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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。.
7月のニュースから
■軽傷事故発生、ヤマハ発動機の電動自転車/16万台無償点検
ヤマハ発動機は7日、同社が製造した電動ハイブリッド自転車の部品に不具合があり、これまでに7件の軽傷事故が発生したと発表しました。同部品はブリヂストンサイクル、宮田工業、タカラ(現タカラトミー)製の自転車にも採用されており、4社は8日から無償点検・修理に乗り出し、対象台数は計約16万台に上るとみられています。
不具合があったのは、2003年4月から04年8月にかけてヤマハ発動機が製造した部品を搭載した、同社の「PAS」シリーズやブリヂストンの「アシスタ」シリーズなどの電動ハイブリッド自転車の一部で、両ペダルをつなぐ「クランク軸」と呼ばれる金属部品が強度不足のため、折損する恐れがあるといいます。
このため走行中に同部品が折れてバランスを崩して転倒するなどし、打撲や擦り傷などを負った事故が7件あったといいます。
ヤマハ発動機の同自転車をめぐっては、過去にペダルを踏むのをやめてもモーターが作動し続ける不具合により、18件の重傷事故が発生。約22万台を対象に自主回収が行われています。
ヤマハ発動機では、使用条件によってはクランク軸が折損するおそれがあることが確認された為としていますが、自転車で一番負荷のかかるクランクに対する設計強度の問題で、使用条件でまれに発生するものではないと思います。
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■廃棄テレビから有害物質/ちりに臭素化ダイオキシン
国内で廃棄されたブラウン管テレビの内部などにたまっているちりに、毒性が強いダイオキシンと構造や毒性が似ている有害な臭素化ダイオキシン類が高濃度で含まれていることが、愛媛大の森田昌敏教授らの分析で23日、明らかになりました。
テレビをつけていると出る熱で、テレビを燃えにくくするためにケースに含まれている臭素系難燃剤から臭素化ダイオキシン類が生成され、ちりの中に蓄積するとみられています。こうした難燃剤の使用量は最近少なくなっていますが、現在使われているテレビにはまだ多く、研究グループの武智庸祐さんは「地上デジタル放送への移行に伴って、廃棄されるテレビは増加が予想され、リサイクル作業者が臭素化ダイオキシンにさらされる危険もある」と指摘、家庭での使用時の拡散状況を含めた詳しい調査が求められるとしています。
グループは、愛媛県内のリサイクル業者の協力で、廃棄されたテレビ15台からちりを集め分析、すべてから臭素化ダイオキシン類が検出されました。最高濃度はちり1グラム中3万4000ピコグラム(ピコは1兆分の1)で、最低は同870ピコグラムでした。
テレビのちりに臭素化ダイオキシン類が含まれることは2004年、国立環境研究所などの調査で明らかになりましたが、その後詳しい報告がほとんどなかったことから、今回の調査は貴重なものだといいます。難燃材を使った電子機器がある室内のほこりから、臭素化ダイオキシンを検出したとの報告もあり、家電製品や電子機器が原因の室内汚染についてさらに詳しく調べる必要があります。[目次へ]
■介護ベッドの手すり事故、死亡10人に 07年5月以降
経済産業省によると、鹿児島県の病院で昨年12月、入院中の患者が介護ベッドの手すりとマットレスの間に首を挟まれ死亡、昨年5月以降、介護ベッド関連の事故は17件発生、死者は10人になりました。
鹿児島以外に死者が出たのは愛知、三重、兵庫、広島、島根、香川の各県で、病院や自宅のベッドで1人で見つかる例が多くなっています。原因が製品の欠陥か誤使用かは不明ですが、経産省は「重大事故が起きており、取扱説明書や注意事項を十分確認してほしい」と呼び掛けました。
経産省によると、鹿児島の事故では患者が介護ベッドで手すり下部の柵とマットレスの間に首を挟まれ、発見時には死亡していたといいます。手すりはパラマウントベッドの「ベッドサイドレールKA―16」、1988年まで製造された旧型で、現在は体が挟まりにくい形に改良されたとのことです。今月になって病院から連絡を受けた同社が、経産省に報告したものです。
医療・介護現場では患者の行動が想定外のことも多く、ベッド柵などに手や首が挟まっているのを看護師などが見つける「ヒヤリハット」、「インシデント」として報告されています。
隙間のないベッドは製作可能ですが、患者からみる圧迫感や移動時の作業、シーツ交換の簡便さ、などから現在の形になっているようですが、ハード面の対策は事故の後追いで行われているようです。ソフト面としての各施設でのメーカーの安全情報の把握と施設内周知・対処が大事ですが、スタッフによる見回りの強化が最大の効果を発揮するようです。
現在、患者7:看護師1の基準看護の病院が多くなっていますが、勝手に出歩く患者に対しては過度の拘束もできないなど、管理者の目の届きにくい夜間における看護師・職員数の適正数の把握も難しいのが現状のようです。
