーが保険会社と個々に協議して消火設備を考えるケースは少なく、現実には「消防法の最低基準をクリアすれば、それで良い」との考えが支配的だ。
当然ながら安全を考えればコストがかかります。今回のような倉庫の防災を考える場合、企業がリスクの選択をする事でもいいのかも知れません。ただ公共性の高い病院、学校、電車内や地下街などでの安全確保は一体どうなっているのか少々不安です。
今回のケースが安全な社会基盤を整備するために役だってくれればよいと思います。
■米モートン社 ひざ用エアバッグ世界で初めて開発/韓国・起亜が採用
モートン社は27日、世界で初めて運転席、助手席用のひざ用エアバッグを開発、市販車に搭載されることを明らかにした。採用するのは韓国の自動車メーカー、起亜自動車。96年秋に発売するスポーツタイプの乗用車「スポーテッジ」の全車種に標準装備する。
ひざ用エアバッグは前面衝突の際、頭部から胸部までを保護するエアバッグが有効に働いても、エンジンルームが室内に突き出し、ひざから下がインストルメントパネルにはさまれて、負傷するのを防ぐもの。モートン社が独自の技術で開発し、すでに基本特許を取得している。
ひざ用エアバッグはメーンエアバッグとセンサーを共用し、小型のインフレーターとエアバッグをインパネ内に埋め込む構造。
モートンは運転席、助手席のエアバッグをトヨタ、マツダ、米国ホンダなどの日系メーカーに納入している。
エアバッグもいろいろなものが出てきます。こうなると車内全体を覆いつくすようなエアバッグも出てくるのでしょうか?
輸入血液製剤で中枢神経系の致死性疾患「クロイツフェルト・ヤコブ病」(CJD)に感染する可能性があるとして、輸入元の医薬品輸入販売会社「バイエル薬品」は7日、製剤約2万4400本の自主回収を始めた。製剤は既に使われたものもあり、回収できるのは約8000本の見込み。
今月5日には医薬品輸入販売会社バクスターがCJDの患者からとった血しょうが血液製剤に混じっていたとして自主回収を始めたばかり。
同社によると、回収するのは血液製剤の一種、加熱人血しょうたん白製剤「プラスマネート・カッター」(回収対象番号B389、B407、B408)。
医薬品の異物混入とは次元の違う事件です。何とかならないものでしょうか。
外資系製薬会社「ブリストル・マイヤーズ・スクイブ」は19日、名古屋市内で緊急記者会見し、同社が販売している真菌性疾患の治療に使う抗生物質「ファンギゾン」のガラス瓶にガラス片が混入していたことが分かった、と発表した。16日から、全国の医療機関に出荷されていた製品約5900本の回収に当たっているという。
この抗生物質の瓶からは昨年3月から9月にかけて3カ所の医療機関でガラス片の混入が見つかり、年末に回収されたばかり。同社は度重なるトラブルに会見で謝罪、今後は製造、検査工程の抜本的見直しも検討するとしている。
同社によると今月9日、東京都内の医療機関から注射用ファンギゾンの瓶1本にガラス片が混入していると通報があった。ガラス片は長さ約4ミリ、幅約2ミリ。
この製品は昨年9月に米ニュージャージー州にある親会社の工場で製造され、瓶詰めされた。輸入後、愛知県額田郡真田町の愛知工場で検査、包装して出荷した。
最近多く取り上げられる医薬品異物混入事件ですが、昨年5月に厚生省が都道府県に回収の公表を促す通達を行い、7月にPL法が施行されたことから製造物責任を恐れたメーカーが一斉に公表を始めたためという背景があるようです。
しかし今回のように再発防止もできていないようでは、GMPを遵守しているとは到底思えません。
■病院での携帯電話控えて/医療機器の誤作動防止、郵政・厚生省が来月にも指針
郵政、厚生両省は携帯電話から出る電波で医療機器が誤作動するのを防ぐため、病院内での携帯電話の使用を制限する暫定指針を3月末をメドに作成する。人工呼吸器や点滴ポンプなどがある手術室や集中治療室などでの携帯電話の使用の原則禁止や、簡易型携帯電話(PHS)基地局の病院への設置制限などを盛り込む。来春には、医療機器の種類に応じて携帯電話の具体的な使用禁止範囲などを定めた、より詳細な指針を公表する。
指針を作るのは両省と携帯電話・医療機器メーカーなどで構成する「不要電波問題対策協議会」の医用電気機器作業部会。
指針に法的強制力はないが、メーカーは携帯電話や医療機器の取扱説明書を指針に沿って書き直し、利用者に注意を促す。厚生省は、携帯電話の利用規制を院内規則に盛り込むよう医療機関を指導する。
携帯電話の電波防止に取り組むきっかけは、昨年4月の岡山市の病院における事故のようですが、指針作りはもっと早く着手できたのではないでしょうか。
無線電波が人体に与える影響については、医学的に分析が確立していないが、米国では92年にガイドラインが策定されています。安全か危険か分からない場合のリスクはゼロでない、という米国社会の認識によるものなのでしょう。
アサヒビールは工場から廃棄物を一切出さない生産システムを導入する。年内にも茨城と博多両工場で開始、その後他の6工場に拡大する。