そのため家族の付き添いを求める場面もありますが、家族は昔いわれていた「完全看護(現在は使われていない)」という言葉によるイメージが強く、「自分たちは何もしなくても大丈夫」との思いが強いようです。 しかし多様な患者の行動に対処しなければならない看護・介護現場においては、様々な状況があることを、私たちはもっと知るべきでしょう。[目次へ]
■アップリカのベビーカー欠陥で幼児重傷、59万台ねじ交換
アップリカ・チルドレンズプロダクツ(大阪市中央区)は7日、同社が製造、販売したベビーカーの欠陥が原因で、昨年3月から今年6月までに、幼児がベビーカーから転落し顔に大けがするなどの事故が全国で6件起きたと発表しました。同社は使用者に点検を呼び掛け、約59万3400台を対象にねじの無償交換をすることになります。
経済産業省は、アップリカが軽傷の5件を報告していなかったため「(報告が早ければ)重傷事故は防げた。報告態勢がずさんで重大な問題がある」として今月4日付で口頭指導しています。
部品交換の対象は、2003年11月から昨年3月までに製造した「超軽量ふわっとベッド アイtoアイ」「カルッコベッド メディカル アイtoアイ」など12シリーズです。
アップリカによると、事故は昨年12月、群馬県伊勢崎市内で保護者が「超軽量ふわっとベッド アイtoアイ」のベビーカーを使用中に手押し部分を固定するねじが外れ、1歳10カ月の女児がベビーカーから落ちて前歯にひびが入り、神経を損傷したものです。他の5件はいずれも軽傷といいます。
同社では当初、交換用部品と専用ドライバーを送り、同封の説明書どおりに部品の交換をお願いしていましたが、25日には対象製品を拡大させ、さらに製品を引き取って、同社にて点検・改修する方法を加えました。
部品をはめるだけという作業ではなくて、ねじ締めというバラツキのある作業を顧客に強いることには躊躇するものがあり、時間的負担はあるものの製品を引き取ってもらっての修理が望ましいと思います。
このあたりの対応を見ると、ベビーカーでは有名ブランドですが、安全管理については脇が甘いようです。[目次へ]
■乗用車の視界、プライバシーガラスの視認性など/国民生活センター
国民生活センターでは、乗用車の窓ガラスのプライバシーガラスの安全性について検証し、次のようにコメントしています。
乗用車の視界は、走行中はもちろんのこと車庫入れなどの際も安全性を確保する必要がありますが、道路運送車両の保安基準では、必要な視界が確保されるように規定がなされています。
例えば、窓ガラスに関しては、前面および前席の窓ガラスの可視光線透過率が70%以上なければならないとされているのですが、後席の窓ガラスについては透過率に関する規定はありません。そのため最近の乗用車では、プライバシーの保護や車内の温度上昇の抑制等の観点から、後席や後面の窓に黒や茶色等に着色したプライバシーガラスが標準で装備されていることが多くなっています。
一方、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には「スモークガラスのせいで運転中、窓を通して後方の安全確認をしにくい」といった情報が寄せられています。そこで、プライバシーガラスを通した対象物の見えやすさ(視認性)に問題がないか調査を行いました。
また参考にAピラー等によって生じる死角の測定やモニターテストも合わせて実施し、事故の防止に資するため、消費者へ情報提供することとしました。
消費者1124人を対象にアンケートを実施した結果では、現在所有している車について聞いたところ、約5割の人の車にプライバシーガラスが装備されていた。
ガラスの色の濃さについて聞いたところ、8割近くの人がちょうど良いと回答した。プライバシーガラスを選んだ理由としては、「外から車の中が見えにくいから」が7割以上で最も多かった。一方、プライバシーガラスを選択しなかった人のうち、6割以上の人は「見通しの悪化」という理由で透明なガラスを選んでいた。
国内の乗用車メーカー8社にアンケートを実施した結果では、プライバシーガラスを採用する車種は約9割であった。プライバシーガラスの採用理由は、車内の温度上昇の抑制、エアコンの使用が減ることによる燃費改善などのほか、プライバシーの保護や消費者からの要望が多いことが挙げられた。プライバシーガラスの可視光線透過率について聞いたところ、概ね20〜30%の範囲であった。一方、テストでプライバシーガラスの透過率を測定した結果、22〜29%であった。
ガラスの色の濃さについてモニターテストを行なった結果は、夜間でもガラスの色が薄ければ、ある程度対象物を確認できたが、色の濃いガラスになると、多くの人が確認することが困難になった。
同センターでは消費者へのアドバイスとして、プライバシーガラスを装備した車を運転するときは、暗い夜などでは後方の子供や障害物などが確認しにくくなるので特に注意する。隣や前方の乗用車がプライバシーガラスを装備しているときは、トラックやバスなど大型車両のときと同様に車の向こう側が見えにくく、歩行者の行動や周囲の交通状況をつかみにくいことがあるので運転に注意する、と注意を促しています。[目次へ]
. ■カラーコンタクトで目に異常170件、あわや失明も
若い女性に人気の「おしゃれ用カラーコンタクトレンズ」の使用者が目の異常を訴えたケースが約170件あることが、経済産業省所管の製品評価技術基盤機構(NITE)の調査でわかりました。このうち21件は、失明につながる恐れがある角膜潰瘍や角膜炎などの重症だったといいます。
NITEが全国の医師約1万3千人にアンケートしたところ、05年10月〜今年2月に「おしゃれ用」が原因と診断した目の異常が167件あったといいます。そのうち88件(53パーセント)は手入れ不良や長時間使用など使い方の問題でしたが、着色剤のはげ落ちなど品質の問題が28件(17パーセント)ありました。
同時に行った受診者アンケートには98人が回答、その約9割が10代後半〜20代前半の女性で、購入先は46人が「インターネット・雑誌」での通信販売だったといいます。
「おしゃれ用」は現在、つけまつげやかつらと同じ雑貨品扱いのため薬事法の規制対象外で、品質に関する国の基準や販売の規制もありません。しかし、使用上のトラブルが広がっていることから、厚生労働省は薬事法で医療機器に指定し、品質や販売方法を規制する方針を固めています。
国民生活センターでは06年度、おしゃれ用10銘柄を調べていて、4銘柄で色素の流出が見つかり、うち2銘柄は細胞毒性も検出され、かゆみの原因になる「眼粘膜刺激」を起こす恐れがあることがわかっています。
2銘柄で、眼粘膜刺激が起こりうる程度の細胞毒性が認められ、4銘柄で色素の溶出がみられ、そのうち2銘柄では溶出液が蛍光を発していることが確認され、アルミニウム等が溶出しているものもみられたといいます。
またレンズ装用後、視力、夜間視力、動体視力が大幅に低下する場合があり、さらに、装用したことによって乱視矯正が必要になったり、軽度の眼障害が認められた場合もあったといいます。
このように以前から安全性に問題のある商品ですが、おしゃれに飛びつく若い女性にはそのような注意喚起は届かないようです。同じ目に装着するレンズに医療機器と雑貨品があること自体、健康・安全管理上おかしな事で、厚労省の規制強化は当然のことでしょう。[目次へ]
■化粧品クリームにステロイド含有/国民生活センター注意喚起
国民生活センターでは6月21日以降、化粧品クリーム『NOATOクリーム』に関する情報や相談が少なくとも8件寄せられているとして消費者に注意を促しています。
内容は主に、医薬品成分のステロイドホルモン(以降、ステロイドとする)に関する不安や使用後の状態への疑問についてであり、そのため緊急に、当該製品にステロイドが含まれていないかを調査しました。
東京都の30歳代女性の事例では、通販にて購入したがホームページには「ステロイド不使用、副作用なし」と記載されていた。しかし、使用してみるとあまりの即効性にステロイドが入っているのではと思い、販売元に問い合わせたが、ステロイド不使用と断言された。しばらく使用したが、怖くなり、使うのをやめたところ、ステロイドのリバウンドと同じような症状になった。使用前より悪化した。商品の成分を調べてほしい、というものでした。
当該商品は化粧品クリーム『NOATOクリーム』ですが、販売者は株式会社ZEAL、株式会社ハートスタッフ トピアなど数社あり、センターでは株式会社ZEALから購入した『NOATOクリーム』について、医薬品成分のステロイドが含まれていないかを調査しました。
商品名はNOATOクリームで、輸入元は株式会社 ラバンナ、内容量20g、成分は水、グリセリン、ワセリン、ウワウルシエキス、ボルネオール、チャ葉エキス、カンゾウ根エキス、アロエベラエキス、キハダ樹皮エキス、オタネニンジンエキス、ローマカミツレエキス、イブキトラノオ根エキス、エチルパラベンとなっていました。
ステロイドの成分テストでは、プレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、吉草酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、酢酸コルチゾン、プロピオン酸クロベタゾール合計9種類についてテストしたところ、プロピオン酸クロベタゾールが検出されたといいます。
今回検出されたプロピオン酸クロベタゾールは、外用ステロイドホルモン製剤としては最も強いランクに属しており、当該商品に含有されているプロピオン酸クロベタゾール0.047%は、日本で医薬品として承認されているプロピオン酸クロベタゾール製剤とほぼ同一の含量となっているといいくす。従ってこの商品は、無承認無許可医薬品に該当し、薬事法に違反するものととしてセンターでは注意を促しています。[目次へ]
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