茨城工場から発生する麦芽かすなどの廃棄物は年間約4万立方メートル。博多工場も同3万5000立方メートルに達する。麦芽かすの大半を牛の飼料や肥料に加工、発酵工程で発生する余剰酵母も薬品用などに再利用しているが、焼却処分したゴミや原材料のこん包に使ったプラスチック類などは埋め立て・廃棄するしか方法がなかった。
新しく決めた対策は、ビール瓶の王冠などの回収ゴミを含めて分別収集を徹底するとともに、廃プラは固形燃料、王冠はスクラップ、焼却灰はセメント副原料として再利用する技術を確立した。
同社の廃棄物再資源化率は全国8工場平均で現在約98.5%。産業界では40%程度に過ぎない。新方式を採用することで、2、3年以内に全ての工場で再資源化率100%を実現、「廃棄物ゼロ」を達成したい考え。
これに合わせ、吹田工場でも冷媒用フロンの使用を全廃し、約10億円を投じてアンモニア吸収式冷凍機を組み合わせた国内初のコージェネレーション(熱電併給)システムを導入する。エネルギー効率の向上とともに、公害や廃棄物を出さない工場を目指す。
企業の環境対策が進んでいますが、製品個々に環境指数なるものを表示し、企業の努力度が消費者にも分かればいいのですが…。
■サンスターを訴え/「アパガードM」開発元のサンギ 「成分表示が混同」
「芸能人は歯が命」の宣伝文句でヒット商品になった歯磨き「アパガードM」の開発元「サンギ」は20日、「自社が開発した、歯を白くする成分の名称と混同する表示で便乗商品を販売しようとしている」として、不正競争防止法に基づき、「サンスター」の4製品について製造・販売の差し止めを求める仮処分を東京地裁に申請した。
サンギが販売差し止めを求めたのは、サンスターが来月にも発売予定の歯磨き「AP-WHITE」など。
申請によると、問題の成分はサンギが開発、歯を白くすると厚生省から認可された「薬用ハイドロキシアパタイト」。サンギ側は「サンスターの製品は、『ハイドロキシアパタイト』の表示に『薬用』の文字を近づけるなどして、『薬用ハイドロキシアパタイト』の効能があるかのように誤解させる」と主張している。
【サンスターの話】当社の製品が安価なため販売阻止を狙った不当な訴え。発売は予定通りで、法的対抗措置も検討している。
■サンスターが逆提訴/「新製品をビラで誹謗」、「アパガードM」のサンギ
サンスターは21日、同社の歯磨きが、ヒット商品「アパガードM」の類似品であるとして、発売元の「サンギ」から販売差し止めの仮処分申請を受けたのに対抗し、「ビラなどで新製品を“にせもの”と誹謗している」などとして、こうした行為の差し止めなどを求めてサンギを東京地裁に逆提訴した。
訴えによると、同社が発売予定の「APホワイト」など4製品について、サンギは卸や小売店に、「ゾロ製品についての注意」「にせものの見分け方」などと題したビラを配布し販売を妨害しているとしている。
【サンギの話】類似製品を作り便乗により得をしているのはサンスターである。消費者保護の立場からもあらゆる対抗措置をとっていく。
サンギの話の中で「消費者保護の立場…」というくだりがありますが、本当に「いい商品だけを提供したい」というのであれば、これはなかなかのものだと思います。
東レは31日、糸切れなどで海や川の中に放置しても、自然に水と二酸化炭素に分解する釣り糸「フィールドメイト」を開発、3月から販売すると発表した。釣り人口の増加に伴い、環境破壊につながる糸の放置が問題になっている。生分解性の釣り糸の開発は国内では初めて。
■空気清浄機や喫煙室なければ職場のたばこ禁止/労働省初のガイドライン
職場でたばこを吸うのは基本的に駄目!労働省は22日、喫煙は原則的に喫煙室など専用のスペースだけとし、部屋全体をカバーする空気清浄機などがなければ禁煙にすべきだ、とする職場喫煙のガイドラインを発表した。
ガイドラインは「あるべき姿を示した一つの目標」(環境改善室)で企業などへの法的な拘束力はないが、労働省は都道府県にある労働基準局を通じて広めていく考えだ。
ガイドラインは分煙対策を基本に据え、施設面では空気清浄機を備えた喫煙室やコーナーを設けることを原則に掲げている。また具体的に、事務室や会議室では清浄機がなければ禁煙にすることや、廊下、エレベーターホールなど共用区域を禁煙にすることを示している。
さらに、職場の空気中粉じんと一酸化炭素の濃度が一定以下となるよう数値目標も設定した。
いい動きだと思います。「禁煙イコールクリーン」のイメージで、各企業が積極的に推進して欲しいと思います。
終わりに
毎日いろいろなニュースを目にしますが、企業の安全や品質に関する対応は少しはよくなっているのでしょうか?
進んでいるつもりがいつのまにか後戻りしているようで、それでもらせん階段のように、少しづつ上には上っているのでしょうか…。
同じミスは繰り返さず、他社の失敗を自社の反省材料とする顧客志向の徹底を進めて欲しいと思います。